台風の後、彼岸の中日が来て、蝉の声がばったり消えた。わずかに生き残りのツクツクボウシがか細く鳴いている。「やがて死ぬ気配は見えず蝉の声」(芭蕉)だったな、と思う。
サンサーラ駐車場脇にムクゲ(木槿)の花が咲いた。撮影時にはもう盛りを過ぎていた。
(画像1)
韓国の国花だが、以下を見ると花弁が一重で色が赤いものが掲載されている。
http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/AK/AK_JA_1_1_2.jsp
ムクゲは朴槿恵前大統領の名前だが、もう過去の人だ。国家と国花を辱めた人だな、と思う。
「道のべの木槿は馬にくはれけり」(芭蕉)
この句は芭蕉が馬でひとり旅をしていて、遠くに木槿の白い花を見つけたが、樹に近づくと馬がひょいと首を曲げて花を食ってしまった。その瞬間に木槿の花が消えた驚きを詠んだものだそうだ(山本健吉「芭蕉全発句」講談社学術文庫)。
木槿、フヨウ、ハマボウ、ヤマアサは共に「ハイビスカス属」で園芸種がいろいろある。私は植物に疎いから「ムクゲ」という名前は芭蕉の句で初めて知った。長いこと草の一種と思っていた。
今回家内から「ムクゲ」だと教わった。
先週はいろいろな出会いがあった。
水曜日夜は「原爆で死んだ米兵秘史」(潮書房光人社)の著者森重昭氏に「広島ペンクラブ」例会でお会いし、忘れられていた被曝死した米軍捕虜について、43年の歳月をかけて調査した秘話の講演を聴いた。持参した本にもサインしてもらった。
木曜日にはまた広島に出かけ、何と広島県が生んだ偉大な医師・医学者吉益東洞の直系の子孫に出会った。もっとも医家ではない。
吉益東洞は「万病一毒」論と「親試実験」を唱えた江戸中期の医師だ。漢方医学を基としながら、今日に通じる医学理論と実験医学の重要性を提唱した。「実験」という言葉は蘭学の影響で生まれたとされているが、東洞の造語かも知れない。
友人の山口昌美さんと「過剰なグルコースが糖尿病、アルツハイマー病、心血管系の病気など」の原因であるという作業仮説にもとづき、データをあつめているが、これも「万病一毒」説の応用にすぎない。
この日は八丁堀から県立美術館付近まで歩き、帰りは徒歩で広島駅まで歩いたので、7000歩程度の歩行(普段の10倍)になったが、その後の筋肉痛は起こらなかった。
身長166cm、体重45KgでBMIは20以下と瘦せすぎなのが良いのだろう。念のために財布にはいつも狭心症治療薬「ニトロール」の錠剤を入れて持ち歩いている。
金曜日には、福山附属高校教師のSさんが一泊二日の予定で書籍のデータ入力に来てくれた。広島大の学生だった頃、私の「健康科学」の授業を受けた頃からの付き合いだから、もう15年以上になる。私の心の友だ。
サンスクリット語ができるので、論文を書き、著書を出版し、博士号を取りなさいとアドバイスしている。
週刊誌に載った今年の「東大合格者数」を見ると、福山附属が広島県のトップになっている。「どうしてか?」と聞くと、3つの要因が関与していることがわかった。
1)中高一貫教育で、受験生は東は岡山市から西は尾道・三原市までが含まれる。つまり岡山県西部と広島県の東半分から生徒が集まる。当然、優秀な生徒が集まるはずだ。
2)広島市の場合、学院、修道という学費の高い私立校に優秀な生徒があつまり、付属には私学に進学できない中流層の子弟が集まる傾向がある。
3)アンケート調査をしたわけではないが、50人ぐらいの生徒と話してみて、みな「自己への自信」「達成意欲」が高いそうだ。
東大進学率と親の年収との間に高い相関関係があることは、すでによく知られているから、2)はその通りだと思う。
昔、福山市から新幹線で広大附属小学校に通学させていた開業医の同級生がいたが、いまは広島附属と福山附属の地位は完全に逆転したな、と思う。
金曜日の夜は、飲み会を開いて、それからケトン食の夕食をした。
彼が持参した「梅昆布」という細切り昆布に梅昆布茶をまぶしたものと炭酸水を用いて、35%焼酎の梅昆布味付け、焼酎のハイボールを作って飲んだ、前者は電子レンジで加熱すると、なかなかよい味になる。焼酎50mlをメスカップで200mlまで希釈し、ポッカレモンを底にちょっぴり垂らした別のガラスコップにぶち込むだけだから、手間がかからない。
エタノールは7カロリー/mlだから、一杯で122.5カロリーになる。つまりご飯一杯に相当する熱量がある。
晩年の横山大観は米の飯を食わず、三原の「酔心」という日本酒を「米のエキス」と称して、飲んで飯替わりにした。酒量は毎日1升だったという(山田風太郎「人間臨終図鑑」徳間書店)。それでも90歳まで元気に生きた。
今回は
1.献本お礼など,
札幌の菊地浩吉先生から「自分史(上・中)」を頂いたこと、
2.買いたい新書・書評=エフロブ「買いたい新書」に掲載順のミスがあったことなど、
3.書き込みを読んで=「じんしん」という干支の誤記について、
4. 書庫のミステリー=書庫の書棚間の床に認めた妙な糞の謎解きです。「推理する病理学」という短編小説としてお楽しみ下さい。
5.ブック・サーフィン,
6.慰安婦、軍が直接管理?
以上6つの話題を取り上げました。
「記事転載は事前にご連絡いただきますようお願いいたします」
サンサーラ駐車場脇にムクゲ(木槿)の花が咲いた。撮影時にはもう盛りを過ぎていた。
(画像1)
韓国の国花だが、以下を見ると花弁が一重で色が赤いものが掲載されている。
http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/AK/AK_JA_1_1_2.jsp
ムクゲは朴槿恵前大統領の名前だが、もう過去の人だ。国家と国花を辱めた人だな、と思う。
「道のべの木槿は馬にくはれけり」(芭蕉)
この句は芭蕉が馬でひとり旅をしていて、遠くに木槿の白い花を見つけたが、樹に近づくと馬がひょいと首を曲げて花を食ってしまった。その瞬間に木槿の花が消えた驚きを詠んだものだそうだ(山本健吉「芭蕉全発句」講談社学術文庫)。
木槿、フヨウ、ハマボウ、ヤマアサは共に「ハイビスカス属」で園芸種がいろいろある。私は植物に疎いから「ムクゲ」という名前は芭蕉の句で初めて知った。長いこと草の一種と思っていた。
今回家内から「ムクゲ」だと教わった。
先週はいろいろな出会いがあった。
水曜日夜は「原爆で死んだ米兵秘史」(潮書房光人社)の著者森重昭氏に「広島ペンクラブ」例会でお会いし、忘れられていた被曝死した米軍捕虜について、43年の歳月をかけて調査した秘話の講演を聴いた。持参した本にもサインしてもらった。
木曜日にはまた広島に出かけ、何と広島県が生んだ偉大な医師・医学者吉益東洞の直系の子孫に出会った。もっとも医家ではない。
吉益東洞は「万病一毒」論と「親試実験」を唱えた江戸中期の医師だ。漢方医学を基としながら、今日に通じる医学理論と実験医学の重要性を提唱した。「実験」という言葉は蘭学の影響で生まれたとされているが、東洞の造語かも知れない。
友人の山口昌美さんと「過剰なグルコースが糖尿病、アルツハイマー病、心血管系の病気など」の原因であるという作業仮説にもとづき、データをあつめているが、これも「万病一毒」説の応用にすぎない。
この日は八丁堀から県立美術館付近まで歩き、帰りは徒歩で広島駅まで歩いたので、7000歩程度の歩行(普段の10倍)になったが、その後の筋肉痛は起こらなかった。
身長166cm、体重45KgでBMIは20以下と瘦せすぎなのが良いのだろう。念のために財布にはいつも狭心症治療薬「ニトロール」の錠剤を入れて持ち歩いている。
金曜日には、福山附属高校教師のSさんが一泊二日の予定で書籍のデータ入力に来てくれた。広島大の学生だった頃、私の「健康科学」の授業を受けた頃からの付き合いだから、もう15年以上になる。私の心の友だ。
サンスクリット語ができるので、論文を書き、著書を出版し、博士号を取りなさいとアドバイスしている。
週刊誌に載った今年の「東大合格者数」を見ると、福山附属が広島県のトップになっている。「どうしてか?」と聞くと、3つの要因が関与していることがわかった。
1)中高一貫教育で、受験生は東は岡山市から西は尾道・三原市までが含まれる。つまり岡山県西部と広島県の東半分から生徒が集まる。当然、優秀な生徒が集まるはずだ。
2)広島市の場合、学院、修道という学費の高い私立校に優秀な生徒があつまり、付属には私学に進学できない中流層の子弟が集まる傾向がある。
3)アンケート調査をしたわけではないが、50人ぐらいの生徒と話してみて、みな「自己への自信」「達成意欲」が高いそうだ。
東大進学率と親の年収との間に高い相関関係があることは、すでによく知られているから、2)はその通りだと思う。
昔、福山市から新幹線で広大附属小学校に通学させていた開業医の同級生がいたが、いまは広島附属と福山附属の地位は完全に逆転したな、と思う。
金曜日の夜は、飲み会を開いて、それからケトン食の夕食をした。
彼が持参した「梅昆布」という細切り昆布に梅昆布茶をまぶしたものと炭酸水を用いて、35%焼酎の梅昆布味付け、焼酎のハイボールを作って飲んだ、前者は電子レンジで加熱すると、なかなかよい味になる。焼酎50mlをメスカップで200mlまで希釈し、ポッカレモンを底にちょっぴり垂らした別のガラスコップにぶち込むだけだから、手間がかからない。
エタノールは7カロリー/mlだから、一杯で122.5カロリーになる。つまりご飯一杯に相当する熱量がある。
晩年の横山大観は米の飯を食わず、三原の「酔心」という日本酒を「米のエキス」と称して、飲んで飯替わりにした。酒量は毎日1升だったという(山田風太郎「人間臨終図鑑」徳間書店)。それでも90歳まで元気に生きた。
今回は
1.献本お礼など,
札幌の菊地浩吉先生から「自分史(上・中)」を頂いたこと、
2.買いたい新書・書評=エフロブ「買いたい新書」に掲載順のミスがあったことなど、
3.書き込みを読んで=「じんしん」という干支の誤記について、
4. 書庫のミステリー=書庫の書棚間の床に認めた妙な糞の謎解きです。「推理する病理学」という短編小説としてお楽しみ下さい。
5.ブック・サーフィン,
6.慰安婦、軍が直接管理?
以上6つの話題を取り上げました。
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