こちら、自由が丘ペット探偵局 作者古海めぐみ
38
うぉぉぉ、うおおおー
日の暮れた多摩川の土手にオオカミの遠吠えが轟いた。
ついで一斉に数頭の犬の咆哮が呼応するように後につづいた。
「聞こえた。」
土手を走っていた上田祐二のサーブの助手席に乗っていた田村良弘
はドアウィンドーをするすると開けて吹き込む風に逆らって叫んだ。
「ちょっと止まってください。」
「どうしたの?」
祐二は、ブレーキを踏んで田村の方を見た。
シ、静かに。と窓から顔を出し耳を澄まして田村は、ピタリと
動かなくなった。
「ナナ!ナナの声がするんです。」
うぉぉぉぉーわぉぉぉぉー
「あれが・・・・」
「ナナの声です。」
振り返った田村良弘の口の周りにうっすらと無精ひげが生えて
いてここに来るとき祐二が自分の車に田村良弘を乗せたときに自由
通りのパン屋で買って分け与えたメロンパンのクズが雪のよう
にこびり付いていた。
何日か前までしっかりとクリーニングのかかったワイシャツと
背広姿で若いビジネスマンの清潔さを漂わせていたのが、今祐二
の目の前にいる田村良弘は、ノーネクタイの開いたワイシャツ
の襟に黒い汚れの輪っかがついていた。
何日着替えていないのだろう。
祐二は、ナナと呼ぶ田村の声があまりにも空っぽで自分の店
キッズローブに仕事を長期休んで施設を逃げたナナを探したい
と訪ねてきた来たときの顔を思い出して尚更悲しくなった。
長期休暇と言っても田村の虚ろな目を見るともしかしたら仕事
も辞めたのではないかと祐二は訝ってより胸が詰まった。
だいたいナナを再び探すと言っても頼みのペット探偵の犬飼健太
もいなくて、本来のナナの飼い主の婚約相手とは絶縁状態になり、
毎日当てもなく東京をさまよい、つい上田祐二にすがり付いてきた。
上田祐二は祐二でちょうど健太も春も消えてしまってどうした
ことかとうずうずしていたところだったのでとりあえず田村を
乗せて春と音信の切れた多摩川沿いをサーブで走ってきた
ところだった。
ぐわわわんんん、ガガガガルルルー
激しい獣の唸り声が大きく響いた。
うわわわっ!と短い男の叫びがその猛々しい唸り声と共に聞こえた。
「ナナ!ナナちゃーん!」
田村は涙を瞳に滲ませながら叫んで車の外に出た。そして祐二も
つづき、二人は土手を下り出した。
やがて松の木のある土手下の河原に二人はやってきたが、トラ
ロープと赤いパイロンで塞き止められて工事中の立て札が立っていた。
今立入り禁止のゾーンには、ロープの向こう側に夜の闇に包まれて
葦原が広がっている。
田村は、耳をそば立たせてじっとさやさやと揺れる葦の穂を見つめた。
あの激しい唸り声もオオカミの遠吠えもピタリと止まって川風が
流れる音と川向いの道を行くトラックのエンジン音だけしか聞
こなかった。
「いなくなってしまったのかな。」
ぽつりと川岸に歩きながら祐二は言った。
川岸の葦原までロープがあり行き止まりになっていた。
田村は、祐二の言葉を完全に無視してトラロープを潜って葦原へ
歩き出した。 「天国の門」という看板のかかっている入口の
堅く閉まった扉の前まで来て田村はその取っ手に手をかけたが
内から鍵がかけられてビクとも動かなかった。
「ナナ!・・・」
田村のその呼びかけは、虚しく河原を流れていった。
すると田村は葦原に沿って河原を走りながらナナ!と何回も声
を張り上げた。草を蹴る田村のシューズの音しか返って来なかった。
祐二は、ロープを迂回して土手の中腹へよじ登って葦原から松の木
の方を見渡した。
「ナナちゃーん!」
祐二も叫んでみた。風がからからと音をたてて流れていくだけだった。
又ゆっくりと土手の草地を降り出した祐二は、葦原から工事中・
立入り禁止のロープ柵まで戻って来た田村と合流した。
そして田村を慰めようと祐二が声をかけようとしたとき、突然
葦原の真ん中で爆発音がしてガソリンの燃え上がる火柱が夜空
に昇った。祐二と田村は、驚いて振り返った。
黒い煙を出す赤い炎が風にさざめく葦原全体を真昼のように照
らした。
その赤く染まった葦原のひとつがガサガサと大きく揺れて何か
が「天国の門」を蹴破って出てきた。
すっかりオオカミの顔をしたナナと数頭の雑種の大型犬だった。
田村は、目の前に近づいてくる精悍なナナの変貌振りに声も
出なかった。ナナは、咥えていたズボンの切れ端を田村の足元
に吐き捨てると、ぶおんと一言吠えて他の犬と一緒に上流へ
走り去って行った。
38
うぉぉぉ、うおおおー
日の暮れた多摩川の土手にオオカミの遠吠えが轟いた。
ついで一斉に数頭の犬の咆哮が呼応するように後につづいた。
「聞こえた。」
土手を走っていた上田祐二のサーブの助手席に乗っていた田村良弘
はドアウィンドーをするすると開けて吹き込む風に逆らって叫んだ。
「ちょっと止まってください。」
「どうしたの?」
祐二は、ブレーキを踏んで田村の方を見た。
シ、静かに。と窓から顔を出し耳を澄まして田村は、ピタリと
動かなくなった。
「ナナ!ナナの声がするんです。」
うぉぉぉぉーわぉぉぉぉー
「あれが・・・・」
「ナナの声です。」
振り返った田村良弘の口の周りにうっすらと無精ひげが生えて
いてここに来るとき祐二が自分の車に田村良弘を乗せたときに自由
通りのパン屋で買って分け与えたメロンパンのクズが雪のよう
にこびり付いていた。
何日か前までしっかりとクリーニングのかかったワイシャツと
背広姿で若いビジネスマンの清潔さを漂わせていたのが、今祐二
の目の前にいる田村良弘は、ノーネクタイの開いたワイシャツ
の襟に黒い汚れの輪っかがついていた。
何日着替えていないのだろう。
祐二は、ナナと呼ぶ田村の声があまりにも空っぽで自分の店
キッズローブに仕事を長期休んで施設を逃げたナナを探したい
と訪ねてきた来たときの顔を思い出して尚更悲しくなった。
長期休暇と言っても田村の虚ろな目を見るともしかしたら仕事
も辞めたのではないかと祐二は訝ってより胸が詰まった。
だいたいナナを再び探すと言っても頼みのペット探偵の犬飼健太
もいなくて、本来のナナの飼い主の婚約相手とは絶縁状態になり、
毎日当てもなく東京をさまよい、つい上田祐二にすがり付いてきた。
上田祐二は祐二でちょうど健太も春も消えてしまってどうした
ことかとうずうずしていたところだったのでとりあえず田村を
乗せて春と音信の切れた多摩川沿いをサーブで走ってきた
ところだった。
ぐわわわんんん、ガガガガルルルー
激しい獣の唸り声が大きく響いた。
うわわわっ!と短い男の叫びがその猛々しい唸り声と共に聞こえた。
「ナナ!ナナちゃーん!」
田村は涙を瞳に滲ませながら叫んで車の外に出た。そして祐二も
つづき、二人は土手を下り出した。
やがて松の木のある土手下の河原に二人はやってきたが、トラ
ロープと赤いパイロンで塞き止められて工事中の立て札が立っていた。
今立入り禁止のゾーンには、ロープの向こう側に夜の闇に包まれて
葦原が広がっている。
田村は、耳をそば立たせてじっとさやさやと揺れる葦の穂を見つめた。
あの激しい唸り声もオオカミの遠吠えもピタリと止まって川風が
流れる音と川向いの道を行くトラックのエンジン音だけしか聞
こなかった。
「いなくなってしまったのかな。」
ぽつりと川岸に歩きながら祐二は言った。
川岸の葦原までロープがあり行き止まりになっていた。
田村は、祐二の言葉を完全に無視してトラロープを潜って葦原へ
歩き出した。 「天国の門」という看板のかかっている入口の
堅く閉まった扉の前まで来て田村はその取っ手に手をかけたが
内から鍵がかけられてビクとも動かなかった。
「ナナ!・・・」
田村のその呼びかけは、虚しく河原を流れていった。
すると田村は葦原に沿って河原を走りながらナナ!と何回も声
を張り上げた。草を蹴る田村のシューズの音しか返って来なかった。
祐二は、ロープを迂回して土手の中腹へよじ登って葦原から松の木
の方を見渡した。
「ナナちゃーん!」
祐二も叫んでみた。風がからからと音をたてて流れていくだけだった。
又ゆっくりと土手の草地を降り出した祐二は、葦原から工事中・
立入り禁止のロープ柵まで戻って来た田村と合流した。
そして田村を慰めようと祐二が声をかけようとしたとき、突然
葦原の真ん中で爆発音がしてガソリンの燃え上がる火柱が夜空
に昇った。祐二と田村は、驚いて振り返った。
黒い煙を出す赤い炎が風にさざめく葦原全体を真昼のように照
らした。
その赤く染まった葦原のひとつがガサガサと大きく揺れて何か
が「天国の門」を蹴破って出てきた。
すっかりオオカミの顔をしたナナと数頭の雑種の大型犬だった。
田村は、目の前に近づいてくる精悍なナナの変貌振りに声も
出なかった。ナナは、咥えていたズボンの切れ端を田村の足元
に吐き捨てると、ぶおんと一言吠えて他の犬と一緒に上流へ
走り去って行った。
こちら、自由が丘ペット探偵局 作者古海めぐみ
37
ゴロンゴロンと穴の入口でコンクリートミキサーのモーター
音が春と健太の寄り添っている穴底まで響いてきた。
そして魔界の滝のように途切れることなく灰色の生コンの蛇
がその音とともにまっすぐ落ちてきた。
二人が慌てて飛びのいた穴の中央に見る見るコンクリの、挑み
かかるコブラのような鍾乳洞の柱がニョッキリと立ち上がった。
それは、沈んだばかりの空に浮かんだ満月と懐中電灯との明り
が穴の上から差し込んで来て、スポットライトの中でくね
くねと蛇使いの笛で背筋を伸ばす灰色のコブラそのものと
しか見えず、まるで生きているみたいに大きくなっていった。
健太は、膝や太ももの痛さをすっかり忘れて、春の手をしっ
かりと握って土壁にへばり付いた。しかし格好は、どう見て
も春が倒れそうな健太を支えて励ましているようにしか見
えなかった。
薄闇の地上からは、陰気で擦れたシラネの口笛が聞こえてきた。
足首に生コンが溜まって来る度に踏ん張りが利かずに春に凭れ
てぶるぶる両足を震わせている健太の姿をあざ笑っているよう
に木霊した。
「なかなか最近の生コンは、速乾性のものが出てきてな。
夜明けにはキレイなお二人の記念の墓が出来るだろうね。」
そう顔を覗かせて囁くとシラネは、真一に早く練ったセメント
を調合パレットからミキサーに追加して入れるように厳しい
口調で指図した。
チェッと舌打ちして金払ってるのはこっちなのによ、とボヤ
きながらも真一はせっせとセメントの補給に専念した。
「お兄さん、いつでもやめてもいいんだぜ。オレと下の二人は
関係ねえんだから。人を生きたままコンクリ詰めにするなんて
本来オレの趣味じゃないしね。」
「わかったつうの。やるよ。やればいいんでしょ。」
とものすごい勢いで真一はセメントをスコップで運んだ。
唸るミキサーにセメントを追加する真一の、今までにこれ
ほど肉体を使ったことがないという証の大量の汗がぽっかり
と開いた穴の入口にクモの糸のように飛び散って、銀の雨と
なって生コンだらけの穴底まで落ちてきた。
春と健太の膝下まで灰色の重たい波が押し寄せてきた。
健太は固まらないように何回も足を抜いて移動しながら又
踏ん張って又抜いてを繰り返した。そのうち傷めた膝のため
にバタンと生コンの海に頭から倒れてしまった。
しっかり、と春が呼びかけて救い起こすと健太は灰色の
ゾンビみたいにヨロヨロとと立ち上がって照れ笑いをした。
さすがの春も薄気味悪く健太の手を一瞬離してしまって又
ザブンと地獄の海に倒れた。
ごめんなさい、と春は両手で抱え起こした。すると今度は、
その春の肩にバラバラと石粒が降りかかってきた。
シラネが口笛を吹きながら手押し車でジャリ石を穴に注ぎ
込んだのだった。
危ない、と健太がすかさず春を庇って隅の壁へ伏せた。
穴底の隅で倒れたまま健太と春は、降り注ぐコンクリと
ジャリの襲撃から身をかわして生唾を呑んだ。
私たち、もうダメ?
春は、尻餅をついたため胸の下まで生コンがせり上がった
状態で真っ暗になった、丸く切り取られた空を見上げて呟いた。
まだまだ・・・諦めるには早い。
健太は、負け惜しみでそう吐き捨てるとシャツの襟から
小さな竹笛を取り出して一口吹いた。
音は何も聞こえない。
でもその無音の響きは穴の筒を駆け上って星の瞬く夜空に
飛んでいった。
何?という春の顔に犬笛だ、何もしないよりマシだよ、
ともう一度無音の笛を吹いた。
しかし生コンとジャリはドカドカと落ち続けた。春と健太
は立ち上がったが灰色の海はもう腰まで来てほとんど身動
きできなくなった。
しばらく経って立った二人の胸まで埋もれた頃プスンと
ミキサーのエンジンが止まった。
「くそ。ゼネレーターのガソリンが切れた。いまガソリン
を入れなきゃ・・・」
と言ってシラネがタンクから注ぎもう一度ベルトを引いて
ゼネのエンジンをかけた。
ぶるるるん、ぶるるるん、となかなかうまくかからなかった。
すっかり疲れた春と健太は、うな垂れて押し黙ってその音
を聞いていた。
すると目の前のどろどろのセメントの海に一つの影が走った。
健太が見上げると、穴の真上に満月が出ていて、それを
黒い鳥がよぎった。
あああ!セイコちゃん!と健太は叫んで竹笛を再び吹いた。
そして次の瞬間オオカミの遠吠えがすぐ近くで聞こえた。
春も健太の頬に頬をつけて聞き耳を立てた。
確かにオオカミの叫び声がした。
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ゴロンゴロンと穴の入口でコンクリートミキサーのモーター
音が春と健太の寄り添っている穴底まで響いてきた。
そして魔界の滝のように途切れることなく灰色の生コンの蛇
がその音とともにまっすぐ落ちてきた。
二人が慌てて飛びのいた穴の中央に見る見るコンクリの、挑み
かかるコブラのような鍾乳洞の柱がニョッキリと立ち上がった。
それは、沈んだばかりの空に浮かんだ満月と懐中電灯との明り
が穴の上から差し込んで来て、スポットライトの中でくね
くねと蛇使いの笛で背筋を伸ばす灰色のコブラそのものと
しか見えず、まるで生きているみたいに大きくなっていった。
健太は、膝や太ももの痛さをすっかり忘れて、春の手をしっ
かりと握って土壁にへばり付いた。しかし格好は、どう見て
も春が倒れそうな健太を支えて励ましているようにしか見
えなかった。
薄闇の地上からは、陰気で擦れたシラネの口笛が聞こえてきた。
足首に生コンが溜まって来る度に踏ん張りが利かずに春に凭れ
てぶるぶる両足を震わせている健太の姿をあざ笑っているよう
に木霊した。
「なかなか最近の生コンは、速乾性のものが出てきてな。
夜明けにはキレイなお二人の記念の墓が出来るだろうね。」
そう顔を覗かせて囁くとシラネは、真一に早く練ったセメント
を調合パレットからミキサーに追加して入れるように厳しい
口調で指図した。
チェッと舌打ちして金払ってるのはこっちなのによ、とボヤ
きながらも真一はせっせとセメントの補給に専念した。
「お兄さん、いつでもやめてもいいんだぜ。オレと下の二人は
関係ねえんだから。人を生きたままコンクリ詰めにするなんて
本来オレの趣味じゃないしね。」
「わかったつうの。やるよ。やればいいんでしょ。」
とものすごい勢いで真一はセメントをスコップで運んだ。
唸るミキサーにセメントを追加する真一の、今までにこれ
ほど肉体を使ったことがないという証の大量の汗がぽっかり
と開いた穴の入口にクモの糸のように飛び散って、銀の雨と
なって生コンだらけの穴底まで落ちてきた。
春と健太の膝下まで灰色の重たい波が押し寄せてきた。
健太は固まらないように何回も足を抜いて移動しながら又
踏ん張って又抜いてを繰り返した。そのうち傷めた膝のため
にバタンと生コンの海に頭から倒れてしまった。
しっかり、と春が呼びかけて救い起こすと健太は灰色の
ゾンビみたいにヨロヨロとと立ち上がって照れ笑いをした。
さすがの春も薄気味悪く健太の手を一瞬離してしまって又
ザブンと地獄の海に倒れた。
ごめんなさい、と春は両手で抱え起こした。すると今度は、
その春の肩にバラバラと石粒が降りかかってきた。
シラネが口笛を吹きながら手押し車でジャリ石を穴に注ぎ
込んだのだった。
危ない、と健太がすかさず春を庇って隅の壁へ伏せた。
穴底の隅で倒れたまま健太と春は、降り注ぐコンクリと
ジャリの襲撃から身をかわして生唾を呑んだ。
私たち、もうダメ?
春は、尻餅をついたため胸の下まで生コンがせり上がった
状態で真っ暗になった、丸く切り取られた空を見上げて呟いた。
まだまだ・・・諦めるには早い。
健太は、負け惜しみでそう吐き捨てるとシャツの襟から
小さな竹笛を取り出して一口吹いた。
音は何も聞こえない。
でもその無音の響きは穴の筒を駆け上って星の瞬く夜空に
飛んでいった。
何?という春の顔に犬笛だ、何もしないよりマシだよ、
ともう一度無音の笛を吹いた。
しかし生コンとジャリはドカドカと落ち続けた。春と健太
は立ち上がったが灰色の海はもう腰まで来てほとんど身動
きできなくなった。
しばらく経って立った二人の胸まで埋もれた頃プスンと
ミキサーのエンジンが止まった。
「くそ。ゼネレーターのガソリンが切れた。いまガソリン
を入れなきゃ・・・」
と言ってシラネがタンクから注ぎもう一度ベルトを引いて
ゼネのエンジンをかけた。
ぶるるるん、ぶるるるん、となかなかうまくかからなかった。
すっかり疲れた春と健太は、うな垂れて押し黙ってその音
を聞いていた。
すると目の前のどろどろのセメントの海に一つの影が走った。
健太が見上げると、穴の真上に満月が出ていて、それを
黒い鳥がよぎった。
あああ!セイコちゃん!と健太は叫んで竹笛を再び吹いた。
そして次の瞬間オオカミの遠吠えがすぐ近くで聞こえた。
春も健太の頬に頬をつけて聞き耳を立てた。
確かにオオカミの叫び声がした。
おじいさん達が作るチーズケーキ屋さんとして、すっかり有名になったヨハン。
香料や着色料、保存料を全く使っていない4種類のチーズケーキは、
極めて素朴でシンプルな味。さっぱり&あっさりがお好きな方にお薦めです。
香料や着色料、保存料を全く使っていない4種類のチーズケーキは、
極めて素朴でシンプルな味。さっぱり&あっさりがお好きな方にお薦めです。
戦中から戦後にかけて童画家として活躍した茂田井武は、戦後の復興と共に創刊
された児童雑誌や童話に多数の絵を描き残しました。
今回の展覧会では代表作「セロ弾きのゴーシュ」など絵本原画の他に、彼が1930
年代に欧州放浪した際の画集「ton paris」「parisの破片」など、
大変貴重な記録が展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/d1/37fc88967b5ed23d972c3781769e5eb7.jpg)
欧州で描かれた画集を見ると、彼が当時流行していたアールデコに影響を受け、
そのエッセンスを見事に吸収していたのがよくわかります。
素朴でユーモラスなタッチの童画から、ややアバンギャルドな雰囲気の欧州
スケッチまで、彼の絵の幅広い魅力に触れられる絶好の機会です。
茂田井氏の生誕100年を記念して企画された本展は、
ちひろ美術館・多目的展示ホールにて11月30日まで開催されています。
された児童雑誌や童話に多数の絵を描き残しました。
今回の展覧会では代表作「セロ弾きのゴーシュ」など絵本原画の他に、彼が1930
年代に欧州放浪した際の画集「ton paris」「parisの破片」など、
大変貴重な記録が展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/d1/37fc88967b5ed23d972c3781769e5eb7.jpg)
欧州で描かれた画集を見ると、彼が当時流行していたアールデコに影響を受け、
そのエッセンスを見事に吸収していたのがよくわかります。
素朴でユーモラスなタッチの童画から、ややアバンギャルドな雰囲気の欧州
スケッチまで、彼の絵の幅広い魅力に触れられる絶好の機会です。
茂田井氏の生誕100年を記念して企画された本展は、
ちひろ美術館・多目的展示ホールにて11月30日まで開催されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/db/bb4daefb755a09a8b91af309df94bc81.jpg)
子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家、いわさきちひろ。
その自宅跡に建てられたちひろ美術館で現在開催されているのが
「旅の絵本展~ヨーロッパを訪ねて~」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/0d/e2b632f6d4ca227bc0f0ed79c9344918.jpg)
彼女が1960年代にヨーロッパを旅した際に描いたスケッチや、その時の取材から
後に絵本化された「アンデルセン原作 あかいくつ」や「A・ラモリス原案
あかいふうせん」の原画などが展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/64/2e557a010519f0c7bb6a589aec279555.jpg)
一見、空想で描かれたのかと思わせるお伽話の中の風景も、展示された資料を見る
と実在の建物や街角がモチーフになっているのがよくわかり、より深くちひろの絵本
の世界を楽しむことが出来ると思います。
この展覧会は11月30日まで練馬区下石神井・ちひろ美術館にて開催中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/37/12c014987784b5a93b4fe8e324cadfb7.jpg)
館内には、豊富なちひろグッズを揃えたミュージアムショップ
の他、充実したメニューのカフェや図書室などもあり、鑑賞後
もゆっくり過ごすことが出来ます。
上の写真は館内一階にある、ちひろのアトリエ再現コーナーです。
その自宅跡に建てられたちひろ美術館で現在開催されているのが
「旅の絵本展~ヨーロッパを訪ねて~」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/0d/e2b632f6d4ca227bc0f0ed79c9344918.jpg)
彼女が1960年代にヨーロッパを旅した際に描いたスケッチや、その時の取材から
後に絵本化された「アンデルセン原作 あかいくつ」や「A・ラモリス原案
あかいふうせん」の原画などが展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/64/2e557a010519f0c7bb6a589aec279555.jpg)
一見、空想で描かれたのかと思わせるお伽話の中の風景も、展示された資料を見る
と実在の建物や街角がモチーフになっているのがよくわかり、より深くちひろの絵本
の世界を楽しむことが出来ると思います。
この展覧会は11月30日まで練馬区下石神井・ちひろ美術館にて開催中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/37/12c014987784b5a93b4fe8e324cadfb7.jpg)
館内には、豊富なちひろグッズを揃えたミュージアムショップ
の他、充実したメニューのカフェや図書室などもあり、鑑賞後
もゆっくり過ごすことが出来ます。
上の写真は館内一階にある、ちひろのアトリエ再現コーナーです。