ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【安楽死】難波先生より

2018-02-05 11:31:42 | 難波紘二先生
【安楽死】2/2「読売」が「カトリックの国イタリアで、安楽死法が施行された」と報じている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20180202-OYT1T50040.html
安楽死法は最初にオランダで施行され、今や南欧を除くヨーロッパで承認されている。

米駐日大使のエドウィン・ライシャワーは在任中に暴漢に刺され、大量輸血を受けた。汚染血が原因でB型肝炎にかかり、ハーバード大学教授の時に肝硬変となった。B型肝炎は約10年後に肝硬変を発症し、その約10年後に肝がんを発症するのが通例である。

拙著「覚悟としての死生学」(文春新書、2004) のp.18~20に書いたように、
彼は尊厳死を否定していたマサチューセッツ州ボストンから、「安楽死」が認められているカリフォルニア州に移住し、遺灰を日米の架け橋となるように「太平洋に撒くよう」に遺言し、その後安楽死した。夫人は日本人だった。

日本には刑法に「自殺未遂罪」がないのに、「自殺幇助罪」がある。これは検察も裁判所も不勉強で「法の精神」を理解していないためだ。
 明治政府の仏人法律顧問ボアソナードが「明治刑法」を作った時、武士の「切腹」を止めさせるため、「介錯人」を罰するという条項を設けたのだ。
介錯人がすぐに首を刎ねないと、敗戦時の阿南陸相のように、切腹後10時間近くのたうち回って死なないといけない。

 私は自殺には反対だが「あの世などない」と理解した上で、自殺するのは個人の勝手だと思っている。(ある牧師は、私の「覚悟としての死生学」を読んで棄教した。)

 米国ではかつて病理医ジャック・キヴォーキアンが「尊厳死」を求める患者のために、大型ワゴン車にベッドと必要医薬品を積み、全米を廻ったために医師法違反で逮捕されている。
★キヴォーキアン,ジャック(松田和也訳)「死を処方する 」青土社 ,1999/3

 イタリアの「安楽死法」施行が、「あっち向いてホイ」の国(空気が支配する国)、日本にどういう影響を与えるか、注意して見守りたい。


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