(本頁は「2024年11月10日、保呂羽山1」の続きである。)
私はマイカー登山者なので、いつも同じ道を上り下りしている。
これを登山用語ではピストンと呼ぶようだが、保呂羽山に限ってはいつも上り下りの道が違っている。
この山の下り道は上りとは別道だが、クルマを停めている登山口に到着するようにつけられている。
山頂から下山路を望む。
下山路には何故かクサボタンが多い。花は終わっていたが、黄色の草紅葉が奇麗だった。
下山路で唯一の岩場。
(右上)オオバクロモジの黄葉
突然、樹林が終わり、伐採地に出たら、西側には出羽丘陵の山並みが展開していた。
山麓の林道に到着。ホンの少しだが、林道を歩いて登山口に向かう。
広葉樹林
ガマズミ
駐車場近くのカエデの紅葉。
一個だけだが、ミツバアケビの実が残っていた。
今日はそのあと、(横手市)大森町の中心部に移動、町はずれにある白土山を掠めている。
ここは11月5日にも訪ねている(記録はこちら)が、この日は紅葉が始まったばかりだった。
五日後の今日はこうだった。
筋向いにあるローソンにクルマを停めさせてもらい、近寄ってみた。
白土山の南側
この後は仙北市の抱返り渓谷に向かった。
以上。
「2024年11月10日、抱返り渓谷1」に続く。
(本頁は「2024年11月10日、鳥海山と太平山」の続きである。)
11月10日は早朝、由利本荘市猿倉で鳥海山を眺めた後、
横手市大森町にある保呂羽山(437m)に向かった。
この山は早春によく登っているが、紅葉の時期もなかなか好いものだ。
行く途中の旧東由利町の山間は濃霧に覆われ、何も見えなかったが、
市境を越えて、横手市に入った途端に霧が晴れ、保呂羽山が見え出した。
上坂部から始まる林道から見た保呂羽山
登山口にある保呂羽山の解説
簡易舗装された車道を歩きだすと、一瞬だが、保呂羽山が見えてくる。
けっこう紅葉しているようだ。
サルトリイバラ
ブナ林に囲まれた表参道を進むと、ほどなくして下居堂(おりいどう)が見えてくる。
昔は女人禁制だったので、女性はここまでしか上がれなかったと聞く。
下居堂
(右上)岩場と鎖
下居堂のすぐ裏の岩場を鎖につかまりながら登りきると、それから先の紅葉と岩風景はみごとだった。
目の前にブナの木と合体した岩が現れた。
このブナの木には「岩割りの木」という名前がついていた。
神社手前の樹林
山頂近くにある波宇志別神社
神社を過ぎたら、ツクバネが出てきた。
これがとても多いのでもう一枚。
最後の登りだろうか。
この小山の登り道は落ち葉に覆われていてよく滑る。
この小山を過ぎると、南側がパーッと開け、鳥海山が見えて来る。
鳥海山は早朝、猿倉から見たものよりは小さく、少しかすんでいるが、絶景であることには変わりない。
鳥海山の左手前にある低山は八塩山(713m)だ。
鳥海山はどこから見ても美しいが、私はここから眺めた鳥海山が特に好きだ。
秋田県民歌に謳われる「秀麗無比なる鳥海山」とはこの姿をいうのではないかと勝手に思っている。
保呂羽山の本当の山頂はこちらだった。
(右上)三角点
山頂は樹林に包まれており、景色は見えないが、不思議と落ち着く場所だ。
ここにはムラサキシキブが多かった。
以上。
「保呂羽山2と白土山」へ続く。
(本頁は「玉簾滝で『ある花』を見た。」の続きである。)
4月23日は庄内で立派な滝とアズマシロカネソウを見て秋田県内に戻ったが、
時間が余ったので今度は出羽丘陵の谷間を巡って春の野花を見て廻った。
最初行ったのは(由利本荘市)大内町の奥地・滝温泉。
ここはかつて「天下の名湯」とか盛んにテレビで宣伝していたように記憶しているが、
現在は閉館している。
この近くの道端で四月上旬に次の写真のような濃い色のキクザキイチゲを見ている。
濃色のキクザキイチゲ(4月7日撮影、詳細はこちら)
さすがに今日はこの花は咲き終わっていたが、
この花叢のすぐ傍の渓流沿いではアズマシロカネソウが咲いていた。
この花は今朝、玉簾滝で見たばかりの「ある花」だ。
アズマシロカネソウ
ミヤマカタバミ
スミレサイシン
エゾエンゴサク(オトメエンゴサク)?
(右上)キクザキイチゲの咲き残り
この付近には黄色いスミレが多かった。
場所によっては斜面一面がこの花で覆われているほどだったが、
それは光条件が悪く(午後の陽の照り返しが強くて)撮れなかった。
オオバキスミレ
オオバキスミレとタチツボスミレの混生
移動中、道路端ではあちこちでスミレ類を見かけた。
オオバキスミレ
(右上)スミレ
ヒメスミレ
ニョイスミレ(ツボスミレ)
続いて旧大内町の別場所でルリソウを見て廻った。
このお花、秋田では秋田市南部や大内町の丘陵斜面や土手などでときどき見かける。
今回撮影した場所は三ヶ所。
そのうち花が一番多かった場所はご覧のように急な斜面だった。
滑落しないよう片手で木の枝を掴まえながら撮影した。
ルリソウをアップで。
大内町と秋田市との境の峠道で丘陵の雑木林が奇麗だった。
ここは今、芽吹きの真っ最中。春紅葉になるのはまもなくだろう。
以上。
(本頁は「秋田のとある山で雪割草を見た」の続きである。)
4月7日はとある山でスハマソウを見た前後、
出羽丘陵の山あいを(クルマで)走り回り、道端に咲く野草を眺めている。
キクザキイチゲはどこにでもある草花だが、この日はやたらと青紫が濃いコロニーに遭遇した。
比較の意味で近くに咲いていた白や薄青紫タイプも。
こちらは別場所で見た薄青紫タイプ
別場所で見た青紫タイプ
別場所で見た濃い青紫タイプ
フクジュソウは秋田では山あいの人家近くにある土手斜面などでときどき見かける。
これは昔の住人が植えたものが増え広がったものと思われる。
ところが今回は斜面ではなく、山中の人家から離れた平坦地にも群生を見つけた。
こちらはどうやって増えたのか謎だ。
ルリソウの咲く斜面にも立ち寄ってみた。
ご覧の通り、やっと咲き出したばかりだった。
以上。
(本頁は「富士山似の鳥海山を探して。」の続きである。)
4月7日は秋田のとある山に登っている。
何故、「とある山」と名を伏したのか。
この山には雪割草の仲間(ミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウ)が生えている。
秋田ではこの植物は絶滅危惧ⅠB類になっている。
かつてこの植物は秋田に多かったと言われているが、
昭和時代以降は悪質な園芸盗掘等により、息も絶え絶えになってしまった。
現在は生育地保護の観点からこの花の生える山は山名を伏せる傾向があるようなので私もそうした。
この山は豪雪地帯にあるため、年によっては豪雪で通行止めになり、入山できなかったり、
かと思うと年によっては暖冬で早く咲き過ぎたりと
なかなか花に逢えないでいたが、今回は珍しく開花に立ち会えた。
途中にある岩と樹木の合体風景。
下から望む。
(右上)場所をずらして望む。
この岩の前後の登山道沿いにはオオイワウチワが多く咲いていた。
もうすぐ山頂。
山頂直前でいっとき森林が途切れ、鳥海山が見えた。
再び森林に入って山頂の三角点に到着。
雪割草は山頂から下山路にかけて見ることが出来る。
広葉樹に覆われた急斜面にパラパラと生えている。
この山の雪割草は、秋田県発行の植物分布図では葉の形などからスハマソウとしているが、
分布上、秋田県のものはオオミスミソウとする説もある。
今回見たものは白と薄いピンクが多く、青系は非常に少なかった。
山形県のとある山(こちら)のような青紫の濃いタイプはこの山には無いようだ。
少し下山してから下りて来た稜線を振り返る。
不思議な形の古木
突然、森林が切れて目の前に鳥海山が躍り出る。
伐採地を少し下りてからこの山を振り返ると、
広葉樹林はたったこれだけしか残っていないことがわかった。
スハマソウが絶滅するのは時間の問題かなと思ったりした。
この山で見かけた他の花たち。
シュンラン
ナガハシスミレ
キブシ
キクザキイチゲを2タイプ。
この山の青紫タイプは色が濃いものが多かった。
「出羽丘陵で濃色イチゲとフクジュソウを見た。」に続く。