
今夜は鬼無里の湯という所での宿泊なのだが、
建物もきれいだし宿の方も気さくでこちら側としては気楽でありがたい。
ツインのベッドルームを希望していたが、車椅子利用者への配慮からか
異様に広い。荷物を置くと、すぐにお風呂へと急いだ。

ただ聞いていた話では、宿の向かいに宿専用のお風呂があり、
宿泊者は自由に入られると聞いていたが建物の中に浴室があり、
温泉とはいえクセも何もないただのお風呂という感じで、
露天風呂もなく温泉感に欠ける。
ただ薪で炊いているというので、なんだかよく温まる気がする。

部屋のベランダからは、茅葺の水車小屋のような建物が見える。
いつもだったら入浴の前に遊びに出るのだが
送迎車の運転手から聞いていた「うるり」が怖くて外出を控えて
建物内で過ごした。

夕食は比較的早めに食堂に来たが、少なめのコースを選んでいたため
他の宿泊者とは異なるメニューで、一番最後に届けられた。
どうやら少なめのコースを選んでいたのは私たち夫婦だけで
皆さん豪華な料理を食べておられたが
少なめのコースだからといって見劣りのする料理ではなく
ひとつひとつに手間を掛けてあり、が量的には充分で
なにより見た目にも美しい。
美味しさに惹かれてつい日頃は飲まないビールも頼んだが、
普段呑まないせいか、中瓶一本だけで酔っ払ってしまった。

部屋に戻るとそのままの格好でベッドの上に倒れ込んだ。
その後、めっちゃ汗をかいて目覚めた時には入浴時間を越えていたので、
諦めて浴衣を着替えて布団を干す。
新しい浴衣を取りに行こうかとも思ったが、
廊下に出るためにわざわざ服に着替えるのも面倒なのであきらめたが
翌朝一番にお風呂に行く時に、部屋を出た所に浴衣があった。
酔っていたせいか、もっと遠くにあったような気がしていた。
(いや、寝ている間に移動したのだろうか?)