夢屋だより

那須高原・古民家のカフェ夢屋より、カフェの新着情報・染め織りの記録、その他つれづれ日記などをupします。

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2009年06月08日 | ゆるゆる日記

このところ毎日とにかく忙しいです。

時間がたりない・・・。

5月末には山田和也さんの演出する『ミーアンドマイガール』(略してミーマイ)の仕込みを見せて貰いました。

回転舞台ガーッとセリがバーッとで、もうすごいことすごいこと。

今回は照明家さんと美術家さんに直接質問することが出来、今まで知らなかった新たな世界をかいま見た気がしました。照明プランやセットの模型も見せてもらえ、それが現在進行形で舞台の上に出来上がってゆくのを見るのは感動的でした。

仕込みの見学は、客席の隅の方の邪魔にならない所に座って、ひたすら舞台を眺めるというものですが、和也さんが時々戻ってきて隣に座るときに気になることを質問することができます。

雀「先生あの仕掛けって、どうやって動かしてるんですか?」

和也「え~、それは教えられないなぁ。」

ちょっと意地悪です。

でも、「セリがすげーすげー」言っていたら奈落を見せてくれました。帝国劇場では現在、大中小合わせて6台のセリがあり(多っ)、それらは二段構造になっているため地下6階まで(深っ)ぶち抜いた巨大な縦穴を上下しています。しかも回り舞台になってるから、回るんですよこれが。円筒型回り舞台と言います。

もう、スターウォーズとかサンダーバードとかエヴァンゲリオンとか、そういう感じ。何かが発進しそう。

セリといえば、オケピ(オーケストラピット)も昇降するんですよ。雀、初めて見ました。公演でどういう風に使われるのか・・・気になる。

この日は役者の台詞や歌、曲をかけての転換もやっていて、見ていてかなり面白かったです。で、今回知ったこと。

舞台って結構アナログなんだ。

たとえば小さいセットが回るとか動くとか、扉が閉まるとか開くとか。ミュージカルを観ていると、動きがきれいに揃っていて無駄が無くて、「きっと機械で上手くやってんだろな」と思っていたものが、実は大道具さんが後ろで動かしていたということが判明。

やっぱりどうしても動きが合わない所もあり、色々工夫して何回も何回も練習して、ほんの数秒っていうシーンを4時間くらいずっとやってる。ステージマジックはスタッフの汗と涙で支えられていたのでした。

客として観ていたときは「俳優ってすごい!」って思っていたけど(もちろんすごいんだけども)、照明や音響、装置などのスタッフやその他大勢の人間に支えられて、初めて役者は舞台に立てるんだなぁと実感。むしろ舞台の上で拍手を浴びられるのは俳優だけというのは、何だか理不尽な感じさえします。

今度舞台を観るときは、ぜひその裏のスタッフにも拍手を送って下さい。

この日は結局、12時から23時まで11時間も帝劇にいたワケなんですが、全然飽きませんでした。次の日に学校がなかったら朝までいたと思います。

なんせ帝劇は雀の聖地。6年前にこの場所で初めて本当に感動したチビっ子が、同じ場所で舞台の勉強している・・・感慨深いです。

翌日は、今度雀が演出助手をすることになった劇団の演出家さんと劇場選び。数人の小さな劇団なので、劇場も地下にある小さな小さな劇場。50人でいっぱいになってしまう小屋です。帝劇が確か1900人・・・もはや同じ『劇場』と呼んでいいのか。

でもこの小さな劇場が雀の出発点。感動する側から感動させる側へ、記念すべき小さな第一歩です。