サウジアラビアのナイミ石油大臣が、同国の原油政策と政治的な関係を否定しました。
ナイミ大臣は、アラブ首長国連邦のアブダビで12月21日(日曜日)に開かれたアラブの産油国の会議で、「価格の下落は、主に、OPEC石油輸出国機構非加盟国の主要産油国の非協力、誤った情報、ブローカーの私欲に関係している」としました。さらに、「OPEC非加盟国の産油国は、最終的に新たな公正価格の保証に向けた協力の重要性を理解するだろう」と述べました。
ナイミ大臣は、北米でのシェールオイルの生産について触れ、「高額な費用を強いられている産油国は、自らの掘削作業を続けることはできない」と語りました。
原油価格は、ここ数ケ月5年ぶりの安値をつけ、1バレルおよそ50ドルとなっています。原油価格は、現在の生産枠を維持するというOPECの最近の決定を維持することを決定しました。しかしながら現在、サウジアラビアをはじめとするOPEC加盟国の一部は、市場の需要以上に原油を生産しています。サウジアラビアは、さらに、輸出価格を割り引いています。
アナリストの一部は、サウジアラビアの決定は、中東地域の問題の意見対立により、イランやロシアに圧力をかけるためのものだと見ています。サウジアラビアは、実際、最近の会議でOPECの生産枠の引き下げに反対した主要な国であり、アラブ首長連邦やカタール、クエートをこれに同調させました。現在、ペルシア湾の産油国はOPECの非加盟国が原油価格の下落を煽っていると非難しています。
現在、原油価格の下落は、産油国に大きな打撃をもたらしています。しかしながら、市場にバランスを生じさせるための機会を与えるというOPECの決定が、正しい戦略的な決定で、世界の経済にとって利益になるのかについては多くの疑問が残ります。
原油価格を下落させる可能性のある原因として、生産における投資の減少と産油能力の弱体化が挙げられ、それは最終的に世界の経済成長を制限するものです。その成長は、経済を危機や停滞から救い出すために必要なものです。こうした流れは、原油生産に依存するイスラム諸国に最大の打撃を与えることになるでしょう。こうした点から、原油価格の下落に向けたサウジアラビアの陰謀論は、政治的な目的を持つものと提示されているのです。その一方で、サウジアラビアの石油大臣は自国の原油政策は完全に経済の原則に沿ったものだと主張しています。ナイミ大臣は、「最近、一部の分析や情報では、サウジアラビアの政治的な陰謀について語られているが、こらは全く根拠がない」と述べています。しかしながら、これらの否定は、問題をはぐらかすための逃げの行為であり、日量1750万バレルを生産するペルシャ湾の6つの首長国を始めとする産油国にとって原油価格の下落の影響を減らすわけではありません。これらの国は、現在の価格を続けることで、原油収入の半分を失っています。こうした中、サウジアラビアは、外貨備蓄に頼り、こうした政治ゲームを開始しており、この政策がどこまで続くのかを見守るべきでしょう。
ソース:iran japanese radio 2014/12/22
[私のコメント]
原油価格の下落の本当の問題は、OPECに加盟していない国々による過剰な供給である。原油価格に対する石油市場の反応は、2015年の後半まではっきりしないだろう。原油価格の下落は、原油輸入国のわが国にはメリットだが、サウジアラビアとクウェートは、生産量を削減しない方針だから、この期間中にOPEC外の産油国はギブアップして、OPEC外の産油量は減少するだろう。