2014/08/16 奈良県高市郡明日香村にある都塚古墳の現地説明会に行ってきました。明日香村教育委員会文化財課と関西大学文学部考古学研究室が協同して行ってきました都塚古墳範囲確認調査の現地説明会で、普段は、見られない石室内部も見学できました。
[所在地:奈良県高市郡明日香村大字坂田小字ミヤコ938番地]
<アクセス>近鉄吉野線・飛鳥駅より、奈良交通明日香周遊バス乗車。「石舞台」下車、徒歩10分。
都塚(みやこづか)古墳
奈良県高市郡明日香村大字坂田小字ミヤコ938に所在する後期古墳です。正月元旦には金鳥が鳴く金鳥伝説があり、別名金鳥塚とも呼ばれています。都塚古墳は昭和42年(1967年)には関西大学文学部考古学研究室(代表網干義教)により発掘調査が行われ、玄室内には凝灰岩製の家形石棺と棺台の存在から木棺が追葬されていたことが明らかになりました。築造時期は6世紀後半ごろと考えられます。出土遺物には土師器・須恵器・鉄製品等があります。
墳丘は南から伸びる尾根上に位置しています。墳丘は礫などで構成された基礎層を整形した方墳で、最下段の法面には川原石を施しています。さらに上部の墳丘部分は段上にした石積みが行われています。この段状の石積みは四段分確認していますが、さらに数段増えるものと推定されます。規模については東西の調査区と北側の調査区で墳丘裾部を検出しており、これをもとに復元すると東西約41m、南北約42m、高さは4.5m以上、西側の見かけの高さは7m以上に復元できます。墳丘北部の裾部には幅1~1.5m,深さ約0.4mの周濠があり、北部の法面には人頭大の石材で護岸を行っています。
埋葬施設は石英閃緑岩(通称、飛鳥石)を使用した南西に開口する両袖式の横穴式石室です。規模は全長12.2m,玄室長は5.3m,幅2.8m,高さ3.55mです。玄室の中央には二上山の凝灰岩を使用したくりぬき式の家形石棺が安置されています。石棺の規模は棺身の長さ2.23m,幅1.46m,高さ1.08mで、内法は長さ1.74m,幅0.82m,深さ0.65mを計り、石棺の総高は1.72mあります。
*[参考文献]都塚古墳 2014年8月配布資料より
▼近鉄吉野線・飛鳥駅 ▼都塚古墳
▼都塚古墳概要
▼石室の内部の入口 ▼石室の内部
▼階段状の石積み・階段ピラミッド形