カジュアル・アミーガ         本ブログの動画、写真及び文章の無断転載と使用を禁じます。

ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

帰れない二人

2007年07月31日 | 写真コラム
                下北沢駅ホーム
逢えるのは、夜。
時間は、長くて短い。
何本の電車を見送ったか。
夜の駅は、誰もが主役。
茂木健一郎さんは、脳科学として
過去は、ないという。
みんなが持っている学生時代、こども時代の想い出は
しっかりとした過去の記憶だと思っているが
その過去の記憶といって想起する過去は、現在の自分が
関連づけて呼び出している限り現在・「今ここから」と
してのものだという。
想い出も「今ここから」つくられている。
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さすらいの学食くん6ー慶応義塾大の巻ー

2007年07月30日 | 味わい探訪
はい。さすらいの学食くんです。
今月は三田の森、慶応義塾大学に行った。
三田駅からだと東門がいいのだが、はっきり20年ぶり
だったのであの古くて長い山門のような東門が
レンガづくりの教会のような建物の中に吸収されて
ちょっと入るのに面食らったね。

学食にはだいたい2種類ある。
全国共同購入の生協食堂と、それと同窓会館などの別経営の少し上級の食堂。
慶応には、山食というサークルのコンパなんかも受ける食堂がある。
蝉の啼かない夏休みの昼間、ここでカツライス510円を注文。
厨房には威勢のいいおじさんが「あいよ」とかけ声。作り始めた。

食堂の壁には「小泉信三夫婦」の写真や巨人に行った高橋のサインが飾っていた。
そして実食。カツが大振りで脂がのっている。美味い。
お嬢さんは食べきれないかー。
この山食のガラス越しに下が生協食堂が見下ろせる。
こちらは四倍ぐらいのスペース。
メニューは早稲田と似ている。ここは見逃せない。

冷やし中華ときんぴら、ほうれん草のおひたし480円を食べる。
うーん。さっぱり。夏の定番だ。
帰りかなり腹が膨らんで東門の横のお菓子屋で「学問のすすめ」
を買う気にならず三田から浜松町まで歩いた。

昔より古い家が減って新しいビルばかりで慶応大の真下ある三田の象徴のような
万年筆みたいな形ののっぽビルがNEC本社。ここを抜けていると
薩摩藩邸跡と書かれていた。そう、泉岳寺、芝、三田、高輪
みんな明治の匂いが残っているんだね。
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美輪明宏の守り神

2007年07月29日 | めんちゃん日記
家から2分のところに霊気の漂うお家があるよ。
いつも散歩に出かけるときに
そこを通る。
えんじ色のクラシックカーに金髪のおばさんが
乗ってその家の門の中に消えて行ったんだ。

するとかっぱ姉ちゃんが叫んだ。
ああ。美輪明宏。
そしてどういう訳かその門の脇に
変な縫ぐるみが置かれていたよ。
そいつは自分でチャップリンリンって名乗ったよ。
ぼくがそのチャプリンリンと遊ぼうとしたら
かっぱさんがぼくをぐいぐい引っぱって行ったんだ。
だめ! めんちゃん! あの人形、きっと守り神よ。
噛んだりしたら、石にされちゃうよ。
そんなあ・・・
ぼくは、そいつにはオーラの泉は感じなかったんだけど。
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盆踊りー目黒・池尻

2007年07月28日 | 街角探検
気象庁は黙っているけど
東京は夏日。
もう梅雨明けしているんじゃないかと
思う。
帰り道、池尻稲荷で盆踊りをやっていた。

地方によっては(特に西日本は)、旧盆。8月15日。
盆踊りも八月にあるけど、東は七月中にデンデン聞こえてくる。
小さくてもしっかり大都会で町内会が生きている。
コムスン問題じゃないけど商売の介護って
人間の最期を扱う商品としてどうだろう。
親の介護をやったばかりの経験から必要とは思うけど
限界があるんじやないかな。
地域が、町内が、隣近所がもっとうまく機能できるように
思う。こどもの教育も同じ機能ができるように思う。
池尻神社の境内で踊りより、屋台目当てにきた小学生の
夜の顔は生き生きしていた。きっと何かある。
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愛するココロー19-

2007年07月27日 | 投稿連載
 愛するココロ  作者 大隈 充    
            19
 空虚の正体は、ココロの全知覚バロメーターで言えば、
世界という環境の中でそのすべての情報を感知する針が
振り切れた情態をいう。
全く何も感じないで反応しないと言うことではなく、
感じる情報が過剰かその密度が強烈かのどちらかの情態で
対応しきれず身動きできなくなったココロの有り様と
言い換えてもいい。
 末永栄一が、そんな空虚をココロに感知し始めたのは、
四才のとき母親と博多の父の家を出たときだった。もっとも
栄一が生まれた時から父親の伏見建二は、家にはほとんど
寄り付かなかったので、顔どころか記憶自体がない。
唯一かろうじてある手がかりは、建二のハイライトのきつい
タバコの匂いぐらいだった。
 なぜ健二が子供を嫌ったか、その正しい理由は今となっては
すべては推測でしかなくはっきりとはわからない。ただ過去の
事実だけを語れば当時三十才を過ぎてバリバリの証券マンだった
建二は、アンノンブームに乗って旅行会社株と電気株でかなり
の儲けを得て羽振りよく中州で毎日飲み歩いたときにまるで鮭
が交尾するように勢いと弾みで那珂川沿いのスナックで出会った
当時デパートの広告モデルをしていた19才のイズミと激しい
山火事のような一夜を共にした。
そして生まれたのが栄一だった。
建二は、呉服町にマンションを購入し、イズミと所帯を持った。
栄一が一人歩きできるようになった頃には、会社をやめて株で
儲けた財でベッドタウン予定地のマンションと土地を買いあさり、
不動産業を始めた。これが次々に当たり、福岡から東京まで
進出する勢いでその忙しさの中で博多の呉服町のイズミの待つ
マンションと栄一のオムツ姿や園児服は忘れ去られた。
勝負勘のよさで飛ぶ鳥を落とす勢いの若手土地成金の建二の成功は、
仕事に逃げたことの結果でしかなかった。本音は、家で自分の子供
とどう接していいかわからなかったのが真実で、家庭というものが
解らずできるだけ遠まわしに家族というものに接しているうちに
東京まで登り詰めていたというのが正しかった。
つまり父親を全く知らずに育った伏見建二に
とって子供は不変な未知の存在でしかなかった。この違和感を
埋めなければならないと思えば思うほど建二のココロの底の
乾いた砂漠は、子供を慈しもうとする水をあっという間に
吸い込んで一向に潤わず、いつまでも乾いたままの砂の原野だった。
又建二の母とイズミは折り合いが悪く、殆ど絶縁状態だった。
栄一は、祖母にも抱かれることなく、イズミに新しくできた恋人
との新生活のため父と父のマンションの灰皿に染み付いたハイライト
の哀切と苦渋の匂いとも別れることになった。
 イズミは、一人育児に疲れ精神的に不安定な状態がつづいた。
お漏らしをした栄一に度を越した折檻をして、足にギブスを巻いた
栄一を病院から負んぶして帰る段になってことの重大さに
後悔したりした。そんな乾いた日常を少しの間緩和してくれたのが
ミシンを踏んでハギレを縫っているときだけだった。
 そして洋裁の趣味に没頭する内にミシンのセールスマン溝部実と
親しくなり、栄一が四歳の誕生日に正式に建二と離婚が成立して、
栄一を連れて北九州に出て溝部の貸家でしばらく暮らした。
「あの人は、長いトンネルで出口を失った罪人のようやったばい。」
何回も洗い過ぎて襟のカラーの先が擦り切れて幾つも穴が空いている
服を着ている牧師の末永照夫は、日本茶を啜りながらバリトンの透る
声の悲しい音階で言った。
「イズミさんは、この教会を訪ねてきたときは皮を剥がれたウサギ
のごと、震えてとったけんが一週間後に博多湾の能古島で水死体で
発見されるとは思わんでした。」
礼拝堂の冷たい木製の長椅子で話を聞いていた村上刑事がメモして
いた手帳を閉じて湿った息と共に確認の質問をした。
「ということは、この教会に訪ねて来て栄一君を預けて自殺した
ということですか。」
「そりゃわからん。新聞記事では、博多港から出た連絡船から誤って
落ちたとしか書いていなかったけんが。」
「その、ミシンのセールスマンの男は、一緒にいなかったのですか。」
「家内の話で後から聞いたけんが、その男に金だけ取られて捨て
られて行く場所がなくなってうちの教会に来たちが。」
「イズミさんの親御さんとか、身寄りは?」
「奄美大島の人だったけんど、親父さんたちはブラジルに移民に
行って親戚もわからず仕方なく栄一君は、わたしら夫婦で
育てることにしました。」
「父親の伏見さんとこは?」
「それが呉服町のマンションは別の人の手に渡っていて居所が知れず、
何やら東京のどこかにおるち聞きましたが、自分の子も捨てるような
男に栄一を預けるのは、神もお喜びにならないやろうけんって、
諦めてしもうたったい。」
末永牧師は、立ち上がってステンドグラスの窓を開けた。
暖かい早春の風が桜の花びらとともに薄暗い室内に入ってきた。
「ここからは、海が見えるんですね。」
村上刑事が立ち上がって牧師の大きな背中越しに明るい窓外を眺めた。
「ちょうど海の中道が目の前で玄界灘の外海と博多湾の内海
の両方が見えっとです。」
「奇麗な海を見て栄一君は育ったんですね。」
「はい。頭のよかいい子でした。」
色ガラスの反射で牧師の顔が赤や青に彩られて、まるでイコン画
の肖像のように見えた。
「奇麗な海ですね。」
村上はもう一度今度は自分に言った。
海の中道の白い砂浜の向こうにギラギラと陽光に輝く荒海が遥かな
水平線まで広がっていた。
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ペパーミント~エルちゃんシーちゃんのおやつ手帖6

2007年07月27日 | 味わい探訪
ここは、有名ではないけど町の小さいがとても誠実なお店。
駒沢公園通り沿いの深沢商店街の外れにあります。
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予期せぬ最期

2007年07月26日 | めんちゃん日記
ねこ先生の病院で入院していた黒猫さんが
なくなったよ。
18才だったって。
ぼくが、出勤(と言っても病院のケージの中から皆を和ませるだけ)
してきたときには、もう冷たくなっていたよ。
 お家で留守番していて、窓のブラインドの紐に
からまって半日宙ずりになっていて病院に
担ぎ込まれて来たけど、全身傷だらけで
二三日少し元気になったんだけど力尽きた。
夕方飼い主のお父さんは、目を真っ赤にして抱いて
つれて帰ったよ。
病院っていつも生き死にがあるけれど
そんなことでという思わないことで死ぬこともあるんだ。
せっかく18才まで四人家族に可愛がられて、
交通事故に遭わないように家で飼っていたのにね。
予期せぬことこそ、未来。
ぼくは、帰り道今この一歩一歩をしっかりと
噛みしめて歩いたよ。

お花の前でちょっと一休みしたけど・・・
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カッパが人気。

2007年07月25日 | めんちゃん日記
昨日ぽっぽ通信の鳩じいさんがベランダに来て
なんでも芥川龍之介とかいうひとの90回目の命日じゃって
云って今年はカッパが人気上昇中って云っていたよ。
芥川さんっていうひとは、なんでも河童が好きだったみたい。
それで命日を河童忌って云うんだって。

川で泳ぐこどもを溺れさせたり悪いイメージしかないけど
いつの間にかかわいい友だちみたいになって
映画もできたって。映画「河童のクウと夏休み」
 ぼくは、生まれて一度も川で泳いだこともなく
カッパといえば、カッパ姉ちゃんしかいなく
カッパ姉ちゃんは、ぼくのことをとても愛してくれるよ。
ぼくは、カッパ姉ちゃん頼りで生きているようなもんだもの。
ほくもカッパ姉ちゃん大好き。
カッパが愛嬌のある生き物だって教えてくれた
芥川さんには、感謝しなきゃ。
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焼けた溝の口横丁、復活!

2007年07月24日 | 街角探検
二月に放火で全焼した川崎市溝の口駅横の
やきとり横丁が復活していた。
地下の散髪屋、古本屋、果物屋、そして飲み屋・・
南武線の線路沿いにタイムスリップしたように
闇市的なゾーンがある。

 駅前開発で焼けて不動産やのものになるか
と思ったら、しっかり元のように復活していたのに
驚いた。この生命力は、すごい。
参考に焼けた時のブログ→溝の口飲み屋横丁、焼ける
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吾妻橋情話

2007年07月23日 | 写真コラム
もうすぐ隅田川の花火大会。
奇妙な形のピール会社の建物が印象的だけど
浅草から夜の遊覧船に乗るのもいい。
また仲店で買い物して
神谷バーで電気ブランを飲むのもいい。
夏の夜は、川の流れに耳を傾けるのは、
格別にいい。
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働くアイガモさん農法

2007年07月22日 | めんちゃん日記
雨の日曜日。
散歩コースにカモさんの働く農園があるよ。
去年から準備していた小さな田んぼに
二羽のアイガモさんを入れて、今年子供が生まれて
親子でいっしょに稲につく虫を食べているよ。

アイガモさんが近くに来たので聞いたら
にんげんが無農薬でお米を育てているんだって。

昔のにんげんたちは毎日朝から晩まで自分の手で草取り、代かきしていたのを
アイガモにすべてやってもらってにんげんの役になってる、と
アイガモおじさんが教えてくれたよ。

ぼくは、考えた。
このまま喰っちゃ寝て散歩に連れっててもらっていいウンチが出たとか
云ってペットの身よろこんでいていいのだろううか。
たとえば牛乳を荷車に積んで運ぶとか、雪山で遭難したひとを捜すとか
あるいは、空港で麻薬の入った鞄を嗅ぎ分けるとか・・・・
うーん。ぼくには何ができるんだろう。
荷車は重いし、雪山はこっちが遭難しそうだし、麻薬は頭がくらくらするし
うーん・・・・ぼくは、結局世の中に何も出来ない。
せめて、
カッパ姉ちゃんたちをアイキョウで和ませることしかできないよお。


賢いアイガモ農法
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夜のコンビニ

2007年07月21日 | めんちゃん日記
昨日久々に夜の散歩に行ったよ。
公園通りのコンビニは、10時を過ぎても
次から次から人が来るよ。
ぼくは、表でじっとカッパ姉ちゃんが出てくるまで
待っていたよ。

にんげんもこうして見ていると面白い。
金曜日のこんな夜のコンビニ客は、なんとなく明日が休みで
ウキウキしているよ。
この前月曜日に行った時とみんなの顔の色が違うんだもん。
ぼくたちワンちゃんがおやつ貰える前のお座りしている
時みたいな顔色なんだもん。おかしいね。にんげんって。
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愛するココロー18-

2007年07月20日 | 投稿連載
    愛するココロ  作者 大隈 充
      18
千鳥が淵のお堀の水面が鏡のように輝いて、初夏を思わせる
日差しが降り注いでいた。
 取調べ室で吉田智光が椅子に座るなり、村上刑事は、噛んでいた
ガムを銀紙に包んで吐き出して馴れた手つきでくるりと包むと
ダッシュボックスに投げ込んだ。
「悪いが、これが最後だから。ひとつ確認したいことがあるんだ。
吉田さん。」
「主犯の末永が死んでいるのに・・随分熱心ですね。」
「まあ。熱心にやってちょうどのショウバイでね。」
わああああと吉田は、大きな欠伸をして両手を頭の後ろで組んで
思い切り背中を伸ばした。
「無声映画同好会ってもう九州理科大学で廃部になったらしいね。」
「ああ。そういえばそういうサークルありました。」
「何か思い出さない?」
「うん・・・何も。元々幽霊部員だったから。私は。」
「死んだ末永君も入っていて、季刊の同人誌なんかに『忠治旅日記
を東京フィルムセンターに観にいく旅日記』なんて批評文を投稿して
るんだけど、ご存知ですよね。」
「ああ、はい。はい。思い出した。二年生のとき一緒に東京に映画
めぐりしたことがあった。確か私は、チャップリンが好きでその
サークルに入ったんです。そしたらやけに日本の無声映画に詳しい男
がいて、それが末永だったんですよ。幻の名作が上映されるんで会で
みんなで行った記憶がある。」
「では、『生ける刃』という映画は?」
「いや。知らないですけど・・」
「そうですか。昭和6年。新興キネマ製作。
万城目貞男監督。つい最近まで存在しないと言われていた時代劇
の無声映画です。」
「いや。まったく。」
「九州のフィルム収集家から8年前に盗難届が出てまして。
伏見建二さんという。」
「フィルム収集家?」
「古い映画のフィルムを集める趣味人というか愛好家というんですか。
この人たちの集まりは、特殊な世界でお互い名前と大まかな住所
しか知らせないらしいんだ。そして持ってないものを手に入れたい
ときは、公衆電話でやり取りして絶対にフィルムのある山の中の
蔵や倉庫の在り処は、教えないし、聞かないことが暗黙の了解に
なっているんだって。」
「公衆電話?」
「たとえば京都の烏丸通りでバスを降りたら、右手の電話ボックス
の電話機の裏に張り紙があるから、その紙に書かれた通りの児童公園
に行き、そのトイレで待っていろ・・とか言ってやり取りする・・」
「まるでサスペンス映画ですね。」
「目ぼしい映画フィルムがあっても、必ず併せと言って短編や半端
な作品が何本か混ざったものも一緒で取引されるんだそうだ。」
「その人たちって映画館の経営者とかですか。上映作品
を集めるとか・・・」
「いや、売り出す人には、館主などいるみたいだけど、収集家は
主に高齢の地主とかお金持ちじゃないと一回の取引で何百万
ということもあるそうだから。」
「上映するんじゃないんですか。」
「偶にひそかにやることもあるらしいけど、ただ昆虫採集みたい
に自分で収集して楽しむんだそうだ。」
「へーえ・・・・」
と吉田は、長い溜息をついた。
村上は、自分で聞き書きしたメモをファイルから出して、
しばらく目を通して黙った。
そしてようやく顔をあげた。
「末永栄一から何も聞いていない?」
いままでとがらっと変わって冷たい声で聞いてきた村上の目は、
威圧感のある鋭い光を放っていた。
「いやあ。・・本当っす。何も・・」
「その盗まれた『生ける刃』が末永君の遺品の中にあった。」
「・・・・・・」
「横浜の富所さんというフィルム収集家に聞いたら、そのフィルム
の持ち主は、そのフィルム収集のネットワークでは有名な人だった
らしい。もうその方は、病気で亡くなられて先月ご遺族の家に
手続きをとってそのフィルムが返送されたよ。」
「末永がそれ、どうやって盗んだんですか。」
「それは、わからない。」
「私は、そんなフィルムの盗難になんか関わってません。」
「そうか?」
「本当です!会社もクビになってこれ以上前科が
増えるのいやですよ。」
村上は、ぼっと吉田を見つめた。
いや、目の前にいる吉田智光ではなく、その向こうに
ある空虚を見つめた。
「あのー、吉田さん。末永栄一の本名をご存知ですか。」
「本名?末永じゃないんですか。」
「育ての親の教会の牧師さんの名前で、元の戸籍の名前は、
伏見といいます。伏見栄一です。」
「ええ?そのフィルムを盗まれた持ち主の伏見さんと同じフシミ・・」
「そうです。実の父親です。」

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鳩サブレーエルちゃんシーちゃんのおやつ手帖5

2007年07月20日 | 味わい探訪
鎌倉名物であまりにも有名。おみやげの豊島屋
ライブカメラで現在の鎌倉の門前の様子が見られます。
現在のライブカメラ中継
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ダレた撮影隊

2007年07月19日 | 写真コラム
駒沢公園は、有名人がよく走っているけど
テレビの撮影ロケもよく来ている。
この日は、子供番組のロケみたいで
少人数でダラダラメインストリートを独占してやっていた。
通行人が通れるようにサバクのがスタッフの仕事のはずが
ぼっとカメラの後で立ったまま。自分がそこにいるのが一番通行の邪魔。
しかもまわりに子役のママやお婆ちゃんまでいっぱいいて
覇気のないロケ隊でした。
 いつか見た映画の新宿駅前のロケは早かった。
鈴木保奈美もガッツ石松もいたけど誰も通行人は気づかず終わった。
うまいロケ隊は、嵐のように来て嵐のように去って行く。
今ここで撮影があったことを忘れそうに。
しかしどの仕事にもあることだけど
ダメな助手が将来立派な監督になる例は多々あり
まあ、怒られながらもがんばってほしいね。
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