ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【原発地下水】難波先生より

2013-10-22 12:04:39 | 難波紘二先生
【原発地下水】について、同じ外電でもロイターの日本向け報道と英語報道の違いが目立つ。
 日本向けには危機を煽るような報道は控えているようだ。これは今後の電力供給体制の再編についての記事。
 http://jp.reuters.com/article/JPInterview/idJPTYE99G05520131017?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0&sp=true
 参考になるインタビューだ。戦後「電力の鬼」と呼ばれた松永安左右衛門が築いた「九電力体制」が、やがて崩れるだろうと思う。
 英語版では「毒水の氾濫」として800mm/24hrの雨が原発敷地内に降り、この処理が大問題になると指摘している。
 http://rt.com/news/fukushima-typhoon-radioactive-water-310/
 それにしても台風が直撃して四号機建屋に被害が出なくてよかった。


 ハフィトン・ポストは原発作業員用の放射線防御下着を大阪の「山本」という会社が開発したと報じている。11月から売り出すという。値段は大したことない。
 http://www.huffingtonpost.co.uk/2013/10/17/japanese-radiation-proof-underwear_n_4115301.html
 それにしても事故発生から2年半、新兵器の開発が遅すぎる。
 第一次大戦は4年間続いた。
 その間に開発された新兵器は、
 戦闘機、爆撃機、戦車、
 潜水艦、魚雷
 機関銃、機関砲、
 毒ガス、防毒マスク、など
 第二次大戦はヨーロッパで6年間、太平洋側で4年間続いた。その間に開発された新兵器は、
 急降下爆撃機、ジェット戦闘機、高々度大型爆撃機(B27, B29)、ミサイル(V1,2号)、細菌兵器、レーダー、暗号解読システム、サイバネティクスを応用した自動照準装置、原爆など、
 と多くにわたる。
 これは各国家が総力をあげて取り組んだから可能になったので、福島の処理を一民間会社に委ねていたのでは、10年経っても問題の解決に至らないだろう。


 「日経」10/16の記事が独法「産業技術総合研究所」による福島原発地下水の研究を報じている。(添付1)

 東電公開資料による地下水資料をもとにした研究で、同研究所のプレス・リリーフには啓示されていない。http://www.aist.go.jp/db_j/list/l_research_research.html
 旧国立研究所の場合、学会発表等にも所長の許可がいるはずで、研究者が勝手にメディアに流すのは許されていないはずだが、どうなっているのか。


 これは8/23に東電が公表した「福島第一原子力発電所周辺の地質・地下水および解析」
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130823_05-j.pdf
に基づくものだ。
 添付2はこの東電資料7頁にある原発周辺の地形図である。
 第一原発1号機を縦断した地層図を見ると(資料8頁)「富岡層T3」という地層の「互層部」という泥岩と砂岩が混じり合った透水性の高い層が、原発敷地の西側で露出している。(添付3)
 
 添付2図にある、緑色で表示された「分水界」(局所的な分水嶺)の走行を見ると、EL(標高)30mの等高線が原発敷地西側を北から延びる舌状の銭としてあり、ここに第一の分水界がある。
 その西側にEL30mの等高線があり、長者原の水田地帯の中ほどを走っている。
 他方、原発敷地内を走る排水口(青線)を見ると、地表に降った雨水を処理する排水口の数と広さがあまりにも貧弱なのが目立つ。特にEL40等高線が舌状に張り出した部分では、谷を埋めた跡に作るべき南北の排水溝がない。
 添付4は国土地理院の2万5000分の1地図に「排水トンネル」の試案を印した前に提示した図面だが、原発敷地の排水溝(青色)の位置と唐電視量のそれは一致している。


 建屋に流入する「400トン/日の地下水の大部分が敷地内に降った雨水由来」というのが、本当なら樹木を伐採し地表をアスファルト舗装した上、雨水の排水口を整備するのが第一だろう。
 「凍土壁」というような建設にも維持にも金のかかる方法を開始する前に、すぐに着手できることだろう。
 富岡T3は泥岩の層を挿んで上下2層の「互層」に分かれる。この下層地下水は阿武隈山系の地下水をも含んでいる。もし地震でこの泥岩層に亀裂が生じていたら、深層水の上層への移動が生じる。もしそうなら多発性にボーリングを行い、移動箇所を検出しなければ地下水問題は解決しないだろう。
 (資料をお送り頂いた、光畑先生豊田先生、ありごとうございました。)


「サーチナ」という中国ブログを紹介するサイトが、韓国KBSテレビが福島周辺でおこなった土壌の放射能調査結果を報じている。中国・韓国が、歴史認識問題、慰安婦問題、領土問題と絡めて、福島原発による汚染問題を外交の材料とする兆候が出てきた。
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1019&f=national_1019_003.shtml
 東電を破綻処理するか分社化して本気で原発問題に取り組まないと、「TOKYO 2020」は本当に危なくなるかも知れない。
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