【献本お礼など】
1)「医薬経済」10/15号のご恵送を受けた。(送付者:「潮」のように封筒にサインがないが、副編集長の小島敬人さんだと推定する。)今回は「読者アンケート」が挟まれているが、私はFAXの使用はやめ、スキャナーでPDFファイル化してメール送信することにししている。
そこで読者意見として要点をここに書くことにする。
いつも鳥集徹さんの記事は一番に読むが、今回は失望した。
本庶佑さんのノーベル賞を取り上げるのに「本庶佑教授のノーベル賞、欧米にうまみをとられない国に」というタイトルは何事か。
アルフレッド・ノーベルはその遺産を「スウェーデン科学の振興のために」寄付することもできたずだ。
(本庶佑さんについては、別項をお読み下さい。前稿に加筆訂正があります。)
本庶佑さんの「1000億円基金設立」構想は、小野薬品がどれだけ出すかわからないが、少なくとも山中伸弥さんのマラソン参加よりは効率が高いだろうし、本庶さん自身が「日本の若手に援助する」と語っている。
基本特許は本庶さんが持っており、ノーベル賞の賞金とロイヤリティ(特許使用料)を基金にすると彼は述べている。どうして鳥集氏はそれが評価できないのか?
鳥集さんの本は、手もとに「新薬の罠:子宮癌、認知症…10兆円の闇」(文藝春秋)があるが、参考文献、索引(氏名、事項名)がないので、事実検証ができない。
彼はもとスキャンダル・ジャーナリストだったのではないか?
鍛冶孝雄の「読む医療」にも今回は失望した。「糖質制限食を実践していた有名人が相次いで死亡したので、いまは<アルカライン・ダイエト>が流行し始めた、とある。
「アルカライン」て何だ?と思ったら、Alkalineの英語読み、つまりアルカリのことだ。昔「アルカリ酒が身体に良いので、毎晩飲んでいる」という病理学の教授がいて、「この人は体液の酸・アルカリ平衡の仕組みも知らないのか!」と呆れたことがある。
腎機能と肝機能に異常がなければ、少々の酸やアルカリ性飲食物を過剰摂取しても血液のpHは変わらない。
その証拠に依然として「糖質制限・ケトン食」を続けている、私のHbA1cは6.3(4.6-6.2%)、クレアチニンは0.59(0.56-1.09mg/L)(10/1/2018測定値)で、アルカリ症の逆の酸性症(Acidosis:アシドーシス)は起きていない。ケトン値が過剰なら当然これが起きると、教科書に書いてある。つまり教科書が間違っているということだ。
「医者が奨める◯◯」という本が流行っていて、そこに「睡眠法」、「味噌汁」、何とか食という文字が入っているが、大半はまやかしだ。私はアルバイト先の病院当直ではいつも患者に投与する薬の少量を試飲していた。副作用をチェックするためだ。今どき、そんな医者はいないだろう。
無署名記事だが「介護施設で広がる<脱薬依存>の修法と効果:世界的な関心も高い<プラセボ>を売る企業」は面白く読んだ。
もともと本物の薬に対して、それとそっくりだがまったく薬理作用がない偽薬をプラセボという。
本物の薬の効果が50%あるとすると、プラセボの効果は40%ある。
つまり本物と偽物の効き方の差はわずか10%という意味だ。
これは投与する医師の態度や説明の仕方が大きく関係する。
昔「支那人にはメリケン粉を飲ませても、病気が治る」
という言葉があったが、日本人の医師がそれほど信頼されていたということである。
このため「ダブル・ブラインド」試験といって、患者も医者もどっちが本物でどっちが偽物かわからないようにした治験法があり、これならデータが信頼できる。
この記事はプラセボを製品とする企業を興した人物と、90歳の認知症老人に薬害で起きた下痢を治すのに、プラセボが効いたという1例報告にすぎない。
しかし、やがて医師には名優としての演技が必要になるだろうと確信する。「イワシの頭も信心から」で、認知症の老人の薬漬けが解消されるのなら、大賛成だ。
1)「医薬経済」10/15号のご恵送を受けた。(送付者:「潮」のように封筒にサインがないが、副編集長の小島敬人さんだと推定する。)今回は「読者アンケート」が挟まれているが、私はFAXの使用はやめ、スキャナーでPDFファイル化してメール送信することにししている。
そこで読者意見として要点をここに書くことにする。
いつも鳥集徹さんの記事は一番に読むが、今回は失望した。
本庶佑さんのノーベル賞を取り上げるのに「本庶佑教授のノーベル賞、欧米にうまみをとられない国に」というタイトルは何事か。
アルフレッド・ノーベルはその遺産を「スウェーデン科学の振興のために」寄付することもできたずだ。
(本庶佑さんについては、別項をお読み下さい。前稿に加筆訂正があります。)
本庶佑さんの「1000億円基金設立」構想は、小野薬品がどれだけ出すかわからないが、少なくとも山中伸弥さんのマラソン参加よりは効率が高いだろうし、本庶さん自身が「日本の若手に援助する」と語っている。
基本特許は本庶さんが持っており、ノーベル賞の賞金とロイヤリティ(特許使用料)を基金にすると彼は述べている。どうして鳥集氏はそれが評価できないのか?
鳥集さんの本は、手もとに「新薬の罠:子宮癌、認知症…10兆円の闇」(文藝春秋)があるが、参考文献、索引(氏名、事項名)がないので、事実検証ができない。
彼はもとスキャンダル・ジャーナリストだったのではないか?
鍛冶孝雄の「読む医療」にも今回は失望した。「糖質制限食を実践していた有名人が相次いで死亡したので、いまは<アルカライン・ダイエト>が流行し始めた、とある。
「アルカライン」て何だ?と思ったら、Alkalineの英語読み、つまりアルカリのことだ。昔「アルカリ酒が身体に良いので、毎晩飲んでいる」という病理学の教授がいて、「この人は体液の酸・アルカリ平衡の仕組みも知らないのか!」と呆れたことがある。
腎機能と肝機能に異常がなければ、少々の酸やアルカリ性飲食物を過剰摂取しても血液のpHは変わらない。
その証拠に依然として「糖質制限・ケトン食」を続けている、私のHbA1cは6.3(4.6-6.2%)、クレアチニンは0.59(0.56-1.09mg/L)(10/1/2018測定値)で、アルカリ症の逆の酸性症(Acidosis:アシドーシス)は起きていない。ケトン値が過剰なら当然これが起きると、教科書に書いてある。つまり教科書が間違っているということだ。
「医者が奨める◯◯」という本が流行っていて、そこに「睡眠法」、「味噌汁」、何とか食という文字が入っているが、大半はまやかしだ。私はアルバイト先の病院当直ではいつも患者に投与する薬の少量を試飲していた。副作用をチェックするためだ。今どき、そんな医者はいないだろう。
無署名記事だが「介護施設で広がる<脱薬依存>の修法と効果:世界的な関心も高い<プラセボ>を売る企業」は面白く読んだ。
もともと本物の薬に対して、それとそっくりだがまったく薬理作用がない偽薬をプラセボという。
本物の薬の効果が50%あるとすると、プラセボの効果は40%ある。
つまり本物と偽物の効き方の差はわずか10%という意味だ。
これは投与する医師の態度や説明の仕方が大きく関係する。
昔「支那人にはメリケン粉を飲ませても、病気が治る」
という言葉があったが、日本人の医師がそれほど信頼されていたということである。
このため「ダブル・ブラインド」試験といって、患者も医者もどっちが本物でどっちが偽物かわからないようにした治験法があり、これならデータが信頼できる。
この記事はプラセボを製品とする企業を興した人物と、90歳の認知症老人に薬害で起きた下痢を治すのに、プラセボが効いたという1例報告にすぎない。
しかし、やがて医師には名優としての演技が必要になるだろうと確信する。「イワシの頭も信心から」で、認知症の老人の薬漬けが解消されるのなら、大賛成だ。
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