先日、宇都宮文化会館に『THE NEWSPAPER』の舞台を観に行きました。
ザ・ニュースペーパー、知ってますか?小泉元首相や麻生さんなどのモノマネと言えば、テレビで見た覚えがある方も多いのではないでしょうか。国内外の事件や政治などの時事ネタを扱う、社会風刺コント集団です。
雀はミュージカルや芝居は結構観ましたが、コントというのは始めてです。どういう構成になっているのか、笑いだけで長時間は厳しいのでは、とドキドキワクワクで席に着きます。Q列12番・・・と、遠い。ちょっと残念。ミュージカルではオケのチューニングが響くところを、洋楽が流れるホール内。やっぱり違うな~。
開演前の諸注意(携帯の電源を・・・の類)ですでに笑わせてくれる。あ~そういうことをしてもいいんだ、と変に感心。そしてついに開演です。
もう・・・ね。笑いまくりです。
まずは小泉さん登場。パフォーマンス総理らしく、最前列のお客さんと握手。演台に立って、
「小泉純一郎です」
似てる~!ただたんに批判するんじゃなくて、本人(モノマネ)に言わせるっていうのがいいですよね。悪意だけなら中傷になってしまうけど、けっしてそういうわけじゃなく、おしゃれな笑いだな~と雀さん、大笑いしながら感心しました。本当に皮肉たっぷりの「小泉劇場」でした。
その後、安倍さん福田さんの「投げだしコンビ」、麻生さんの独壇場、と続きそれぞれ「上手い!」と膝を打ってしまうようなコントでした。
そして、小沢さん、鳩山さん、菅さんの民主党トリオ。民主党の野望を「羞恥心」のメロディーにのせて歌って踊ってました。意外にも小沢さん身軽!
宮崎県知事と大阪府知事、東京都知事のきわどい対談も面白かったです。もう似すぎて、本人がそう言ってるように感じてきます。
続いて小泉&安倍がスライドショーで宇都宮観光の感想。
小泉 「あれだよね。宇都宮文化会館と宇都宮文化センターって、ややこしいよね。二つある意味無いよね。」
そう!そうなんですよ!とばかりに笑いと大きな拍手。こういうところが面白いですよね。普段テレビとかで見てると第三者的だけど、こうして同じ会場でみんなで共有できるのが嬉しい。
しかし、よく見てるなぁと感心しました。地元の人が感じることを、前日にまわっただけで言い当てるなんてすごいです。それに全部皮肉っぽいんですが、全然嫌な気がしない。安倍さんがすかさずフォローに入るっていうのもそうですが、なんせ全体的に嫌みじゃないんですよ。そこを上手く突く笑いの技術に感服します。
最近のお笑いとかバラエティーとか、馬鹿なことをして笑いを誘ったり、他人を落とす笑いばかりだったので、少しほっとしました。やっぱりこのような質の高い笑いは一朝一夕じゃできないんですよね。本当に笑いって職人技だと思います。
今回一番驚いたのは「さる高貴なご一家」ネタ。いままで「さる高貴なご一家」のことは批判的に言う人はいなかったし、ましてやモノマネなんて見たことありませんでした。平和で言論の自由が許された日本でも、やっぱりまだまだ危険な部分ってあると思うんです。でもそれはそういうものだって思ってきたので、目の前につきつけられるとかなりドキッとしました。
タブーをつくらないっていう姿勢、本当に大事だと思います。雀、日本は平和だ、自由だと思ってましたが現にタブーができちゃっている。しかもそのことを突きつけられるまで分かっていなかった。闇の部分に立ち向かうのって大変なことだと思いますが、これからも続けてほしいと強く思いました。
絶対に観に行く価値ありです。もりだくさんで時間が過ぎるのを感じないほどです。あと、狂言回し的に入るギターの弾き語りが、結構オススメです。替え歌で面白いんですけど、なんせ聞き入っちゃうほど綺麗な声なんです。それ目当てで言ってもいいかも。栃木には来年の6月にまた来てくれるそうです。ぜひぜひ。
雀、THE NEWSPAPERを全力で応援しようと決めました。雀さん、好きになると、それをもっとたくさんの人に知ってもらいたいって思うんです。
あ、でもチケット取れなくなるほどにはならないでくださいね。