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ある日カッパ姉ちゃんとカメラおじさんの家に一匹の子犬がやってきた。
日々のうつろいの発見と冒険を胸に生きていこう!

こちらにも親子が

2007年07月13日 | めんちゃん日記
いつもの緑道の川にもカモさんが
二組の親子を誕生させているよ。
雨でもスイスイ仲良く泳いでいる。
でもね。
毎年カモのおかあさんが10羽ぐらい生んで
育つのは、3羽くらい。

カラスがこどものカモちゃんを狙っているから、
夏までに数が減っちゃうんだ。
よくねこ先生の病院にもケガしたカモさんをつれてくる
にんげんの子供がいるけど
だいたい助からないよ。
そっと親のいる川に返してやってって
ねこ先生、教えてやるんだ。
だから生き残ったカモちゃんは、運と自信をもった顔しているね。

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愛するココロー17ー

2007年07月13日 | 投稿連載
         愛するココロ  作者 大隅 充
               17
市街地から少し外れた川沿いに古い旅館を建て回してビジネスホテル風
に改造した簡易鉄筋のホテルに由香とトオルがチェックインしたのは、
夜十一時を回っていた。
 受付の当番支配人が汗まみれのふたりを胡散臭そうにじっとと見つめて、
商売気の欠片もない機械的な声で二人の泊まる二つの部屋のバスルームは
給湯が故障していて、一階の大浴場はあと40分でお湯を落とします、
と早口に言うのでトオルも由香も慌てて荷物とエノケン一号を部屋に
置くと大浴場へ飛び込んだ。
誰もいない男湯でトオルは、開放された気分でぐるぐる泳ぎ回る余裕があったが、
その板一枚隔てたやはり誰もいない女湯では、由香はお湯の中に顔を沈めて
なかなか浮いてこなかった。そしてやっと浮いて来たて思ったら、
思わず涙が溢れ続けてとまらなくなった。
なぜこんなに悲しいのか自分でも訳がわからなかった。自分にこれほど人間
らしい感情が残っていたことに一頻り泣き終えてから、我ながら驚いた。
 浴室に隣接する自動販売機とソファだけのラウンジにふたりが腰をおろしたのは、
もう零時を過ぎていた。
由香は自販機から二本の缶ビールを買って一本をトオルに渡した。
「トオル君。飲む?」
「サンキュウ。」
ビールを受け取ってトオルは、一気に喉に流し込んだ。
「エノケン一号は?」
「いま私の部屋で充電してる。」
「オレ、もう灰になったエノケンしか知らないんだけど・・
百歳まで生きて幸せだったのかな。」
「あの可愛いおじいちゃんのイメージと過去とが結びつかないんだけど・・・
幸せだったと思うよ。きれいな死に顔だったもの。それに晩年ずっとやってた
小学校の用務員の仕事がウマが合ってたのか、亡くなったと聞いて花を持って
きた小学校の先生もいたぐらいだから。」
「結構慕われていたんだ。」
「カトキチの話だと、小学生の子供にも人気があったらしくてその子供たちが
成人して結婚式にエノケンを呼んだことがあって、エノケンおいおい親御さん
より泣いて祝福したこともあったみたい。」
「ふーん。第二の人生は、慎ましかったんだ」
そのとき由香の携帯が鳴った。
「ああ。お姉ちゃん。」
電話は、姉の久美からだった。
「さっき加藤先生に電話したら、直接由香たちに情報を伝えてって言われたけん。」
トオルは、ビールの泡を喉に引っ掛けながら小さな声でパントマイムの
ような口バクで由香に尋ねた。
「お・姉・ち・ゃ・ん?」
由香は、電話押さえてそう!と頷いた。
「昨日病院の定期清掃があったとよ。そしたらエノケンのベットの下から
新聞の切り抜きがでてきたっちゃ。」
と久美が報告した。
「切り抜き?」
「伏見建二という人が戦前の埋もれた無声映画を発見。上映会をやるという
ものなんだけど。それがよっぽど大事だったのか丁寧に額に入れられとうと。」
「いつのもの?」
「平成7年だから12年前の。」
「お姉ちゃん。字は?伏せるに見る。建築の建に数字の二。わかった。ありがとう」
ピポロロンー。トオルの携帯にメールが入った。
「ああ、先生からだ。」
「読んで」
「伏見建二という人が見つけたフィルムは、西のエノケンが京都で新興キネマで
主演した唯一の短編映画「生ける刃」である。よって充電が終わったエノケン一号に
「生ける刃」というキーワードを入力されたし。」
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