ねこてん~全ての猫は天使である~

東京都港区青山&ビックサイト周辺にて地域猫活動を行っているボランティア

花子と先生の18年 その2

2020-05-18 22:45:00 | 不幸な命を増やさないために

🐶花子と先生の18年 その1



太田先生のような利を求めず、ボランティアと同じ目線の愛護獣医師は、全体の1割いるかいないかと言われています。

実は私、野良猫のTNRも保護も獣医師さんに教わり、それを機に愛護活動へ導かれました。

ほとんどの獣医師が、飼い主のいない犬猫は死んでも仕方ない、殺されても仕方ないと考えていると分かったのは、つい最近のこと。

自身の幸運を知ると同時に衝撃を受けました。
世間では、全てを救えると信じる人は、まだまだマイノリティなのです😿



太田獣医師は大学卒業後、2011年にハナ動物病院を開業。

病院の原点には花子の存在があると言います。

普通の病院でありながら
地域の信頼を得られて
野良猫や捨て犬が来たときに
花子だったらと思って治療をする

野良猫 保護犬 捨て犬でも 原点は一緒です



2019年5月のこと、埼玉で犬の多頭飼い事件。

ごく普通の一軒家に71匹の犬がいる。
飼い主は70代の夫婦。

捨て犬を拾っているうちに増えてしまったとのこと。
高齢になり、世話が追いつかず限界を感じたため愛護団体に相談。

まずは、これ以上増やさないために不妊去勢手術をしなければなりません。

近隣では、低価格で手術を引き受けてくれる動物病院がありませんでした。
困窮する飼い主と模索する愛護団体。

救いの挙手をしたのが太田獣医師でした。

ハナ動物病院まで2時間をかけ10匹を運び込みます。
太田獣医師は休日を返上し、一日かけて取り組みます。



多頭飼育についての感想を聞かれ
悪いのは獣医師と行政と即答。

飼い主さんは素人だから知識もないし情報もないし仕方がない

ただ犬が好きで増えちゃっただけ
知識と情報など力があるにも関わらず
関わるのを避けた人間がいる

地元の獣医師や行政が手を早く打つ

苦情も噂もあったはず
把握していないわけがない
怠慢ですよ



手術が終わり犬たちのお迎えに来た愛護団体。
インタビュアーの「愛護センターは介入していないのか」との質問に太田先生が答えます。

センターは現場に1年前から訪問しているが指導だけ
オスとメスを隔離しないと繰り返す
苦情に対応したという既成事実が欲しいだけ

地元埼玉の獣医師が一頭づつ引き受けてくれればスムーズに解決できたこと

犬猫で飯食っているから たまにはやるかと腰を上げてくれれば一日で70頭全て手術ができた

ボランティアが何とかするだろうと甘えている

動物愛護は本来 プロ(獣医師)と行政が責任を持つべき
社会的弱者の問題なのだから ボランティアに押しつけるのは あまりにもカッコ悪い

その言葉に感極まり、涙を流す愛護団体の代表の姿がありました。



1年後、多頭飼育のその後。
奥さんが急死されて、ご主人一人では散歩もままなりません。

犬の所有権を愛護団体へ移しました。
犬たちは、クラウドファンディングで募った資金で設けられたドックランで自由に走り回っています。
近くには犬舎が建築される予定です☺️



動物のトラブルは、国も行政も社会全体が、善意の人へ全て丸投げしているのが現状です。

でも本当は、動物問題は人の問題であり、社会の縮図そのもの。

太田先生と同じ志、技術や倫理観を持つ獣医師を育てるシステムがあれば、より多くの動物は救われ、それによって人も地域も救われ、豊かな社会へなるのではないでしょうか。

前編終了、後編に続きます🌻

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