昭和から平成にかけて猫は、少しづつ完全室内飼いが推奨されるようになりました。
それまで、家内に閉じ込めておくのは可哀想という風潮。
一軒家で飼われている猫は、おおよそ屋外室内出入り自由でした。
■ 猫 放し飼い時代の思い出〈 前 〉
■ 猫 放し飼い時代の思い出〈 後 〉
そんなご時世に、私が赤ちゃんから育てた猫は、グレーの毛色に、瞳はスモーキーグリーンで、シッポはペロペロキャンディようにグルグル(パタパタ動く蓋みたい)...ちょっと変わった女の子。
名は「モケ」、在宅している時は、必ず私の視線の届く位置に居ます。
起床して1番先に見るのはモケ、帰宅し靴を脱いで振り向くとモケ。
就職し研修が終った頃...突然、私の目の前でモケが血を吐きました。
急いで動物病院へ。
先生の言葉がよく解らない、耳で反響して頭に入って来ない。
ただただ「助けて下さい」と泣きじゃくり繰り返していました。
その夜、モケは私の膝上で、こと切れました。
信じられない、受け入れられない...夜中に先生を呼んで、診断されてから大泣きしたのを覚えています。
死因は敗血症でした。
私は会社での配属が決まり、歓迎会やら挨拶回りで、自分のことでバタバタしていた時です。
あとから、モケが見たことのない野良猫と大喧嘩していたと聞かされました。
ちゃんと気がつけば、
早く適切な処置をすれば、
そして室内飼いだったら、
モケとは、まだ一緒にいられたはず。
今、思い出しても辛い。
それから、しばらくは「早く死んでモケに会いたい、謝りたい」とずっと考えていました。
私の命の一部ぐらい大切な存在で、そこにいるのを感じるだけで幸せだったのです。
息子は小学生になっても、絵がなかなか描けなかった(点と線だけで形が取れない)のですが、ある日、得意げにクレヨン画のグレーの猫を見せてくれました。
思いがけず出た言葉は「あらモケみたい」── 教えて!とせがむ息子にモケの話をすると近所迷惑になるぐらいの号泣。
エエッ、会ったこともない猫なのに?
「お母さんヒドイよー」
「モケ悲しかったよー」
生まれ変わりとまでは言わないですが、たまーにモケが息子に降臨しているのではと思っちゃっている母です (*ΦωΦ)ฅ
【 ねこてん 公式HP 】