ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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フローレス・フローレス・フローレス♪

2011-07-08 09:30:49 | ドイツのこと


フローレスのリサイタルのプログラム。です。



えへへへへへへへへへ…

☆      ☆       ☆       ☆        ☆        ☆

去年、ガスタイク(うちの近所にあるコンサートホールです)でリサイタルやるはずだったんですけど、体調不良でドタキャンになっちゃったんですよ。

で、ヘコんでたら、何と、翌年…つまり今年に、リベンジリサイタルをやってくれるとの事…!きゃー素敵~かっこいーイケメン~ぎゃあああ
それが、七月五日でした!これがあるから私は、1日にドイツに帰国したんですよ!

あぁフローレス。看板に偽りなしの素晴らしい歌手でした…

あまりに衝撃的だったので…忘れたくないので覚書がてら。プログラムは、こんなんでした。



☆           ☆         ☆         ☆        ☆          ☆

チマローザ 『秘密の結婚』
"Pria che spunti in ciel l'aurora…Come poi s'avrà da fare"

ロッシーニ 『オテッロ』
"Che ascolto ahime...Ah, come mai non senti"

ロッシーニ 『セビリアの理髪師 』
"Cessa di piu resistere"

休憩。で、


F.A Boieldieu  『La dame blanche』(これ知らないです…。)
"Vien gentille dame"
ではじまって、

Verdiゾーンに突入。

ヴェルディ『リゴレット』
"Questa o quella"
"Parmi veder le lagrime"


『Un Giorno Di Regno 』(一日だけの王さま)
"Pietoso al lungo pianto…Deh Lasciate A Un'alma Amante"


☆           ☆         ☆         ☆        ☆          ☆

でした。
ちょっと少ない…て思ったんだけど。アンコールが三曲だったので、満足~

いやあ、それにしても他パートの曲ってタイトル見てもわかんないですね(笑)
で、始まった途端、あ、この曲か、てなる。…私だけですか、そうですか。
最後の一日だけの王さま、て、ヴェルディですが、よく知らなかったです


あ、そうそう、もちろんアリアの間にはオケだけの曲が入ってますよ。長くなるからオケ曲は省略しましたが…

またオケが~もうすっっっごい!!良かったんです~
今まで聴いたオケの中で最高に良かった。全てにおいて隙のない布陣。小規模だけどダイナミックで、もう完璧。
タイスの瞑想曲ってあんなに良い曲だったのか…
マジで感動しました…
バイオリンが…美しい…美しい…泣
深くて、ただただもう美しい…美しいだけのものも…すっごい素敵…

で、フローレスはと言いますと。前半はセーブしてる感じもあって、何かなあ…と思ってたんです。でもやっぱアジリタすごいなー。高音もすごいなー。
あんなできる人っていないよなー、さすがだなーとか思ってたんすよ。
そしたら。
後半のリゴレットから馬力入ってきまして。おぉ…!?て感じになってきまして。 しかし、途中で隣のおじちゃんが、どの曲だかで「何で最後上にあげないんだぶつぶつ」
とか言ってました(笑)
でも実際、そんな感じで、一番最後でもお客の盛り上がりは七割くらいな感じでした。お客もわりと喜んでたものの、まあ、こんなもんかな~。やっぱ期待値高すぎると良くないのかなーといった雰囲気でした。

でも。
こっからでした~(笑)

アンコール。

フランス語のロミジュリ、
グノー『ロミオとジュリエット』
"Ah! leve-toi soleil"

ここらから、いきなり全力に(笑)
『おお、抒情的なのもうまいよね』と、隣のおじちゃんのコメント。 …ちなみに隣のおじちゃん知らない人ですww


んで。アンコール二曲目始まる時、 フローレスが唐突に英語で話し出したんです。
「~なんちゃら、 ~mon ame歌いま~す。」

とか言ってまして。
突然のことだったので、客席に、
ん?ききとれん?何だっけその曲…とにかく、フランスものか?ベルカントものじゃないのか~つまんないの…

と言った空気が流れました。 ええ、流れましたよ、確実に。一瞬、ガッカリ…て感じがありましたもの。



前奏流れた途端、うおおぉぉおおおおおおお!!!
と、唸り声と、嵐のような拍手。

フランス語とはいっても、究極のイタリアもの!!
ドニゼッティ『連隊の娘』のハイC連発曲じゃないすか!!

”友よ、今日は何と楽しい日”でした。
原語だと、
”Pour mon ame quel destin”
てタイトルなのね。曲は知ってて、好きだったんだけど、タイトル覚えてなかったわ。(笑)

これです↓ クリックすると、フローレスのYouTubeにとびます。

友よ、今日は何という楽しい日

フローレス様全開。
待ってたわ~ ギャー

これが聴きたかったのよ!これよこれ!!

ちょいとざっくり解説しますと、この曲は、ソプラノにおける夜の女王みたいなもんでしょうか。(ざっくり過ぎ…)
凄まじい高さの音が何回も出てくるという、テノールにとっては至難のアリアなんです。
もちろん、音の高さが全てではないけれど。やっぱりものすごい音域や素晴らしい技術というものは、体操やバレエなどでも圧倒されてしまいます。 大体そういう人は、技術以外も素晴らしいものがあるんですけれどね。


…それにしても、一体何人の歌手が、自分の「売り」の曲を、演奏会で歌ってくれるでしょう…
普段のその人と違うものが聴けるのは楽しいですが、でも、やっぱり「売り」の曲も聴きたいんです!お客はわがままですね。
フローレスはお客の心を本当にわかってくれている~
本当に幸せっっっ!
もちろん連隊の娘のアリアは当然ながら、お見事の一言で。 私の周囲の女性陣の目はハートになってた。いや本当に。
そして私も例外ではなく…(笑)

いやもー、かっこいいのにかわいいんですよ~! 顔が良いとか、そういうのもあるとは思うけど、とにかく雰囲気が良いの~。歌から出てくる雰囲気が。 聴いてると、本当に幸せになれるんです。
あー、私たちって、歌歌うの好きだから、歌ってるんだよなー、という根本を気付かせてくれるのがフローレスの歌というか…

で。
やんややんやで拍手が鳴りやまないので 、三曲目、最後に女心の歌を歌ってくれました。
その時には、既に三割くらいの客は帰っていましてね。(その位、残った観客がしぶとくアンコールをしていたの。)ドアの所に向かって、戻ってこーい!まだあるぞー!と叫ぶ優しいお客たち。


それにしても、聴いてるだけでハッピーになる歌っていうのがあるんですね。
いやー同じテノールでも、ミヒャエル・シャーデの時は、とっても良い!とは思ったのですが…こんな風には思わなかったのに。フローレス、何であんなに素敵なのかしらっっっっ

シャーデはたぶん、彼の歌のファンになる、て感じで。
フローレスは、彼自身のファンになる、て感じです…

家に帰ったとたん、パソコン開き、公式サイトにいって、年内のスケジュールを見て、11月のバーデンバーデンでのリサイタルのチケット買っちゃいました
うぅっ、楽しみっっっ!
ほとんど韓流の追っかけな気持ち…

日本にも行くんですねー。是非ご覧になって下さい!




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Return to Munich

2011-07-04 23:57:01 | ドイツのこと
気づいたら 帰ってきてた ミュンヘンに。

一句。
…うーんいまいち。
そんなわけで戻ってきてます、ミュンヘンなう。日記のタイトルは、「Return to OZ」という映画のパクリです。
↑何てわかりにくいパクリなんだ…!

ミュンヘン空港に降り立った途端、「うおお、寒い!何じゃこりゃあ
て感じで超焦りましたともさ。東京の夏に慣れていたもので…飛行機内のアナウンスによれば14℃だそう。とにかく、涼しいというより、寒い。慌てて着こみましたが。
三日ほどたって、時差も落ち着き、気温にも少し慣れましたね。


さて、こんなタイトルですが、今回の日記の中身は、日本滞在の時にやってたことをちょいと。

日本滞在は短い間に予定詰め込んだので、バタバタしてました
中でも自分の中で大事だったのは、先生方のレッスン。
今回お約束したのは、I先生と、奥様のY先生。
一番昔から習っている I 先生はもう高校生の頃からお世話になってますねえ。そして、奥様のY先生も、習うようになってもう10年くらいになるかなあ。ひえ~早い。
このお二人にレッスンしていただきたくて、ドイツからメールで約束させていただきました。
私もコレぺティの先生や、他にも色んな先生に本当~にお世話になってますが、昔から見て頂いてる方にレッスンしてほしい事もあるのです…

何故かというと、いま発声がすごい変わってしまって。いや…自分で意識的に変えた部分が強いんですけどね。
それが、自分の中でその声の出し方が良いのか確信が持てず、
いいの!?いいの!?これでいいの!? 

という感じで…なので、昔からの先生に見て頂きました~。

いやーもう今だから言えますが。

この声の出し方、違うって言われたらどうしよう…と、レッスンに行く前は悶々としてました。いやそしたら直すしかないんですけどね~…軌道がずれた発声を直すには一年は絶対にかかるし。
数年前に、発声が間違った方向に行ってしまった発声をみちみちと直してた時期、結局落ち着くまでに一年かかりましたね。
それでも自分では修正できたのは早い方だと思ったけれど…まあ指摘して直して下さる先生がいる分には幸せですけどね~。直らなかったり、気付かなかったりするのが一番怖いし。
その不安のあまり、レッスンの前の晩はなかなか眠れなくて悪夢見るし。(ミミズ型のモンスターに襲われる夢)

で、レッスンしてもらった結果、I先生、Y先生、どちらにも、声の方向は間違ってないと言って頂けました。

良かったあぁぁぁあああ 号泣
年齢が変わった分、発声も自然に変わったんでしょうね。それだけ確認してもらってドイツに帰ってきました。
は~やれやれ一安心。
あんな緊張したレッスンってなかったですよ~…もう緊張で吐きそうだった(笑)

そして、先生方がおっしゃるには、発声は年齢的に、25・30・35…(以下続く)と声の境目があるそうで。
それを上手に乗り越えていく事が重要だそうですがね…
特に女性は男性より顕著らしいです。

レッスン中、そんな話をしていて、 I 先生との会話。

先生「いまが声には大事な時期なんだよ!年齢の変わり目だからね~……あれ?まだ一応30代前半だよね?」

私「そーですね一応。」

先生「…34くらいだよね?」

私「…31ですが…」

先生「なーんだ~!じゃあ35の変わり目までまだしばらくあるね~あははははは

…先生、その三歳差は、この妙齢すぎる妙齢女子には重要。間違えちゃイヤ。


そんなわけで、ドイツでしっかり練習するのだー。おー。
なので、次のコンサートまで、今度は落ち着いて発声整えながら準備しまーす。




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