客テル2004 by 父上

「続 ハートで鳩を」

野生動物には繁殖期があります。子供が一番育ちやすい季節に誕生するよう、
逆算して交尾受胎するんですが、鳩は一年中繁殖期です。
まるで人間と同じですね。
我が家では白小鳩がいなくなり少しがっかりですが、残っていた松の手入れが出来て、庭がさっぱりしました。
かたや梅の木のキジ鳩は、雛が二羽元気に育っている様子。
親鳥はヒナを巣に残し、せっせと餌取りに忙しい。
餌は口に咥えて持って来るのではなく、一旦自分の胃袋に飲み込んで戻ってくる。
ヒナが親の口ばしを突ついて催促すると、飲み込んだ内容物を口まで戻す。
ヒナは親の口中に顔を入れて食事をする。
よく観察しているでしょう。暇だから------。
ところが口移しは成鳥達もやっているのです。
鳩は電線がお気に入りらしい。おひまなオスは1日中、見晴らしの良い電線に止まり、デデポッポデデポッポと鳴いている(私にはそう聞こえる)。
美声と雄姿をピーアール。すると何処からか、メスがやって来る。
又はメスを見つけて1メーター近くまで寄っていく。
どちらの場合もここからは同じだ。
オスは首を上下にゆすりクッククックと声を出しながらメスに接近する。
その気のないメス、好みでないオスの時は、横へ横へと逃げるか何処かへ飛んで行くが、男好きのメスもいるんだ。
甘えてオスの口を突つく。
待ってましたとばかりにオスは、喉からメスをその気にさせるエキスを出す。
ヒナ鳥が親から餌を貰うように、メスは食べる。
これで商談いや縁談でも婚約でもないHの交渉成立だ。
一呼吸おいてオスはメスの背中に乗り交尾終了。めでたしめでたしだ。
さてこのカップルが、やがてマイホ-ムをつくり子育てするとは限らない??から鳥の世界も面白い。
6月20日親鳥の留守を確認し、大急ぎで梅の実を採取した。
大粒の梅3キロも取れたので、今年も梅干をつくろう。先づは塩漬けに。
2羽のヒナは雀ほどの大きさで太っていてグロテスク。
可愛くないが静かに親の帰りを待っているいい子だ。
最近父親が帰らなくなったようで気がかりだ。近くでデデポッポやっているのが本人らしいが(鳥に本人は変だが)そんな気がする。
浮気とか不倫は人間社会のことで、野生動物にはあてはまらない。
仲睦ましい夫婦、いつも二人寄り添うラブラブ夫婦を昔からオシドリ夫婦と云います。秋になると渡って来るあの水鳥で、美しい姿とペアーで行動する様子は、人間夫婦のお手本であり、あこがれなのでしょう。
ところでロシアの鳥類研究家が、子育て中のオシドリ数組をDNA鑑定で親子関係を調べたところ、何と3割もの子供が、今育ててくれている父親(オス)以外の子であったと発表しています。驚き桃の木山椒の木ですね。
メスはいつどこで浮気をしたのか、オスは知っているのか知らないのか、セックスと巣作り子育ては別問題なのか、この問題、人間社会に持ち込むと事件になりますね。
話はキジ鳩でした。ヒナは順調に育ち大きくなり巣から顔を出して餌を待っているので、怖がらせないため出来るだけ近づかないようにしていました。
空梅雨の6月も終わり、7月いよいよ夏本番です。
10日の朝何気なく梅の木を見上げる。鳩がいない。野良猫にでもやられたかと周りを見てもそんな気配はない。巣立ちしたのだ。良かった良かったと一安心。
梯子を持ち出し巣の中を見る。置手紙もなければ何も無い。ただおびただしい糞が白く乾燥しているだけ。あっけない幕切れでした。
私のハ-トがハトに通じたか?は別として、野生動物と人間が共生できるよう、
これからも自然を大切にしたいと思います。楽しませてくれた鳩さん有難う。  

                 完
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