oil 40x50cm 2010
2009年に帰国して真っ先に会いたいと思っていた長年の友人に電話したら事務所にも自宅にも繋がらなかった。業界紙時代に同じ職場で懇意にしていた友人で二人とも小説家になりたいと思っていたから話があった。その彼がバブルの時代に独立して企業のPR 誌の企画編集出版業を営むようになった。大変実入りのいいように聞いていたので僕は嬉しかった。その彼に真っ先に会いたいと思っていたのだが、電話が繋がらなかった。住所を知っていたのだから訪ねていけば何か情報を得られたかもしれないのに、僕はアパートへも事務所にも足を向けなかった。そしてそれっきり彼との関係は終わってしまった。ところが彼のことはいまだに完全に忘れ去ることができないでどうかして再会できる手立てはないものかと考えるのだけど、今は昔と違って電話帳も機能しないから、探しようがないわけである。可能性があるとすればSNSなのでフェイスブックやGoogleなどで調べてみたが、どこにも彼の名前は見出せなかった。バブルが弾けて彼がやっていたような紙産業は一番初めに淘汰されたことは容易に想像がついたのだけど、随分と実入りの良い暮らしをした後では一からサラリーマン稼業への復帰も難しいだろうから、それを思うと今どうしているのか案じられてならないのである。無事であってほしいと願うばかりである。
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