今を生きる  MOMENTARY 

草の輝く時 花美しく咲く時 
再びそれは帰らずとも嘆くなかれ 
その奥に秘められし力を見出すべし
 ワーズワース

土曜の昼下がり。。。。

2011-05-07 14:40:00 | 言葉
  今日も大阪は快晴!

  立夏、なのですね。
  知らぬ間に季節は移ろう。

  朝から水遣りと玄関の掃除、
  チョッとティタイム♪にテレビを付ける。

  NHK スタジオパーク放送中、

  宮本信子さんがゲスト。

  あーーー昨日「どんど晴れスペシャル」だったんだ・・・
  後半は観るぞ(笑)

  
  最後に宮本信子さんが詩の朗読をされた。
  被災地へ向けての朗読でした。
  以前、NHKのドラマ 遠野物語を観たが
  宮本さんはその頃から岩手と関わりがあるのですね。

  今回のスペシャルの撮影は
  クランクアップしたのが3月9日だったらしい。
  もしかしたら、放送されないかもしれないと思ったらしい。

  口数多くは語られていないけれど、
  顔の表情で多くを感じ取ることが出来きたような想いです。。
  さすが、女優さんです。



  この詩は、
  昭和21年に三好達治さんが書かれたそうです。

  敗戦の退廃した町で立ちすくむ人たち、
  心くじけた人たちに新しい季節への希望をよびかけた詩です。





「涙をぬぐって働こう」 三好達治


みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働こう
忘れがたい悲しみは忘れがたいままにしておこう
苦しい心は苦しいままに
けれどもその心を今日は一たび寛(くつろ)ごう
みんなで元気をとりもどして涙をぬぐって働こう

最も悪い運命の台風の眼はすぎ去った
最も悪い熱病の時はすぎ去った
すべての悪い時は今日はもう彼方に去った
楽しい春の日はなお地平に遠く
冬の日は暗い谷間をうなだれて歩みつづける

今日はまだわれらの暦は快適の季節に遠く
小鳥の歌は氷のかげに沈黙し
田野も霜にうら枯れて
空にはさびしい風の声が叫んでいる

けれどもすでに
すべての悪い時は今日はもう彼方に去った
かたい小さな草花のつぼみは
地面の底のくら闇からしずかに生まれ出ようとする
かたくとざされた死と沈黙の氷の底から
希望は一心に働く者の呼び声にこたえて
それは新しい帆布をかかげて
明日の水平線にあらわれる

ああその遠くからしずかに来るものを信じよう
みんなで一心につつましく心をあつめて信じよう
みんなで希望をとりもどして涙をぬぐって働こう
今年のはじめのこの苦しい日を
今年の終りのもっと良い日に置き代えよう







コメント (4)
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