まじ卍

生活の中で気が付いたことを書いています。

田中のおばちゃん

2024-07-28 | 感謝
昨日のブログで、人のいい妻の話を書いたが
そういう人がもう一人知っている。
それが「田中のおばちゃん」という人で、
近所では有名なおばちゃんであった。
おばちゃんはいつも買い物かごを持って買い物に行くんだけれど
道で私や妹、従兄、近所の子どもなど知った子どもに会うと
買い物かごの中から何かをくれる。

おばちゃんの家の前で買物から帰ってきたおばちゃんに会っても
いつも買い物かごから何かをくれるので、
妹なんかは、おばちゃんはそれが必要だから買ってきたのに
それをもらうのは追い剥ぎに遭うようなものだと
よく拒んでいたが、それでもおばちゃんは何かくれる。

商店街でおばちゃんと出会った時も買い物かごから何かくれるのだが
まだ何も買っていない時に出会うと、何かを買ってきて
わざわざ追いかけてきて何かをくれる。

用事があっておばちゃんの家に行くと
「ちょっと待ちや」と言って家の中を探して何かくれる。
私も子どもの頃は嬉しかったが、年齢が上がるにつれて
そんなに無理にもらわなくてもいいと拒んだり
待たずに黙って帰ったこともあるけれど、
そんな時はおばちゃんは我が家にまで来て、なにか置いて帰る。

おばちゃんがくれる物は、お菓子やお惣菜などがほとんどで
ソーセージやかまぼこなんかも多かった。
おばちゃんとこの子どもが小さい時に遊んだようなものももらった。

またおばちゃんは、人からもらったと言って半分おすそ分けにくれた。
そんな時、ふつうなら「つまらないものですが・・・」というところを
「これ、美味しいでえ」と言って持ってくる。
自分が頂いた喜びを他の人にも分けることで、喜びを分かち合う
これこそが究極のボランティア活動と理解した。
しかもせっかくもらったものを「つまらない」というよりも
「美味しいでえ」という方が作った人にももらった人にも失礼にならない。

そんなおばちゃんも昨年亡くなられた。
亡くなる直前に妹が病院へ面会に行くと
「ミカンが足元にあるから持って帰り」と言われたけれどミカンはなく
それでも「おばちゃん、ありがとう。もらって帰るね。」と別れたのが
最後の会話だったという。

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