まじ卍

生活の中で気が付いたことを書いています。

警察署での思い出

2023-11-09 | 感想
私は若い頃はオートバイに乗っていた。
真面目すぎた高校時代にはオートバイは不良の乗り物だと
決め付けてきたが、田舎の大学に入り移動に楽だからと
原付免許を取って以降、オートバイに乗るようになり
80ccから250ccまでいろいろなオートバイに乗ってきた。

大学生の頃のこと。
警察署の前にある信号で信号待ちをしていたら、
ひとりの警察官が警察署から出てきて、
私に向かって手招きをしている。

私は「なにか違反でも犯したのだろうか?」と考えながら
警察官に促されるままにオートバイを警察署に止め、
警察署の中に入り、応接室の椅子に座らされた。
すると警察官は私に向かってこう言った。
「この花を生けてくれているのは、君だろう」
と言って、コーヒーを淹れて下さった。

当時の私は華道部に所属し、毎週自分が生けた御花を
そのまま処分するのはもったいないと、
先輩の勧めで警察署の待合室に展示していたのだ。
ちなみに高校時代は近くの公民館で茶道を習っていたこともある。
両親が共に茶道も華道もしていた影響もあって興味があり
私も習うことにしたが、華道についてはセンスがなく
ナチュラリストの私には、師匠が言う
「一番きれいな時期にその花を切って生ける」ことよりも
野山に自然に花々が咲き誇り、そして枯れていくことの方が
自然で美しいという価値観は受け入れられず
大学卒業以降は花を生けたことはない。

今にして思えば、警察官と言えども信号待ちをしている私を
手招きをして警察署に招き入れ、コーヒーを淹れるなんて
到底考えられないことでコンプライアンス違反になりかねないが
長閑な田舎の町の警察署での出来事であり、
今にしてみれば懐かしい思い出である。