オカ姉のためいき日記

人生色々、ためいき色々。今日はどんなためいきつくのやら・・・?

「陽だまりの樹」東京千秋楽

2012-04-26 15:37:52 | 上川さん
  「お た ん こ な す

イジラレ万二郎の逆襲か?と思われるアドリブを入れてきたねと
この日は思ってはいたが・・・・

この「おたんこなす」で、千秋楽ぜ~んぶ持ってった~(どこへ?
客席はもとより、舞台上の面々の「エーッ???」という驚きに
包まれちゃった一瞬がまたまたウケる~!!

下田に着いて万二郎に良庵が抱きつく場面。
「オヌシ、両方イケルのか?」と問われた上川良庵の顔芸?が超ツボです。
この時は「すまん」を二回ほど言うのだが、吉川さん今日は「スミマセン」

吉川さんもアドリブにも慣れて、すっかり安心してみていられるし、
隆也さんも全くパワーダウンしないんだからスゴイわ~

カテコも何回だったか?と思うくらい盛り上って、隆也さんの挨拶も
聞くことができた。
《もう、ないよね?》みたいに皆が舞台を去りかけた時に幕が再度
あがっちゃって・・・皆の慌てぶりがおかしかったし。

<手塚良仙>の石倉三郎さん。原作の良仙とイメージがよく合っていた。
余裕があるのかないのか分かんない笑いをとる絶妙さに本当に
楽しませてもらいました。隆也さんとも息合ってました。

<浮舟>の花影アリスさん。まさに動く日本人形
あでやかな売れっ子芸者ぶりでした。ホント、かわゆし!

<勝海舟>の瀬下尚人さん。勝海舟って出てくるだけで「安心感」が
あるんよね~ 洒脱で粋でおおらかな爽快さでした。

<多紀誠斉>の岡森諦さん。典型的な娯楽時代劇風の悪い人。
「悪人」じゃなく「悪い人」って感じに演じられる役者さんて貴重。

若手での憎ったらしいのは<多磨屋のボンボン>の長谷川純さん。
最近どっかで見たな~?と・・・「ダーティ・ママ」に出てた。
やっぱ、アブナイ犯人役で・・・彼のゲラゲラ笑い、ウケる(笑)

<おせき>の高野志穂さん。「さくら」だよぉ! 私が朝ドラで一番
嵌ってた、毎日3回見てたもん。ずいぶん女らしくなって・・・
でも彼女の凛とした意思の強さみたいのが少々出ちゃった感あり。
もう少し、たおやかさがほしかったな~

<太田東斉&伊藤玄晃>の小林十一さんと小野健太郎さん。
小林さんはその軽やかな動きが見られず・・・一緒に見た隆友さん、
「くるくるっと回ってくれるかと・・・」と残念そう。最後のとんでも
ない告白に笑えた~
小野さんの伊藤君、奥さんの一大事に冷静過ぎ!?もっとアセんないと
思ったけど、しっかりオタオタするようになってた。

そんななかで・・・ヒュースケンに「笑」は必要だったのか???
警護コンビとのからみくらいにとどめておいてほしかった。

だって・・・渡来したアメリカの使節団の警護を命じられた万二郎。
落胆しつつも「西洋の力が徳川様のためになる何かがあるかも知れぬ。
それが何かを自分の目で確かめる」という葛藤の末に自身が出した決意。

唯一そのアメリカ人として登場するヒュースケンには「力の何たるか」を
少しなりとも暗示させる知的な人物像であってほしかった。
それが・・・・「オンナ、オンナ、ホシイ~」じゃぁ・・・・
何かを得ようとの想いの万二郎が・・・不憫じゃ!!

と同時に幕府の説明処的に登場する井伊直弼達にも重厚さがほしかった。
「金、金」と連呼するのも少々安直すぎるような気もする。

万二郎の武士としての苦悩の背景がちょっと貧弱かな?と。
3回観て、その違和感がどうしてもぬぐいきれませんで・・・

そしてラスト。

「陽だまりの樹」をむしばむ如くの者達に、万二郎は一人立ち向かう。
かって父から「我らはいずれは徳川様のとなる」と言われたように
」になるべく良庵を振り切って行ってしまう。

のこされた良庵は「俺は生き抜いて人を救う」と・・この後に決め台詞
があるんですが・・・
良庵の台詞には満足!としている私ですが、ここで万二郎の消えゆく
背中をみながらムクムクと、またも<良~庵、言ったれ~>と思って
しまうのです。

「(万二郎の)命が土になったとしても、そいつらには踏ませねぇ」
くらいの言葉を友に投げかけてほしいな~

そんなひとことがあったなら、長大な原作の中での生き方の違う
二人の男の物語として、私の中でストンと収まるような気がします。

まぁ、素人のたわごとですが・・・
そんなことを考えながらも、この舞台との一体感は何回でも味わいたいと
思える楽しいものでした。

観ていて「明治座あたりの劇場にも合うお芝居かな?」と思ったり・・・。
回り舞台も花道もあるし暗転もスムーズにいくな~などとボンヤリ
考えてましたが・・・そうなると、チケット代がぁぁだわぁ!

チケット・・・幕が下りて気持ちが高揚してますと、大阪名古屋公演の
空席状況に目が・・・《うう、GETしちゃおうか!?》と。
そんな私に隆友さんが「どうします?私もご一緒しますよ」なんて言う。

お~っと、いけねーいけねーと我に返り「冷静になろう」と笑い合って
しまいました。

また皆さんのレポを楽しみにしましょう。

キャスト、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
更に進化した「陽だまりの樹」が喝采をあびること、祈ってます。