これは何でしょう?
タマネギを炒めているところです。タマネギ10個をフードプロセッサでみじん切りにして、特大中華鍋でひたすら炒めます。ガス台の前に椅子を置き、マンガなんかを読みながら、ひたすら2時間。最初は鍋に山盛りだったタマネギがだんだん小さくなり、あめ色になってきます-そう、「あめタマ」というヤツです。これがなければ、夢屋のカレーはできません。というか、これさえできれば、仕込みの80%は終わったようなもの。あとは、具材とスパイスを投入して煮込むだけですから。
しかし、夏に向かうこの季節、火の前の2時間はキツイ。喉はかわくし、体中タマネギくさくなるし。でも、味のベースを決めるこの作業、手を抜くわけにはいきません。これでだいたい、30人前くらいになるでしょうか。ともかく、「あめタマ」のかもし出す奥深い味わい、一度夢屋のカレーを食べてみてください。インドの庶民が食べているカレーは、シンプルだけれど「こくがあってキレがある」。日本のカレーとはひと味ちがうおいしさです。(辛さは多少抑えています)
夢屋カフェのおやつメニューで、そば粉のクレープ以外でよく作るのはシフォンケーキです。この時期、バナナの買い置きがどんどん追熟するので、その対策としてバナナシフォンを作ったりします。
1台のシフォンケーキを作るのに、卵が5~6個。小麦粉、砂糖、植物油との配合比を考えても、シフォンケーキに占める卵の役割は大きいと思われます。
そこで、卵ですが。
シフォンケーキの場合、黄身と白身を分けてより重要なのが白身。卵白が力を持っているか否かで、ケーキの仕上がりが全然違ってきます。新鮮で力強く盛り上がってプリプリした卵白じゃないと、しっかりしたメレンゲができないし、しっとりときめ細かなシフォンケーキにならないのです。
おやまのたまごの卵白は、ほんとうにすばらしい!この卵があればこそ、安心してシフォンケーキが作れるのですよ。
ちなみに、卵は鮮度が大事と言われ、よくスーパーなどで採卵日がシールで貼ってある卵を見かけますが、笑っちゃいますね。卵の鮮度は、産み立ての状態で卵の表面全体をおおっているクチクラという物質が守っているのです。一般に流通している卵は、出荷時に湯洗いするため、このクチクラが全部はげ落ちています。だから、洗った瞬間から劣化が始まっています。
「おやまのたまご」の卵は1個1個、生産者の山口さんが乾いた布で拭いて出荷しています。見た目汚れていますが、クチクラはしっかり残されています。「夢屋」では卵を冷蔵庫なんかに入れませんけど、届いてから1週間経っても、おやまのたまごの卵白はしっかり、こんもりと盛り上がってますよ。
夢屋から車で15分ほどのところにあるミナミ農園さんに、露地イチゴのつみ取りにいってきました。「いまごろイチゴ?」と思われるかもしれませんが、本来イチゴの旬は初夏です。栃木ではほとんどがハウス栽培なので、もうとっくに見かけないだけなのです。なぜみんな露地栽培をしないかというと、収穫の時期が入梅と重なるので、歩留まりが悪くてとてもじゃないけど「合わない」だけです。
ミナミ農園さんはつみ取り体験農園ですが、この時期お客さんは少なく、イチゴ畑は真っ赤に熟して「次の雨が来ればもう全部ダメになっちゃう」イチゴでいっぱいでした。ああ、もったいない!確かに雨に打たれて傷んでいたり土が着いたりしてはいましたが、つみ取って口にほおばると、実に香り高く甘いイチゴでした!ザルにいっぱいつんで、2kg1000円のところをかなり大幅におまけしてもらいました。写真、撮ったのに誤って消しちゃいました、残念!
うちに帰って、急いで洗って、大量にジャムを作りました。イチゴの香りが残るように、お砂糖控えめで煮詰めすぎない仕上がりです。かなりおいしいです!