雨雲におおわれた曇天。
蒸し暑い。
そんな多摩川で気持ちよく泳いでいる犬がいる。
川沿いに休憩中のタクシーのウィンドーが開いた。
二子玉で生まれ育って60年というタクシーの運転手が
「俺たち、まだ二子玉の遊園地もなかったガキのときは、
よく多摩川で夏泳いだもんだ。
今リバーサイドマンションとかお屋敷とかでいっぱい
だけど元はみんな田んぼだったんだよ。」
そう言った白髭の運転手さん、シートを倒して寝てしまった。
「夕方に起きて朝まで働かなくちゃなんねえんで」
川を泳ぐ犬がタクシードライバーの夢の中で
こどもの自分に入れ替わっているのかもしれない。
蒸し暑い。
そんな多摩川で気持ちよく泳いでいる犬がいる。
川沿いに休憩中のタクシーのウィンドーが開いた。
二子玉で生まれ育って60年というタクシーの運転手が
「俺たち、まだ二子玉の遊園地もなかったガキのときは、
よく多摩川で夏泳いだもんだ。
今リバーサイドマンションとかお屋敷とかでいっぱい
だけど元はみんな田んぼだったんだよ。」
そう言った白髭の運転手さん、シートを倒して寝てしまった。
「夕方に起きて朝まで働かなくちゃなんねえんで」
川を泳ぐ犬がタクシードライバーの夢の中で
こどもの自分に入れ替わっているのかもしれない。