風味絶佳

森永ミルクキャラメル。
遠足の定番だったキャラメルを良く見ると表に
滋養豊富と風味絶佳という漢字があることに、
このごろ気づいた。
この風味絶佳から小説になり、映画「シュガー
＆スパイス」になった。フジテレビの大多亮Ｐ
がつくったがイマイチだった。
柳楽優弥君と江尻エリカちゃんが勿体なかった。
これがさらに中箱を出すと、懐かしの風景シリ
ーズが印刷されている。今日買ったのはー、
＜路面電車＞の絵があり、自動車やオートバイ
と一緒に道路を走る路面電車。今日は家族でお
でかけです。
なんて書いている。
なかなかいいシリーズです。
一粒で２回たのしめる。
グリコが一粒、１００メートルの力のコピーなら、
森永は、一粒、ひとつのハートフルな郷愁ー、
ってとこですか。

崖っぷち犬

ラジオから便りが届いた。
徳島からの地方のニュースです。
゜昨年十一月に山の急斜面からレスキュー隊に
　よって救出されたいわゆる「崖っぷち犬」の
飼い主が１１人の応募者から徳島市内の主婦に
決まった。孫と相談して「りんりん」と電話
で決めた・・・」
ぼくは、それから散歩の途中で神社の階段から
落ちないように気をつけたよ。

カメラおじさんは、ため息一つして携帯ラジオを
切ったよ。
「崖っぷち犬にみんながココロを奪われるのは、
世の中崖っぷちを歩いている人を見てきたから
じゃないの。崖から落ちなければ、憎くてもバラ
バラにもせずセレブや歯医者の息子なんてもては
やされていただろうに・・・」
ぼくはできるだけ車も通らない広い道を歩いたよ。
りんりんちゃん、今度は崖に近づかずに
元気にいこうね。

梅が咲いた

　駒沢公園に梅が咲いたよ。
赤い梅、白い梅。
いっぱいある梅の木の１、２本が早々と咲いた。
すると公園のランニングコースを母さんと可愛
い男の子が走ってきて男の子が梅を見つけたよ。
「ママ、ほら。赤い花!」
「梅だね」
「今ごろから咲くのよ」
「ふーん。春だね。もう」
なんとも世界で一番春を待っているようなその
口ぶり。
(この後咲く桜と花見、そして新しい友だちと
の出会い・・)
ぼくは、朝日に輝く母子をみて、
日曜日の公園は、平和だね。
と思ったよ。

おれちん

驚いた。
ぼくが、ねこ先生の病院にいくと奥の部屋に
ものすごい奴がいた。
恐かったよ。「あ、あ、あなた、誰?」
「おれちんダス」
「どうしたの?」
「おれちんは、骨折したダス」
「痛そう」
「痛くて、痛くて看護婦さんを噛み、ねこ先生
を引っ掻き病院中暴れ回ってやったら、首に
カラー巻かれこの様ダス」
「大変だったんだね・・・」と近づこうとする
と先生の奥さんが来て、
「めんちゃん、ダメよ」と抱き上げられた。
しゃああああー!おれちんの爪が隠し剣みたい
に僕の顔をかすめたよ。
「目の大きな小型犬は、猫ちゃんといっしよに
出来ないの。絶対よ」
ぼくは、奥さんからカッパ姉ちゃんに引き渡
されたんだ。そして目をパチパチするのが
やっとだった。
「一瞬で目がつぶれちゃうでしょ」
ぼくは、ケージに入れられた。
おれちんは、奥の部屋から痛いのかううー、
ううーと唸ってたよ。
ビミョーに笑ってるようにも泣いてるよう
にも聞こえたよ。
「おれちん・はやく・かえり・たい・ダス」

緑道のはじまりに

小川が流れる緑道のはじまりにこわいワン
ちゃんがいつも立っているよ。
ちょうどこの町唯一になった銭湯の前なんだ。
どうしてこいつがいるのかわからないけど、
ぼくは、大きくて黒いこいつが怖くていつも
吠えてたけど固くなって動かないことがわかって
平気でおしっこかけるようになっちゃったよ。
だいたいなんでいるの?って見上げていたら、
カメラおじさんが言ったよ。
「何でも入り口には、怖いもの置いて　中に入っ
てくる外敵から守るんだ。神社の狛犬と同じさ」

あいつ

ひとを見れば、ガリガリ咬んでいたあいつ。
抱かれるのにおびえて泣いていたあいつ。
閉じ込められるのがイヤで暴れまわったあいつ。
何も見えなかったあいつ。
世界は、ただの壁だったあいつ。
乳の匂いのする母親から離されてさびしかった
あいつ。
すべてが敵だったあいつ。
君を愛したひとを悲しませたあいつ。
二年がたち、
今では、カケガエノないひとになったあいつ。
あいつは、今日も元気に走っている。
そしてペロペロと恩返しをする。
あいつは、あいつだ。
そして世界は、すこし広がった。

お行儀ワン子

久しぶりにカッパ姉ちゃんとゆっくり散歩に行
ったよ。
町のスーパーの前に可愛い黒いわんちゃんが
いたよ。大人しくお母さんが買い物している間
待っていて、誰でも愛想がよくお利巧なので
カッパさんが
「めんとは大違いだね。すぐ怯えて吠えたりし
ないし・・」
とぼくの頭を切なく撫でたよ。
ぼくは、悔しかったけど、「君はいい子だね」
って黒ちゃんに聞いたんだ。
そしたら大きな目をくりくりして言ったよ。
「気持ちよく生きるって、出来るだけ敵をつく
らないことやないね」
うーん。こいつ大人だなあ・・・・
とぼくは思ったわけよ。

それでもボクはやってない

昔地面は平らにつながっているから海を渡れば、
その先は滝にでもなっているのだろうと思って
いた人たちが突然地球は丸いんだと言われ、シ
ョックを受けた。
　ぼくらは、共通の認識の基盤の上で生活して
いる。しかしそれが違うとなると不安なになっ
てしまう。
映画「それでもボクはやってない」はそんな
怖い映画だ。
実はぼくたちの世界は「とりあえず・・」の
世界なのだ。
悪いことをしたら犯人は裁判所で罰せられると
思っているのは、とりあえずそういうことにな
っているに過ぎない。
決して絶対の真実が暴かれるわけではない。
ジェットコースターに乗ったようなドキドキワク
ワクの映画もあるが、本当の裁判所ってこんな
ことになってるのっていう驚きと不安の体験が
できる今までない映画だった。
とにかく単なる法廷劇ではなく、不思議な感じ
にさせられる珍しい映画で是非体感してみては
どうでしょう。
それでもボクはやってない

囚われのMe

　年が明けてからずっとねこ先生の病院は、
テンテコマイ。

入院三匹。安楽死のワンちゃん一匹。
毎日のように手術。

なかなかぼくは、出して貰えず、昼休みに
自由に診察室で

遊べないわけで、テレビの神楽坂で働く二宮くんのように

忙しく仕事をするカッパ姉ちゃんをただ見つめ
ているのみで、

今日も退屈な一日になりそうです。

拝啓、おじいちゃん。

ぼくは、でも正月からずっと入院して喉に
カテーテル入れて

瀕死で頑張ってる猫ちゃんの境遇を考えれば、夕方までは

辛抱しなければならないと思うよ。

注)神楽坂の二宮くんとは、フジテレビで放送している倉本聰脚本の「拝啓。父上様」です。拝啓、父上様

黒井健絵本展

銀座に「黒井健絵本展」を見に行ってきました。

人が多いのに少し驚きました。

松屋も新しくなっていました。

独特の絵のタッチにココロ惹かれます。

特に「手ぶくろを買いに」の原画と、作者の故郷・

新潟を描いた画集が良かった。

いつか高原の美術館・黒井建絵本ハウスに

行って見たいと思いました。

名犬めんちんちん

ぼくは、どうしておじいちゃんが大好きなの
だろう。玄関におじいちゃんがくると、
すぐにわかるよ。
またいろいろ野菜やイチゴを持って来てくれた。
そしておじいちゃんの古い8ミリフィルムを
ビデオにするんだとカメラおじさんと町まで車
で行って、カメラ屋さんを探して迷いながら
一緒に歩いたよ。
でもなんとなくここでせっかく会えたおじい
ちゃんと別れるんだ! と思ったよ。
やっぱり用事が終わったらおじいちゃんは車で
行っちゃった。
ぼくは、悲しくてワンワン泣いたよ。
珍しく大通りを吠えながら延々と歩いたよ。
「めんは、おじちゃんが一番好きなんだなぁ」
どうしてぼくは、おじいちゃんが大好きなん
だろう。

風花

東京に今年初めての雪だろうか。
小さな綿の子のような白いものが降っては
消える。
地面に着地するかしない内に消えてしまう。
関東では、晴れていてもこういう散らつく
雪を風花という。
今日は雪にならないだろう。
何かになろうとしてならない内に、或はなれ
ない内に世界からいなくなってしまう雪の子。
しかし本当はここに見切りをつけて
次の世界へ行ってしまったかもしれない。

ひとめぼれー恋するキモチ

ぼくは、よく散歩の途中で烈しく匂いを嗅いで
口をパクパクさせてしばらく震えることがある。
それは、メスのおしっこの匂いを嗅いだとき
なんだ。
どうしてそうなるのか、ぼくにもわからないよ。
公園で気の合うワンちゃんとノリッコもする。
ときどきそれが激しいんでカッパ姉ちゃんを困
らせるよ。
　今朝カメラおじさんが新聞を読んでいて
「そうか！」とぼくの目をのぞきこんだんだ。
「アメリカで一目ぼれのカップルを調査した
ところ、５５％が　結婚して、しかも離婚率が
普通の結婚の半分だった。」
おそるべきひとめほれ！ぼくは鼻を鳴らしたよ。
「一目ぼれのカギは、匂いだそうだ。動物は
より免疫力の強い子孫を残すため、免疫型の違
う相手を選ぶ。その決め手が匂い。
　人間の実験で女性に男性のＴシャツの匂いを
嗅がせてどれがセクシーかってやったところ。
免疫型の違う男性になったそうだよ」
そうか、ぼくがクンクンしてメスの匂いにクラ
クラしてしまうのは
そういうことだったのか・・・
・・ぼくのホンモノの恋は、いつ来るのかな・・。

マルサの犬

　たぶんだよ。誰にでも癖や弱いところなんか
あるんじゃないのかな。
それをやられるとどうしても反応してしまうよ
うな。でも、だからって笑うことないよね・・・
気にかかるものがあるから、ついつい気持ちが
向いちゃうんだから。
　それがぼくにとって「マルサの女」とかいう
映画なんだよ。　
テレビ画面からあのテーマ曲が流れてくると
ぼくは、居ても立ってもいられな無くなり、
つい画面を見つめて、「自分もこれからガサ入れ
に一緒に行く」ような気になるんだ。
チャーチャラチャーララ、チャンチャン・・・
特に丹波哲郎の所長が全員にガサ入れ宣言して、
みんなが出発していく所。
ぼくがあまりにも真剣に見つめるもんだから、
おじさん笑いながら何回も同じとこ再生してあの
曲を流すんだ。笑うなって・・・!
でも。もしかしてぼくは、捜査犬に向いてるかも・

実戦配備

　この一週間、余り散歩に出れなくて
やっと今日は、カッパ姉ちゃんとお出かけでき
ると思ったら、この雨。
　ぼくは、メキシコ系寒がり族横浜生まれの
世田谷育ち。
できれば自由に走り回り、寒さや雨のない乾燥
した高原の陽の照りつける木陰で午後は、食後
のテキーラを飲んでシエスタ。
夜は、サボテンの月影で愛の語らいーという
日々を一年中送りたいところだけれど・・・・
　とてもそんな身分じゃないよ。
仕方ないからせめて買って貰った雨カッパでも
着て行きますっう。
実際に雨の日に使うのは、二回目だよ。
どうしてこうも涼しいポンチョと似ているよう
で着心地が違うのだろう・・？