悲劇です。
ロミオとジュリエットも真っ青の悲劇です。
あ~やってしまった・・・。
数学の定期テストで、微分する問題を全部積分してしまったときも、これほどのショックはありませんでした。
(なぜならそこができたとしても、元々救いようのない点数だからです。)
でも、なんか解けないな~とは思ったんですよ。(バカ~)
ま、それはいいとして・・・。
英検準2級の試験があったんですね今日。
全然勉強していませんでしたし、撃沈覚悟で試験に臨んだ雀さん。
「ふっ、どうにでもなれ~ぃ」
意外や意外、なにげに分かるような感じのしないでもない筆記問題でした。
「あれっ、これもしかすると、もしかするんじゃないの?」
耳にだけは自信のある雀さんは、最後のリスニング問題でスパートをかけます。
それは、敗戦一色の選挙事務所に、ライバルの裏金発覚の一報が入った時のような、
遅れて入ったバーゲン会場で、事前に目をつけていた商品が残っていた時のような、
そんな希望の光が、雀の眼前に差し込んで来たのです。
「こ、これは・・・いける!(かな?)」
一問、また一問と問題は読まれていきます。
これも・・・これも分かる。
いや、待てよ。なにか変だ。何かがおかしい。
時計を見やった雀さんは凍り付きました。
残り二問ほどなのにもう終了数分前。
なにが起きたか解説しましょう。
普段雀の受ける進研模試は、最初の方にリスニングがあります。
リスニングを受けてから、筆記に入るんですね。
なので雀さんはいつも、万全を期すためにリスニングでは一度問題用紙に印をつけ、すべての問題の放送が終わった後に、改めて見直しながら解答用紙へ書き込んでいました。
当然、大切な英検で、唯一の強みリスニングで、やらないわけはございません。
もうお分かりでしょうか。
解答書き込む時間がな~い!な~い!な~い!・・・
それはもう、必死で書き込みました。
しかし、時既に遅し。
選挙区は他のライバルに取られてしまったのです。
狙っていたバーゲン品は、入手目前にして隣町の鈴木さんにかっさらわれたのです。
お分かりいただけますか、この無情。この敗北感。
一度希望をちらつかせておきながら、すんでの所でとりあげるのです。
そういうヤツなんですよ運命は。
そういえば昨日の夜、ER(救急病棟を舞台にしたアメリカのTVドラマ)を見ました。
そこで、神経質な研修医が薬品の量を何度もチェックしていて患者を死なせかける、という場面がありました。
ベテラン女医「早く!なにしてるの?!」
研修医「でも僕はいつも、4回確認するんです!」
うわぁ・・・ダメだなコイツ、と雀さん。
その昨夜の心の声が、回収されてゆく試験用紙を見送る雀の耳に、いつまでもいつまでも木霊していたのでした。