ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ウソつき五学会】難波先生より

2012-07-30 12:46:22 | 難波紘二先生
.【ウソつき五学会】さる2月に移植学会など4学会が修復腎移植の「先進医療禁止」を訴える「五学会共同要望書」を厚労大臣に提出した。
 その中に次の一節がある。
 <②現在、世界中で継続的に病腎移植を行っている施設は徳洲会グループのみです。米国では年間5000例以上の生体腎移植が行われていますが、継続的に病腎移植を行っている施設は存在しません。欧州でも同様です。かつて病腎移植を行っていたオーストラリアのDr.Nicolのグループも現在では病腎移植を行っていません。>
 これを書いたのは高原史理事長とその子分奈良医大の吉田克法である。二人は2007年に厚労省から300万円の補助金を受けて「海外における病腎移植」というインチキ報告書を提出している。犯罪的である。


 これについては、すでに以下の論説で反論を提出しておいた。
「 2006年11月に宇和島徳洲会病院が「病腎移植」を公表したとき、日本移植学会は「聞いたこともない医療だ」、「世界のどこでも行われていない」と非難した。市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院および呉共済病院で実施された合計42例の病腎移植のうち、悪性腫瘍例は腎がんが8例、尿管がんが8例、合計16例である1)。残りの26例は尿管結石、局所性腎盂腎炎、尿管狭窄などの病変をもった腎臓で、これは上記アムステルダム会議の趣旨にまったく合致したものである。2004年4月に行われたこの会議の報告書は、2005年冒頭にTransplantation誌3)に掲載されたのであるから、日本の移植関係学会指導者においては公知の事実でなければならなかった。にもかかわらず「病腎移植」を一括して、上述のような非難をおこなったことは、アムステルダム会議の内容を知らなかったか、知っていてあえて「病腎移植は悪い医療である」という印象を与えるために、このような言説をなしたかである。
 要望書は、米国の例を出して「年間5000例以上の生体腎移植があるのに、継続的に病腎移植をおこなっている施設はない」と主張しているが、要望書冒頭で提出者が自ら認めているように「腎提供が大きく不足しているという現状」は、日本と違い米国にはない。腎移植にはまず死体腎があり、ついで生体腎があるからである。しかし、もともと2005年に小径腎細胞がんを切除後移植された14例を、シンシナティ大学の「移植腫瘍登録例」の中から発掘し、「長期追跡によっても、再発・転移が認められない」と報告したのは、同大学のBuellらである5)。

 2007年10月、日本の「病腎移植」の成績が米国学会で発表されて以来、米国でも小径腎癌のある腎臓を用いる生体腎移植はいくつか実施されているので、それについて述べる。

まず2007年10月にはカリフォルニア大学サンフランシスコ校のウィトソンらのグループが、修復腎移植を報告している6)。ついで2009年にはマリーランド大学のウベロイらのグループが1996~2008年までに行われた小径腎癌切除後の腎移植5例を報告している7)。先のブエルらの報告5)からもうかがえるが、「修復腎移植」はすでに米国でも散発的に行われており、ただ正規に学会発表/学術論文として報告されていなかったのである。なお、このウベロイ論文にはニコル博士が「編集者コメント」をよせ、賞賛の辞を呈している8)。

 この他に米国以外では、リトアニア(2007))9)、イラン(2007)10)、英国(2010)11)で実施されている。

 ニコル博士はオーストラリア・クイーンズランド州ブリスベーンの大学病院で「病腎移植」47例を行ったが2008年に論文発表後、ロンドンのロイヤル・フリー病院の泌尿器科に招聘され異動した。この病院では修復腎移植が行われ、バイクロフト等により2010年に発表されている11)。彼がブリスベーンで行った41症例については、アデレードのグループが、1)健常な非血縁者間生体腎移植、2)移植待ち透析患者と比較して、5年間の追跡調査を行い、修復腎移植の成績が1)と遜色ない好成績であり、2)に比べると段違いに良いことを報告している12)。修復腎移植の非難論者が好んで取り上げる「1例に再発があった」症例は、患者が再手術を拒否しているため経過観察中だが、進展はないとされている。

 また英国ではロンドン以外でも、ニューキャッスル市フリーマン病院移植部のカッラム博士らは「腫瘍をもつ腎臓の腎移植」という総説論文を発表しているが、その冒頭で「透析に比べると腎移植がQOLと生存期間の点で優れているのは明白だが、移植用の腎臓不足が深刻である」と述べ、状況が最悪の国として「日本の16年待ち」をあげている。この総説は腫瘍のある腎臓の積極的利用を呼びかけたものである13)。2011年秋、カッラム博士らは、「良性、悪性の腫瘍のある腎臓を移植に用いるという新しいコンセプトが発展しつつある」と万波グループやニコル・グループのアイデアに支持を表明している14)。

 以上見てきたように、米国、オーストラリア、欧州で修復腎移植がおこなわれていないというのは、明白に虚偽である。また平均2年待てば待機リストの腎不全患者が何らかの移植用腎臓の提供を受けることができる、欧米の移植事情と「平均16年待ち」のわが国を同列に見なして、修復腎移植を否定するのは大きな間違いである。」




 ところが、この7月にベルリンで開催された「国際移植学会」でさらに驚くべき新事実が明らかになった。

 1)西オーストラリア・パースのグループが、2007年から5年間にわたり、24例の修復腎移植を行っていた。うち腎癌は19例が腎細胞癌である。24例ともレシピエントは高齢者で経過は「十分に満足できる」としている。オーストラリアのDr.ニコルはロンドンにスカウトされ、アデレードとパースにそれを引き継ぐ新グループが結成されていることが明らかになった。(添付1)

 2)ドイツでは2006年1月からマインツ、ミュンヘン、シュツットガルト、フランクフルトの移植センターや大学病院が連携して、2011/12までに244人(3/3%)の担癌ドナーから688臓器の移植(脳死移植)が行われた。全移植臓器の2.9%で、うち腎臓は330個である。(添付2)

 

 これで彼らがついたウソはさらに明白になった。今や移植後進国日本は、さらに世界の大勢から取り残されそうな形勢である。

 一体移植学会はまともに国際交流をしているのか?

 学者の嫉妬で、万波移植を否定したばっかりに、日本移植学会はいまや世界の嘲笑をかっている。医師としての良心があり、本当に患者のためを考えているのなら、現執行部は即座に引責辞職するのが筋だろう。患者に謝罪し、裁判は和解することだ。

 何度でもいう。今度のベルリン学会の会長オペルツ教授は「日本の和田心臓移植は殺人であった」と言い切った人物ですぞ。

 これで移植学会がなんといおうと、修復腎移植の先進医療への道は大きく開かれたといえるだろう。
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