夢屋だより

那須高原・古民家のカフェ夢屋より、カフェの新着情報・染め織りの記録、その他つれづれ日記などをupします。

誰が誰だか。

2009年05月17日 | 舞台・映画話

日生劇場の『シラノ』観てきました。

実は演出実習の教授がこの舞台の演出をしているので、初日前に仕込み(照明や音響を調整したり、装置を組み立てたり、それらの動きをリハーサルすること)を見せて貰っていました。

これはかなりすごいことです。東宝ですよ、東宝。動員ウン万人の舞台制作を見られるなんて普通ないことです。音響も照明も今第一線で活躍する人だし、舞台監督も、スタッフもプロ中のプロ。その人達が働く姿と、ウン万人の人達が楽しみにしている舞台が出来ていく様子を見るのは感動でした。

ま、そんなわけでどうしても役者が入っての本番が観てみたくなり、一番安いチケットを購入してしまいました。

「ほ~ぅ、そうなるわけですか」「あぁ、そこで・・・なるほどねぇ」

と、なんだかタネを半分くらい知ってるマジックを見るよう。一生懸命調整していたのを見ているので、照明や音響が上手く効くたびに「よしっ」と。とにかく照明・音響を特に気にして見られたというのは始めてで、良い勉強になったと思います。

ただ、残り少なのB席だったので、いかんせん舞台が遠い・・・。三階の最後列で、俳優が豆粒サイズ。後ろのお客さんに気を遣わず好きな姿勢で観られるのはいいですが、雀としてはちょっと良い席をお勧めします。


名前まぎらわしいです。

2008年12月17日 | 舞台・映画話

先日、宇都宮文化会館に『THE NEWSPAPER』の舞台を観に行きました。

ザ・ニュースペーパー、知ってますか?小泉元首相や麻生さんなどのモノマネと言えば、テレビで見た覚えがある方も多いのではないでしょうか。国内外の事件や政治などの時事ネタを扱う、社会風刺コント集団です。

雀はミュージカルや芝居は結構観ましたが、コントというのは始めてです。どういう構成になっているのか、笑いだけで長時間は厳しいのでは、とドキドキワクワクで席に着きます。Q列12番・・・と、遠い。ちょっと残念。ミュージカルではオケのチューニングが響くところを、洋楽が流れるホール内。やっぱり違うな~。

開演前の諸注意(携帯の電源を・・・の類)ですでに笑わせてくれる。あ~そういうことをしてもいいんだ、と変に感心。そしてついに開演です。

もう・・・ね。笑いまくりです。

まずは小泉さん登場。パフォーマンス総理らしく、最前列のお客さんと握手。演台に立って、

「小泉純一郎です」

似てる~!ただたんに批判するんじゃなくて、本人(モノマネ)に言わせるっていうのがいいですよね。悪意だけなら中傷になってしまうけど、けっしてそういうわけじゃなく、おしゃれな笑いだな~と雀さん、大笑いしながら感心しました。本当に皮肉たっぷりの「小泉劇場」でした。

その後、安倍さん福田さんの「投げだしコンビ」、麻生さんの独壇場、と続きそれぞれ「上手い!」と膝を打ってしまうようなコントでした。

そして、小沢さん、鳩山さん、菅さんの民主党トリオ。民主党の野望を「羞恥心」のメロディーにのせて歌って踊ってました。意外にも小沢さん身軽!

宮崎県知事と大阪府知事、東京都知事のきわどい対談も面白かったです。もう似すぎて、本人がそう言ってるように感じてきます。

続いて小泉&安倍がスライドショーで宇都宮観光の感想。

小泉 「あれだよね。宇都宮文化会館と宇都宮文化センターって、ややこしいよね。二つある意味無いよね。」

そう!そうなんですよ!とばかりに笑いと大きな拍手。こういうところが面白いですよね。普段テレビとかで見てると第三者的だけど、こうして同じ会場でみんなで共有できるのが嬉しい。

しかし、よく見てるなぁと感心しました。地元の人が感じることを、前日にまわっただけで言い当てるなんてすごいです。それに全部皮肉っぽいんですが、全然嫌な気がしない。安倍さんがすかさずフォローに入るっていうのもそうですが、なんせ全体的に嫌みじゃないんですよ。そこを上手く突く笑いの技術に感服します。

最近のお笑いとかバラエティーとか、馬鹿なことをして笑いを誘ったり、他人を落とす笑いばかりだったので、少しほっとしました。やっぱりこのような質の高い笑いは一朝一夕じゃできないんですよね。本当に笑いって職人技だと思います。

今回一番驚いたのは「さる高貴なご一家」ネタ。いままで「さる高貴なご一家」のことは批判的に言う人はいなかったし、ましてやモノマネなんて見たことありませんでした。平和で言論の自由が許された日本でも、やっぱりまだまだ危険な部分ってあると思うんです。でもそれはそういうものだって思ってきたので、目の前につきつけられるとかなりドキッとしました。

タブーをつくらないっていう姿勢、本当に大事だと思います。雀、日本は平和だ、自由だと思ってましたが現にタブーができちゃっている。しかもそのことを突きつけられるまで分かっていなかった。闇の部分に立ち向かうのって大変なことだと思いますが、これからも続けてほしいと強く思いました。

絶対に観に行く価値ありです。もりだくさんで時間が過ぎるのを感じないほどです。あと、狂言回し的に入るギターの弾き語りが、結構オススメです。替え歌で面白いんですけど、なんせ聞き入っちゃうほど綺麗な声なんです。それ目当てで言ってもいいかも。栃木には来年の6月にまた来てくれるそうです。ぜひぜひ。

雀、THE NEWSPAPERを全力で応援しようと決めました。雀さん、好きになると、それをもっとたくさんの人に知ってもらいたいって思うんです。

あ、でもチケット取れなくなるほどにはならないでくださいね。


クリス・・・お前もか。

2008年08月07日 | 舞台・映画話

「ミス・サイゴン」観てきました。ずっと観たかったんですよ~。しかも筧さんのエンジニア。ミュージカルではあまり見ないのですが、Drコトーの役が良かったし、インタビューなどいつも面白いので期待大です。

夜公演だったので帝劇地下で軽食をとりました。楽屋口でファンがブワーっと待っていて通り抜けるのが気まずかった・・・。でも、待ってれば俳優と会えるんだから、それは舞台のいいトコですよね。レストランで祖母とサンドウィッチを食べていると、劇場スタッフっぽい人達が入ってきて、カレー頼んでた。頑張ってください~。

久しぶりの帝国劇場。なんか・・・リッチ!やっぱり長い歴史を背負ってるからかな?他の劇場観てくると改めて高級な感じが。格調高い感じがムンムンでした。思えばここから雀の芝居人生が始まったんですよ。いろいろな劇場で観てきてもやっぱりここは特別です。紅いカーペットとか、高いカフェとか、ふかふかの席とか、・・・いいですね。

開演前、ホールをうろうろしていると、プログラムや公演グッツの売店の隣で、(公演に全く関係なさそうな)ブレスレットを売る怪しげなおばさんを発見。腕時計を売る人もいた。キャッツシアターの後だからかも知れないけど、なんか違和感が。それともこれ、あれか?帝劇ファンの間ではすごくはやってるとか?ちょっと聞いてみたかったけど、暗黙の了解みたいのがあったらいやなのでやめました。

そして開演。舞台はベトナム戦争時のベトナム。サイゴン陥落によって引き離されるアメリカ軍人のクリスと、ベトナム人キムの愛と運命を描いた超有名ミュージカルです。

まずね、舞台美術がすごく良かったです!あのすだれみたいなの(見た人はきっと分かる!)綺麗です。空間を自在に操っていました。やっぱり、抽象的空間でも舞台では立派な風景になるんですよね~。

あの有名な巨大ホーチミン像と、迫力の実物大ヘリ。もう世界でも日本でしか観られない演出なんだとか。でも雀としてはヘリよりフェンスに感動しました。サイゴン陥落時になんとかアメリカに逃れようとする大勢のベトナム人を残して、アメリカ軍がヘリで飛び立つシーンです。そこでアメリカ側とベトナム側に分ける巨大なフェンスが、これすごいんですよ。カメラのアングルを変えるようにフェンスを動かすんですが、とても自然で斬新でした。いや、うまく説明できてませんね。自分で確かめてください。

あとは筧さんのエンジニアですね。エンジニアは激ワルで、欲の塊で、アメリカに渡って成功することしか考えてないようなヤツなんですが・・・ぴったりでした。Drコトーの優しい筧さんに見慣れている雀としてはちょっとショック。でもいい方に期待を裏切られたかな。次は市村正親さんのエンジニア観てみたいです。

全体として言うと、やっぱりレミゼのほうが好き。ストーリーが蝶々夫人ぽかった。観ながら、「蝶々夫人に似てるなー。ピンカートンがクリスかな。ピンカートンはダメ男だったけどクリスはどうなるかな~。」と思っていたら。

お前もかい!

しかも最後も酷似!ちょっとなあ~・・・歌で終わらなかったのもミュージカルとしてはなあ~・・・ということです。

あと、ロンドンではアメリカ人の役はアメリカ人が、ベトナム人役はアジア人が演じていたのですが、ここは日本なので全て日本人キャスト。想像力をもってすれば人種差なんて屁でもないんですが、ストーリー的に混乱をきたします。それもストーリーを追えばなんでもないんですが、知らないと一瞬この人は何人の役なんだ?と。

でも嫌いではないんですよ。歌詞が聞き取りにくくて分からないところがあったので、あとでCD借りて確認したいです。とにかく、曲は綺麗だし、感動だし、ヘリとホーチミン像はいまや貴重な演出ですので、一度観てみたらいかがでしょうか。


CATSな日。

2008年08月03日 | 舞台・映画話

劇団四季の「CATS」観てきました~。

いやいやいや・・・良いです。二回目だからどうかな~と思っていましたが、一回目よりさらにおもしろかったです。もう25周年なんだとか。ディズニーランドと同い年。愛されてますね。

今回は夜の部。五反田の駅からキャッツシアターを目指します。やっぱり専用シアターは違いますね。角を曲がってあの黒地に黄色い目とロゴが入ったシアターを目にすると、否応なしに気分が盛り上がります。雀、表情乏しい人ですが、内心MAXです。

芝居の何が好きって、あのチケットを切られる時が最高ですね。ビリッって音に、なにかが起こるんだ!と強く感じる瞬間です。

今回は開場と同時に入って、たっぷりシアター内を見回りました。キャッツシアターは壁という壁が、猫から見た巨大サイズのゴミで埋まっていて、一つ一つ見て行くだけで、キャッツワールドにどっぷり浸かれます。前回猫が色々なところから出てきて、かなりびっくりしたので、あらかじめ場所もチェック。

キャッツシアターって舞台が円形をしてるんですよ。だから安いB席・C席は見えにくいんです。それで奮発してA席とったんですが、ちょっと端だしちゃんと見えるか心配でした。が、問題なし。しかも前回の右A席より、左のほうが死角が少なかった!

しかしキャッツシアターの唯一の欠点は・・・S席エリア広すぎ!真ん中ほぼS席じゃないっすか!高いんっすよ!庶民には(というか雀には)S席に手が届かないっすよ!もっとA席エリア増やしてくれ~。(T.T)

キャッツシアターにはS回転席というのもあるんですな。一番前にあって、開演と同時に舞台と一緒にぐ~っと回ってくるんです。これがね・・・あこがれの席なんですが、なにしろ競争率が高くて、四季の会員じゃないと取れないとか・・・一生に一度は座りたい席です。

でも、A席もいいし!(比較的)安いし!

ほどよい堅さのシートに座って開演を待つのも大好きです。ざわざわしてて、みんなが一つのことを楽しみにしているのが、すごく感じられます。ふと後ろを見ると修学旅行とみられる高校生の軍団が。おぬしら、幸せ者じゃのう。

いつの間にか猫たちがじりじり出てきて、騒がしかった場内が静まりかえります。誰も何も話さないのに訪れる静寂。沢山の人が同時に集中したときに起こるパワーは劇場ならでは、鳥肌がたちます。

もうね・・・キャッツすごすぎですね。なんであんなにダンスすごいの。歌もいい!猫がいますよ!猫にしか見えない。ストーリーほぼないし、明るく華麗で子供も楽しめるのに、どこにそんなに感動するんだ自分!大の大人が(未成年だけど)なんで感涙?!今回は、CATSが観たいという友達の引率というような気持で来たのに、最高に楽しんでしまいました。でも友達もすごく楽しんでいるのが拍手や手拍子で伝わってきました。また訪れる機会を作ってくれて本当にありがとう!

ラム・タム・タガーは今回もかっこよかった~。前回のワイルドな感じもよかったけど、今回のロックな感じもいい!メスキャットたちと共に心の中で「きゃ~~~!」。また客席から女性客拉致して舞台に上げてた。うらやまし~い。最前列S回転席の特権ですね。いつか座ってやる~。

泥棒猫二人組のアクロバティックなダンスも大好き。ガスからグロール・タイガーのくだりも良かったです。ガスの老いた感じから劇中劇の力強い感じ、よくでてました。マキャビティも良かったな~。あと、スキンブルシャンクス。なぜか今回すごく好きになりました。というか総合してさらに好きになりました。グリザベラの歌う「メモリー」が、より心に響くようになったのは、雀が少し大人になったせいでしょうか・・・。一年しか経ってないけど。

底知れぬパワーと魅力を秘めてますねキャッツは。子供にはキッズミュージカルやファミリーミュージカル(着ぐるみかぶって音に合わせて踊ってるようなのとか)じゃなくて、キャッツ見せるべきです。子供でも子供扱いしないミュージカルです。本物みせてなんぼのもんですよ。

とにかく、猫好き猫嫌いとか大人子供とか関係なく、楽しめるミュージカルです。一生に一度は観ても損しません、むしろ得。数あるミュージカルの中でも、舞台が近く、猫たちがすぐそこの通路を縦横無尽に走り回ったりと、かなり参加している感じがして楽しいです。ダンスだけでも充分に楽しめるくらいクオリティ高いです。今度の休日はぜひキャッツを。


彩り丼724円

2008年01月20日 | 舞台・映画話

初めてのバレエを観てきました。レニングラードの『白鳥の湖』です。レニングラードですよレニングラード。って良くは知らないけど、とにかく凄いロシアのバレエ団なんですよ。

東京でしか観られないような凄いバレエが、こんな片田舎で観られるとは!ということで、友達と3人で行ってきました。

しかしまぁ、ずいぶん前にチケットを購入したのですが、なんと模試とかぶってたんですな。

「いや、なんとかなるべ。」と気楽に構えていたら、テストの終了時間が『これを逃したらヤバイ!』という電車の発車時刻のわずか15分前だったんですな。

い~や~・・・走りましたね。あんなに頑張ったの、高校入って以来だったかも。なんだかんだ言っても人間頑張ればなんとかなるなぁと、電車に揺られながらしみじみと思いました。

そんなこんなで開演にも間に合い、宇都宮文化センターの座席に無事腰を下ろしました。良い席なんですよこれが。真ん真ん中(つまり二階席)の真ん真ん中(つまり舞台正面)で!Dありがと~う。舞台もよく見えて、オケピも上から見下ろせて、傾斜がけっこうあるので前のおばさんのカーリーヘアが邪魔っていうこともなくて、ほんとうに良い席でした。

あれ、大きいバレエ団はオケもついてくるんですね。すごく綺麗な音。生音聴けるだけでもいいかなって思いました。そしてついに開幕。

衝撃です。顔面にボカーンと一発食らったようでした。バレエって踊りじゃないんですね。表現なんですね。感情表現も形が決まっているのかと思いきや!表現なんですね。観る前にあらすじ教えてもらったけど、それ聞かなくても十分に分かるくらい。その人物の性格まで踊りが表現してるんです。また綺麗なんだこれが。あのプリマの圧倒的な存在感。全観客がはっと息を飲むのが感じられました。

そしてやつら重力を無視してます。ふわっと飛ぶんです。跳ぶんじゃなくて飛ぶんです。リフトなんてあり得ない軽さで上がって、想像以上にゆっくり下りてくるんです。白鳥が見えました。

オディールもすごかったし、王子もかっこよかったけど、何と言っても悪魔ですね。悪魔は良かった。陰の主役。大胆で力強い踊りが目を引きました。

衣装も素敵でした。遠目にもすごく凝っていて綺麗で。セットもよかったですね。湖畔のシーンで、暗い木立をすかして白鳥たちが踊っているのが見えるところなんか最高に綺麗でした。

ただ、これだけはなんとかしてほしいっていうのは男性陣の白タイツですね。あれ、べつにタイツじゃなくてもいいでしょう。足が綺麗に見えるとかあるんだろうけど、ズボン履いて踊る演目もあるんだし、ズボン履いてできるなら履く方向で検討してもらえないだろうか。それでもぐいぐい世界に引き込まれ途中からほとんど気にならなくなりましたね。恐るべしバレエ。

こうして初のバレエは鳥肌と感動のうちに幕を閉じました。気が付くと手がジンジンするくらい猛烈に拍手していました。カーテンコール5回くらいあったんじゃないですかね。指揮者の人も舞台に上がって、「おおっ」となっていました。幕下りた後も、何回か主要キャストの人が出てきてくれて、指揮者の人も一回出てきて。悪魔がでてきた時にどよどよっとなっていたので、やっぱりファンがいるんだなーと嬉しくなったりして。

帰り道、ガストを探す道すがら、とっぷりと物思いに浸っておりました。なんだか凄くいい気分で、夜空に映える電波塔が綺麗に思えたりして、良い経験してるなぁと幸せを噛み締めた夜でした。