モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

2024年11月10日、鳥海山と太平山

2024年11月20日 | 鳥海山逍遥

私事で恐縮。10月27日、庭の草刈りをしていたら、ギックリ腰をやってしまった。
その後は少し臥せっていたが、月が替わり、一週間も経ったら、だいぶ回復して来た。
11月10日は晴れとの予報だったので、久々に山に行ってみることにした。
最初に向かったのは鳥海山方面。午前4時半頃、秋田市自宅を出発。
6時少し前に目的地の由利本荘市猿倉(亀ケ森橋)に到着した。
日の出前だったが、鳥海山は見えていた。




鳥海山の今年の初冠雪は例年よりも遅く、10月21日だった(記録はこちら)。

その後、初雪は消えてしまい、今見ている雪は二度目、あるいは三度目の降雪で積もったものだ。
雪の線は中腹のおそらく標高1000mくらいまでは降下しているようだった。
山腹の紅葉は終わり、現在紅くなっているのは手前の山麓だけだった。
6時20分を少し過ぎたら、山頂部がポッと紅くなった。
モルゲンロートの始まりだ。




紅い輝きはじわじわと斜面を下っていく。




山腹全体が紅くなり、やがて山裾の紅葉と繋がった。







今回のモルゲンロートは思ったほど紅くはならなかった。

鳥海山と反対側の斜面の紅葉



6時45分頃、亀ケ森橋を発ち、数キロ奥の奥山放牧場に向かった。

ここでは牧場のシンボルのような枯れ木の左右から鳥海山を望む。







この少し先、堰口から上の道路はもう冬期通行止めに入っている。

よって今日はこれ以上、鳥海山に深入りせず戻ることにした。

7時ちょっと過ぎ、再び亀ケ森橋を通過、モルゲンロートの終わった鳥海山を望む。




亀ケ森橋を通るこの道は冬場に除雪しない。

そのためやがて通行止めになる。
この景色もたぶん今回で終わり、来年春の雪解けまでお預けとなる。




今日はこの後、横手市大森町の保呂羽山に向かった。

途中、走った旧東由利町の山間は濃霧に覆われ、何も見えなかった。
横手市に入った途端、霧が晴れてくれた。
保呂羽山は出羽丘陵のど真ん中、標高437mと低いが、鳥海山の眺めが好い。







鳥海山はどこから見ても美しいが、私はここから眺めた鳥海山の姿が特に好きだ。
秋田県民歌に謳われる「秀麗無比なる鳥海山」とはこの姿をいうのではないかと勝手に思っている。
鳥海山の左手前にある低山は八塩山(713m)。




保呂羽山の次は仙北市の抱返り渓谷に行った。

その帰り道、秋田市川辺赤平付近から太平山の山並みがよく見えた。
太平山は昨年7月の水害で林道や登山道が崩壊して以降、全く登っていない。
下からその姿を眺めるだけだ。

太平山の全体



中岳と鶴ガ岳



鶴ガ岳から奥岳にかけて。



剣岳から奥岳にかけてアップで。



太平山は11月8日に初冠雪が報告され、
我が家からも山頂部が白く見えたが、二日後の今日は全く雪が見えなかった。


太平山地最高峰の白子森(1179m)



以上。

2024年11月10日、保呂羽山1」へ続く。

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初冠雪&くれないの鳥海山(2024年10月21日)

2024年11月03日 | 鳥海山逍遥

10月21日の秋田魁新報に次のような記事が載った。

『秋田県と山形県にまたがる鳥海山(2236m)が21日、初冠雪した。
山形県の酒田市役所が同日午前8時ごろ、山頂付近が白くなっているのを目視で確認し発表した。
平年より11日、昨年より13日遅い。
酒田市役所交流観光課によると、20日時点で山頂より下の山肌が白っぽくなっていることは確認できていた。
ただ、山頂部分が雲に覆われて冠雪状況を確認できなかったため、21日の発表になったという。・・・』

私自身、今回の初冠雪は前日20日夕方、友人のfacebook投稿を読んで知っていたが、
おおやけの発表とはならなかった。後になって、
岩手山や岩木山の初冠雪は20日なのに同じ日に積もっていた鳥海山が一日遅れの21日になる
とはさすがにお役所だと呆れた。
しかし鳥海山の初冠雪を当日に拝めるのは非常に珍しいことだと思う。
21日は快晴との予報だったので、未明のうちに家を出て、南の由利本荘市に向かった。

午前5時半頃、鳥海山の山麓、由利本荘市猿倉に到着した。
この日は快晴なので、鳥海山は日の出前から見えていた。
今年の鳥海山の初冠雪姿だ。




6時に数分前、山頂付近がポッと紅くなった。
6時を過ぎたら、中腹の方まで紅くなって来た。













6時15分頃、猿倉を後にして少し山奥の奥山放牧場まで移動。

道路端に立つ枯れ木を左右に配して鳥海山を撮影した。







放牧場奥のススキ原を前面に鳥海山を望む。




約45分後に同じ場所で、紅味の消えた鳥海山を。




ススキだけ。




奥山放牧場の次は、ブナ林の中を走り、堰口付近の展望台へ移動。




ここからの鳥海山は近すぎるせいか、少し緩やかに見える。

反対側を見ると、八塩山越しに秋田駒ヶ岳(左の方)と岩手山が並んで見えた。




岩手山は昨日(20日)が初冠雪だったと報道されていた。
鳥海山も同じ日なのに、お役所の都合で一日のずれが生じてしまった。

堰口から祓川方面に走ってみた。
ブナが紅葉している標高850m付近の道端から。




標高約900mの花園湿原から。




 


この後は7時半頃、市道猿倉花立線(通称「鳥海グリーンライン」)を西進し、
谷地沢と桃野の間の直線区間から。




ここから眺める鳥海山はもう紅くなかった。
この後、どうしようかいっとき迷ったが、
鳥海山の初冠雪をもっと間近から眺めるため、善神まで向かうことにした。

以上。

晩秋の善神」へ続く。

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初夏のにかほ鳥海(2024年6月27日)

2024年07月17日 | 鳥海山逍遥

(本頁は「2024年6月27日、午後の鳥海山鉾立付近。」の続きである。)

六月から十月までの夏場五ヶ月間は鳥海山を下界から見る機会がとても少なくなる。

たとえ絶好の晴天日を選んで鳥海山に登山しても、昼近くなると必ず雲が湧いて来て、
下山する頃には雲に包まれたり、霞んでしまい見えなくなることが多い。
ところが今回(2024年6月27日)は山から下りた後(15時頃)も珍しく雲に包まれなかった。
滅多にない機会なので山の姿を撮影しながら帰宅した。
まずはにかほ市小滝付近のバス停跡地から。










次いでにかほ市長岡付近から。







話は脇道にそれるが、
鳥海グリーンラインの(由利本荘市)桃野~谷地沢間には道路が鳥海山に向かって直線に走る区間が有る。
ここから眺める鳥海山はみごとなので、地元でも割と有名な撮影スポットになっている。

2025/05/26 桃野~谷地沢間



鳥海グリーンラインには道路が鳥海山に向かって直線に走る区間が
もう一箇所有り、それがにかほ市長岡付近なのだ。
ただしこちらの方
は交通量が比較的多く、
普段は危なくてこんなふうに道路の真ん中からの撮影は出来ないのだが、
今回は偶々空いていたので挑戦してみた。




いかがだろう。鳥海山の形はだいぶ違っている。

長岡付近の道路鳥海、縦構図
 


(にかほ市)畑地区の道路からは杉林の間に鳥海山が顔を覗かせている。
ここはまるで鳥海山の参拝道のような感じだ。




最後に水田地帯のにかほ市田抓(たづかみ)付近から。







パンダの雪形はすっかり崩れてしまったが、まだそれだとわかる。

以上。

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東北の山を眺める3/秋田から見た鳥海山

2024年07月05日 | 鳥海山逍遥

(本頁は「全国山の日協議会」への投稿文「東北の山を眺める/まずは鳥海山・その3」の原本です。)


鳥海山は秋田と山形の県境付近に聳える火山(標高2236m)です。
今回は秋田県の各所から見た鳥海山について語ります。
鳥海山は秋田県では西側はにかほ平野からいきなり聳えていますが、
北側や東側は出羽丘陵の上に生えたように聳えています。
北側から望むと・・・
こちらは由利本荘市の北部(マップではA)から見たものですが、遠く秋田市から見てもほぼ同じです。
庄内地方から見た鳥海山とは反対で、左側に鳥海山本体が高く聳え、右に扇子森など西鳥海山が低く連なる構成になっています。



ここで参考マップ



由利本荘市を南東に進むと、矢島町を過ぎるあたりから
鳥海山は北東に開いた爆裂火口が隠れるので富士山に似たような姿になります。

次の鳥海山は旧鳥海町猿倉(マップではB)から眺めたものです。
秋田県南部の横手盆地から眺めた鳥海山は概ねこの形です。



由利本荘市を更に奥地に進み、百宅(ももやけ)(マップではC)まで行くと、
鳥海山の形は更に端正な富士山型となりますが、

残念なことに前山に阻まれ、裾野は見えないです。
田植え時期は巨大な赤ん坊が寝ているような雪形が現れます。
秋田では「ねんねこぼぼこ」と呼ぶ人も居ますがわかりますでしょうか。



鳥海山の北麓、谷地沢から桃野にかけての道路(グリーンライン)(マップではD)
の直線区間から見る鳥海山も人気が有ります。

この鳥海山は秋田市から見た姿とほぼ同じ形です。



次の鳥海山は更に西に進み、にかほ市上坂(マップではE)から見たものです。

ここは標高390mと高所ですが、水田になっており、シーズンには逆さ鳥海が見られます。
なお既にお気づきかもしれませんが、ここからは有名なパンダの雪形が見えます。




鳥海山の雪形については次の拙ブログもご参照ください。
⇒ 「水田鳥海とねんねこぼぼこ(2023年6月1日)

鳥海山は山麓の平地だけでなく、山の上から眺めても美しいものです。

八塩山(713m)(マップではF)は鳥海山との距離も近く、その眺めは迫力があります。
春の残雪姿はもちろんですが、秋の紅葉時期以降、新雪姿も素晴らしいです。




横手市の保呂羽山(438m)(マップではG)は距離が少し離れていますが、

ここから眺める姿、特に春姿はとても素晴らしいものです。
秋田県民歌(作詞:倉田嗣、作曲:成田為三)の冒頭に謳われた「秀麗無比なる鳥海山」とは
この姿ではないかと私は勝手に思っています。




次の四回目は岩手の名山、岩手山を予定しております。⇒ こちら

以上。

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東北の山を眺める2/山形から見た鳥海山

2024年06月20日 | 鳥海山逍遥

(本頁は「全国山の日協議会」への投稿文「東北の山を眺める/まずは鳥海山・その2」の原本です。)


鳥海山は秋田と山形の県境付近に聳える火山(標高2236m)です。
今回は山形県の各所から見た鳥海山について語ります。
鳥海山は山形県では庄内平野からいきなり聳えています。
庄内平野は大部分が標高30m以下(酒田市の中心街は5mにも満たない)の低平な地形なので
ここから眺める鳥海山との比高は約2200mとなります。
これだけの高度差で平野から聳える山は国内ではあまり無いと思います。
前にも申し上げましたが、平地から間近に見える山でこれ以上の標高差がある山は
(安曇野から望む北アルプス、甲府盆地北部から望む南アルプスを除けば)
富士山と富山平野から見る剱岳立山、加賀の白山、日光の男体山女峰山、上越の頚城三山くらいでしょうか。
庄内平野から望む鳥海山の姿は単独の山ではなく、おおまかにはふたつのお山。
右側に鳥海山本体が高く聳え、左に笙ヶ岳など西鳥海山が低く並ぶ構成になっています。
写真は遊佐町の北部(A、北目付近)から見た姿です。




参考マップ





同じ遊佐町でも少し南の方、町の中心に近い月光川河川公園(マップではB)から見るとこうなります。

私はここと次の八幡町から見た姿が「庄内鳥海」の典型ではないかと思っています。




なお月光川河川公園は映画『おくりびと』のロケ地としても使われました。

主人公の本木雅弘さんがこの川の堤防の上に座ってチェロを弾くシーン(バックに鳥海山)が印象的でしたが、
私が2019年に訪ねた時は本木さんが演奏時座っていた椅子がありました(現在は無いようです)。




次の鳥海山は(酒田市)八幡町のファミリーマート(マップではC)から眺めたものです。





少し前、富士山がよく見えるローソン(外国人観光客が大勢来て困っている)が話題になっておりました。

こちらは鳥海山に関してはとても優れたビューポイントのひとつですが、
いつ行っても鳥海山を眺めている人はほとんど、いや全く居りませんでした。

この場所は今年四月下旬にも通りかかっております。
この時はあいにく雲で鳥海山本体の姿は見えなかったのですが、
笙ヶ岳山頂のすぐ下に有名な雪形が見えました。




この雪形は「種まきじいさん」と呼ばれています。

ちょうど農作業を始める頃に現れるので、昔から農作業の目安となったと言われています。

八幡町から日向川に沿って東に進むと、升田という集落に到着します。
鳥海山の南側には出羽丘陵が連なるため、鳥海山は見えにくくなりますが、
升田は鳥海山を南の方角から望める貴重な平地です(マップではD)。
位置的には鳥海外輪山山頂部の約10km、ほぼ真南に位置し、
標高は210~220mなので、山頂部との標高差は約2000mです。
ここから望む鳥海山はやや幅広い形になります。




鳥海山の東側には丁岳山地が連なり、低平地は全く無く、山には登山道も無いため、

鳥海山の姿を見ることが出来ません。
遠く南東の新庄盆地まで行くと、鳥海山は出羽丘陵の上に姿を現しますが、
距離があるため、庄内のように大きく見えないです。
真室川町の大沢地区に行くと、限られた場所(マップではE)から小さな鳥海山を見ることが出来ます。




こちらから見る鳥海山は山頂部が幅広なので富士山と言うよりもキリマンジャロかなと私は思いました。

次の三回目は秋田から見た鳥海山を語ります。

以上。

東北の山を眺める3/秋田から見た鳥海山」へ続く。


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