初めてのバレエを観てきました。レニングラードの『白鳥の湖』です。レニングラードですよレニングラード。って良くは知らないけど、とにかく凄いロシアのバレエ団なんですよ。
東京でしか観られないような凄いバレエが、こんな片田舎で観られるとは!ということで、友達と3人で行ってきました。
しかしまぁ、ずいぶん前にチケットを購入したのですが、なんと模試とかぶってたんですな。
「いや、なんとかなるべ。」と気楽に構えていたら、テストの終了時間が『これを逃したらヤバイ!』という電車の発車時刻のわずか15分前だったんですな。
い~や~・・・走りましたね。あんなに頑張ったの、高校入って以来だったかも。なんだかんだ言っても人間頑張ればなんとかなるなぁと、電車に揺られながらしみじみと思いました。
そんなこんなで開演にも間に合い、宇都宮文化センターの座席に無事腰を下ろしました。良い席なんですよこれが。真ん真ん中(つまり二階席)の真ん真ん中(つまり舞台正面)で!Dありがと~う。舞台もよく見えて、オケピも上から見下ろせて、傾斜がけっこうあるので前のおばさんのカーリーヘアが邪魔っていうこともなくて、ほんとうに良い席でした。
あれ、大きいバレエ団はオケもついてくるんですね。すごく綺麗な音。生音聴けるだけでもいいかなって思いました。そしてついに開幕。
衝撃です。顔面にボカーンと一発食らったようでした。バレエって踊りじゃないんですね。表現なんですね。感情表現も形が決まっているのかと思いきや!表現なんですね。観る前にあらすじ教えてもらったけど、それ聞かなくても十分に分かるくらい。その人物の性格まで踊りが表現してるんです。また綺麗なんだこれが。あのプリマの圧倒的な存在感。全観客がはっと息を飲むのが感じられました。
そしてやつら重力を無視してます。ふわっと飛ぶんです。跳ぶんじゃなくて飛ぶんです。リフトなんてあり得ない軽さで上がって、想像以上にゆっくり下りてくるんです。白鳥が見えました。
オディールもすごかったし、王子もかっこよかったけど、何と言っても悪魔ですね。悪魔は良かった。陰の主役。大胆で力強い踊りが目を引きました。
衣装も素敵でした。遠目にもすごく凝っていて綺麗で。セットもよかったですね。湖畔のシーンで、暗い木立をすかして白鳥たちが踊っているのが見えるところなんか最高に綺麗でした。
ただ、これだけはなんとかしてほしいっていうのは男性陣の白タイツですね。あれ、べつにタイツじゃなくてもいいでしょう。足が綺麗に見えるとかあるんだろうけど、ズボン履いて踊る演目もあるんだし、ズボン履いてできるなら履く方向で検討してもらえないだろうか。それでもぐいぐい世界に引き込まれ途中からほとんど気にならなくなりましたね。恐るべしバレエ。
こうして初のバレエは鳥肌と感動のうちに幕を閉じました。気が付くと手がジンジンするくらい猛烈に拍手していました。カーテンコール5回くらいあったんじゃないですかね。指揮者の人も舞台に上がって、「おおっ」となっていました。幕下りた後も、何回か主要キャストの人が出てきてくれて、指揮者の人も一回出てきて。悪魔がでてきた時にどよどよっとなっていたので、やっぱりファンがいるんだなーと嬉しくなったりして。
帰り道、ガストを探す道すがら、とっぷりと物思いに浸っておりました。なんだか凄くいい気分で、夜空に映える電波塔が綺麗に思えたりして、良い経験してるなぁと幸せを噛み締めた夜でした。