【格言】「ゆっくりと急げ(Festina lente.)」というローマの格言を教えてもらったおかげで助けられた、という賀状が 友人の高校教師から届いた。
それならと、転職を思案している大学教師の友人への賀状に 一筆書き加えようとして、出典を探したら、岩波文庫『ギリシア・ローマ格言集』にあった。スエトニウスの「ローマ皇帝列伝」が由来とあったが、人名のスペルが分からない。(タキトゥス『年代記』, 岩波文庫 は読んでいるが、スエトニウスは未読。)
スペルが不正確だと 英語の「引用語句辞典」が引けない。同じく岩波の『ギリシア・ラテン 引用語辞典』には<Festina lente>が載っていて、(Cf.Suet.Aug. 25)とあるが、これが「出典略字表」とは気づかなかった。8月25日?と思ったのだ。
で、「世界人名辞典」でSuetoniusというスペルが分かったが、英語の「オックスフォード引用語辞典」にスエトニウスが載っていない。そこで原典の『ギリシア・ローマ格言集』に戻って 説明をよく読むと、「ローマ初代皇帝アウグストゥスが愛した、三大座右の銘のひとつ」とあったので、英語引用語辞典をAugustusで引くと、やっと見つかった。
「皇帝列伝」の「アウグストゥス帝」の第25節にあるという。(英語では<Make haste slowly.>としてことわざになっているともある。和訳は2書とも「ゆっくり急げ」になっているが、私は「ゆっくりと急げ」のほうが7音になって響きがよいと思う。
残念ながらこの格言は、
「世界名言大辞典」(明治書院)、
「世界名言集」(岩波)、
「世界の故事名言ことわざ」(自由国民社)、
「ことわざ辞典」(岩波)、
には載っていない。
私が当初、戸惑ったのは名前を「スウェトニウス」と覚えていて、スペルを<Swetonius>として英語辞典を検索したからだ。
医学論文(特に総説など)では、ふつう人名には英語スペルを付記する。さもないと、2名のノーベル賞受賞者の名前で、病名にもなっている「ホジキン」(病)など、日本語から<Hodgkin>と綴るなどとは、ほとんどの人が思いつかないだろう。
筋収縮がアクトミオシンとATPの作用によること、ビタミンCがアスコルビン酸であること などを発見して ノーベル賞をもらった、ハンガリーの化学者Szent-Gyorgyiも、日本語表記は「セント・ジョルジ」、「セント・ジェルジ」の2種類がある。(ヨとエのちがいは、Oをドイツ語のウムラウトにしたものと これをOにしたものと2種の英語表記があるせいだ)、日本語の「セント」が彼の場合<Szent>であることを知らないと、Saintでは英語人名辞典を引けない。
「英語公用語」論を蒸し返して、せめて難名の場合、英語スペルを並記しようと呼びかける次第だ。日本語だってルビを振る。スペルがわからないために、ずいぶんムダな時間を費やしたあげくの反省です。
それならと、転職を思案している大学教師の友人への賀状に 一筆書き加えようとして、出典を探したら、岩波文庫『ギリシア・ローマ格言集』にあった。スエトニウスの「ローマ皇帝列伝」が由来とあったが、人名のスペルが分からない。(タキトゥス『年代記』, 岩波文庫 は読んでいるが、スエトニウスは未読。)
スペルが不正確だと 英語の「引用語句辞典」が引けない。同じく岩波の『ギリシア・ラテン 引用語辞典』には<Festina lente>が載っていて、(Cf.Suet.Aug. 25)とあるが、これが「出典略字表」とは気づかなかった。8月25日?と思ったのだ。
で、「世界人名辞典」でSuetoniusというスペルが分かったが、英語の「オックスフォード引用語辞典」にスエトニウスが載っていない。そこで原典の『ギリシア・ローマ格言集』に戻って 説明をよく読むと、「ローマ初代皇帝アウグストゥスが愛した、三大座右の銘のひとつ」とあったので、英語引用語辞典をAugustusで引くと、やっと見つかった。
「皇帝列伝」の「アウグストゥス帝」の第25節にあるという。(英語では<Make haste slowly.>としてことわざになっているともある。和訳は2書とも「ゆっくり急げ」になっているが、私は「ゆっくりと急げ」のほうが7音になって響きがよいと思う。
残念ながらこの格言は、
「世界名言大辞典」(明治書院)、
「世界名言集」(岩波)、
「世界の故事名言ことわざ」(自由国民社)、
「ことわざ辞典」(岩波)、
には載っていない。
私が当初、戸惑ったのは名前を「スウェトニウス」と覚えていて、スペルを<Swetonius>として英語辞典を検索したからだ。
医学論文(特に総説など)では、ふつう人名には英語スペルを付記する。さもないと、2名のノーベル賞受賞者の名前で、病名にもなっている「ホジキン」(病)など、日本語から<Hodgkin>と綴るなどとは、ほとんどの人が思いつかないだろう。
筋収縮がアクトミオシンとATPの作用によること、ビタミンCがアスコルビン酸であること などを発見して ノーベル賞をもらった、ハンガリーの化学者Szent-Gyorgyiも、日本語表記は「セント・ジョルジ」、「セント・ジェルジ」の2種類がある。(ヨとエのちがいは、Oをドイツ語のウムラウトにしたものと これをOにしたものと2種の英語表記があるせいだ)、日本語の「セント」が彼の場合<Szent>であることを知らないと、Saintでは英語人名辞典を引けない。
「英語公用語」論を蒸し返して、せめて難名の場合、英語スペルを並記しようと呼びかける次第だ。日本語だってルビを振る。スペルがわからないために、ずいぶんムダな時間を費やしたあげくの反省です。
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