「吾輩は猫である。しかしただの猫ではない。空前絶後の『デキる猫』である」
仕事はできるが生活能力が壊滅的な会社員・福澤幸来は、ある日凍死寸前の仔猫を拾う。
諭吉と名付けたその猫はいつの間にか猫にあるまじき大きさに成長し、ダメなご主人様に代わって料理、洗濯、掃除、買い出し、ご近所付き合い……
あらゆることを完璧にこなす“デキる猫”になっていた。
「うちの猫ちょっと普通じゃないかも……!?」
そう思いつつ、諭吉のおいしい料理に胃袋を掴まれ、生活の全てを支えられている幸来はもう、諭吉なしの生活なんて考えられない!
『諭吉ってなんでそんなに大きくなっちゃったの!?もはや気配が熊なんだけど』
『最初はさ、私も猫飼うの初めてだったし「意外と大きくなるもんだな~」くらいに思ってたけどさ…流石に普通じゃないと思うの』
『そもそも普通の猫は料理や掃除や洗濯とかしないし、お弁当作ってくれたりゴミ出し行ってくれたりもしないと思うの』
『天気予報チェックして傘持たせてくれたり!お風呂にお湯ためておいてくれたり!他にも色々えーとそのつまり…』
『いつもありがとう!!』
このアニメは、夢のパーフェクトにゃんことハイパーずぼら会社員のまったりのんびり同居ライフな物語りである。
全編CGで描かれる、このアニメ。オープニングアバンを見て直感する。独特のカメラワークとドローンでも使っているかのようなアングル操作。夏アニメ2作品目となるGoHands制作のアニメーションに疑う余地が無いことを。
面白い!実に面白い作品に仕上がっているというのが自分の感想です。
「好きな子がめがねを忘れた」も良作だと実感しているのですが、この作品も負けず劣らずの出来映えです。
日々の生活から視聴者も脱力して見る事の出来るこのアニメ。現実にはあり得ない、アニメだからこそ出来るストーリーに羨望の眼差しで見入ってしまいます。
ヒロイン福澤幸来(さく)のCVには、ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)が代表作の石川由依さん。でも、自分的にはヴァイオレット・エヴァーガーデンになるのですけどね。
他には、一之瀬みのり/キュアパパイア(トロピカル~ジュ!プリキュア)やセイ/小鳥遊聖(聖女の魔力は万能です)、藤聖子(ハコヅメ)、冬月さん(氷属性男子とクールな同僚女子)など、結構、自分のお気に入りのアニメにキャスティングされている事が多いのですが、本作のようなかる~く駄目人間を演じるもの新鮮に感じます。
『うわぁぁぁん会社いくのやだよぉぉぉ働きたくないよぉぉぉ』
『今日も朝一から本部長とミーティングなのに資料がまだ出来てなくてぇぇぇていうかそもそも毎日ミーティングする必要なくない?今日も絶対残業確定だよ!進捗確認しなくても連絡ぐらいスマホでしてくれればよくない?それをいちいちプリントでってどういうことなの?』
『あぁ満員電車だよ!痛いんだよ!酔っ払いも乗ってくるし!ほんともうやめたいぃぃぃ!』
〈ポンポン〉
『諭吉ぃぃ~!私の味方はお前だけ…』
〈ガチャン!〉
『ん?着信…って自宅から!?諭吉?折り返しかけてきた?』
『もしもーし…』
『チッ』
(舌打ち)
『え?まさかゆりちゃんへちぐらのお礼?おーマドレーヌ!』
「もらっちゃっていいんですか?なんか逆にすみません」
「これってもしかして手作りですか?」
『そ、そうなの…』
「すっごーい!」
『あっ手作り系大丈夫かな?』
「嬉しいですー!」
「福澤さんってお菓子も作れちゃうんですか?」
「女子力高いな-」
『へっ!?ちっ違いますよ』
「福澤毎日弁当だしな」
「良い嫁さんになるな~」
「やだ主任~自分で作ってくださいよ~(笑)」
(一気に言い出しづらくなった…)
『違っ…私料理なんて全然!』
「福澤さんが全然なんて私たち立場なさすぎますよ」
「ほんとほんと」
『いやいやいやいやだってそれ作ったのうちのネコッ…』
『わ…私がやりましたぁ…ッ』
「え 何か盛ったんですか?」
『ネ…ネットで調べて…』
「えぇぇ!?」
(どんだ嘘つき野郎になってしまった…ごめんよ諭吉…)
『いやああああこっち来ないで!その物騒な凶器を捨てなさいー!』
OPテーマは軽快に。生きづらい世の中でも好きな人と一緒に過ごせるなら頑張れるとリズミカルに歌い上げる楽曲はOPテーマにはピッタリですね。
EDテーマは淋しさや儚さを噛みしめるようなスローテンポな曲調。でも、その淋しさも儚さも温かく包み込んでくれるような優しさを感じさせるEDテーマです。
現実とファンタジーを程よくミックスし、笑顔が魅力的なヒロインの愛らしさとコメディタッチのストーリーを存分に堪能させてくれる。
「デキる猫は今日も憂鬱」___お勧めです。