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ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

レオナルド・ダ・ビンチ展の驚き!

2007年04月24日 | 美術館・イベント
 上野の国立博物館で開かれている「レオナルド・ダ・ビンチ展」に行く。
のっけからこんなこと云っていいのか、騙された。
本物のダビンチの絵画作品は、受胎告知一点のみ。
それからダビンチ作と云われている少年キリスト像が一つ。
後は、すべてファクシミリ版の展示。つまりコピーや液晶モニターに
映したものばかり。
 新聞で連日宣伝していたので、普通の日に云ったら長蛇の列。
1500円の入場料をイタリアまで行って受胎告知を見たんだと
頭を切り替え、気を取り直して一瞬で通りすぎた受胎告知を
もう一度並び直して見る。
右下のタイルの一部が欠けていたのが立体的でリアルだった。
又シンメトリーと空気遠近法もわかったが、
何よりキリストを宿した聖マリアを見つめて告知する
大天使ガブリエルの見上げる目が厳しい表情に見えた。
まるで断罪するような目だった。とても不思議だ。
 コピー展示の第2会場は、ダビンチの手記を元に模型を
制作して陳列していた。まるで文化祭の学習発表会みたい。

 出口近くでは、協賛の日立がデジタル解析技術のモニター説明を
する香具師のようなおじさんがいて、今回初めてデジタル技術で撮影して
拡大して手にもっている聖書の文字が読めたと実演販売ばりの
パソコン操作をして拡大して見せていた。
ただHITACHIの技師でなく、請負師で客の詳しい質問に答えられず
同じ説明を何回も繰り返すだけだった。
 帰りに一階のロビーで自販機のお茶を飲んでいたら、
さっきの香具師のおじさんが缶コーヒーを買ってひとりで離れてソファに座った。
ポマードの頭が少し崩れて疲れて無口だった。
この人は、ダビンチの自然観察法や唯一完成作品の受胎告知の構図よりも
又デジタル技術撮影よりも六月まで上野で稼げるが夏はどこに実演販売
の店を広げようか、の方が大事なんだと思いめぐらしているように見えた。
又はこんなつぶやきも聞こえてくるようだった・・・
帰りに女房に云われたアメ横の煎じ薬を忘れないように買わないとなあ、
ああ、あとセガレにアキバによってカードゲームも月末の支払い日
には買って帰らないと・・・・
秋田の独り暮らしのお袋が少しボケてきていると妹からあった電話も気になるが
二人目が腹に入った女房のスーパーでのパートもそろそろ止めさせないと
いけないが、結構強情な女房は又すぐにうんと言わないだろう。
どう切り出すか気になる・・・
なんてことを勝手想像してその疲れたおじさんを見ていると涙が出そうになった。
そのおじさんが大天使ガブリエルそのものに見えてきた。
背中に折れた翼があったかなかったか・・・
1500円は十分元がとれた。
コメント (2)
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