オカ姉のためいき日記

人生色々、ためいき色々。今日はどんなためいきつくのやら・・・?

表裏源内蛙合戦その5

2008-12-05 14:42:36 | 上川さん
隆也のお部屋

二人の源内・・・タイトル通り人間の中の「表」と「裏」の合戦。
私達も事あるたびに、自問自答を繰り返しながら暮らしている。
それが心の表裏の合戦ということだね

「裏」の勝村さん。幕が上がる前から彼の存在が怖かった。
「強敵」だと。隆也さんでさえ脅かされそうな・・・・
いざ、やはり強敵だった!
しかし私の俗っぽい杞憂とはまるで次元の違う強さだ。
それは「表の源内」に、4時間の舞台空間のすべてに作用する
プラスのオーラ
二幕目の志道軒の講釈は、観客の頭の中にうかぶ脚本、台詞の活字、
それらを封印させ、完璧に自分の言葉となっていた。
押し付けがましさのない、それでいて圧倒的な存在感にぶっとびました!

「表源内」の隆也さん。
今回はほとんどオペラグラスのお世話に!
源内ベイビィも、与方吉も、15年後も、(ちびQさんいわく)女殺しの目線も
しっかりと目に焼き付けたもんね!

二幕・4場  裏源内から「山師」ということばを投げつけられ
源内の心中の激高が、隆也さんの〝〟に表れる。
この時の目をみて、まさに「一代記」を演じきっている隆也さんに感じ入る。

そしてひと時、観客の笑い声。この日はやってくれました!
水中の源内!シンクロ〟だ
おまけに魚の口先で勝村さんをツンツン。痛いじゃん!

この場を境に客席は水を打ったように静まりかえる。
6場・「腑分け」 ここでの音楽が否応なしに高揚させる。
二人の源内の高揚感も確実にたかまっていた。
惜しむべきは、この場面の余韻に浸る為の「5秒」がほしかった。

7場の秋田への転換が少ーし早くて・・・・ちょっと残念。
凄まじい「表裏」の決裂のあと、筆をうごかしつつ呻くような唄にも
やりきれない「虚無感」が深みを増していた。

8場の「イエイエ!」は本来なら大声で笑いたい。
でも、すでに源内に対しての世間の目も変わりつつあり
坂をそろそろと転げ落ちる序章を感じとった観客は
感情移入状態となり〝笑えない〟のだ。

劇場全体がピーンとはりつめている快感。
芝居の醍醐味ってこういう瞬間なのかな?

10場 初回観た時引っかかっていた。何か物足りなさを感じていた。
が、鳥肌がたつような素晴らしいものになっていた。
人を殺めてもなお「・・・おれは神だ・・」と墜ちていく。
鬼気せまる源内を観て、思わず(エラソーに)「これよ!!」

いつも冷静に、贔屓目にならないようにと思っているが
感動でウルッときて我ながら慌ててしまったわ
そして・・・
あわや涎垂という隆也さんの表情は、崩れ落ちる身体とともに消え
ラストの「牢死」へとつながる。 いや~すごい、すごいぞ!

チェックしました!息をひきとり板の上に横たわる源内。
いくらなんでも、どっか動くでしょ?息するでしょ?と全身くまなく凝視!
動かないよ~目も鼻も口も、肩も胸も足も手も!
ありえない・・(ちょっと!動きなさいよ)と根くらべだ(誰とだちゅーの(笑))
出演者全員が登場し歌が終わり、幕が引かれるまで
「微動だ」すらこの目でとらえることができなかった!何かくやしー
ウーッ、恐るべし上川隆也

2008年を素晴らしい隆也さんで締めくくる幸せ!
やっぱり〝板〟の上の隆也さんは最高
役者として、隆也さんは「無色透明」でありたいと云う。
まさに錦絵の如く見事な「源内色」に染めあげ、私達に〝魅〟せてくれた。

カテコではもちろん立ちました!だって私にとっての千秋楽だもの

脂ののったお魚のような、熟した旨み満載の蜷川ワールドは
11月の東京から12月の大阪へ。
関西の隆友さんからのメールには
「しっかり送りだしてください。私達が引き継ぎます」とステキなエール。

関西の皆さん、声援よろしく