3月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。3月に入ると春の花が一斉に咲きだし、140品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿させていただきます。
今回も、2月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
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インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生します。最短でも2年に一度2日間しか咲かない、世界最大の花として有名になりました。
つくば実験植物園では、令和5年5月に開花した2個体の本種を交配させたところ、結実し種子を得ることができました。
種子をまいたところ、令和5年12月12日に発芽が確認され、次世代へと命をつなぐことに成功しました。栽培下で結実し種子が得られるのは世界でもまれで、日本では初めてです。
<ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻) サトイモ科コンニャク属>
3/4 つくば実験植物園
別名スノーポピーとも呼ばれる、中国東部原産の耐寒性多年草で、中国東部の山地に自生しているケシ科の植物です。
春に長い花茎を伸ばして4弁の白い花を咲かせます。花茎5cmほどの花の中心部に黄色の雄しべをつけている姿はケシを想起させます。
<シラユキゲシ(白雪芥子) ケシ科エオメコン属>
3/27 あけぼの山農業公園
北半球と南アフリカにおよそ200~300種が分布します。一年で枯れる一年草、毎年咲く多年草、大きく生長して低木状になるものなど、種によって形態は様々です。
その中で主に草花として園芸で親しまれているのはムシトリナデシコとフクロナデシコの2種です。
いずれも春から初夏に書けてサクラソウに似た可愛らしい花を咲かせます。
<シレネ ナデシコ科マンテマ属(シレネ属)>
3/15 あけぼの山農業公園
春や夏の温かい時期には、中国の東北地域やロシアで繁殖し、10月頃になると越冬のめ日本へ渡来してきます。
積雪の無い低地に生息するため、市街地や公園など、人の生活圏内で見かけることが多く、日本でも冬鳥として、雪が少ない西日本で多く見かけられます。
大きさや体型、動作は近縁のツグミに似ていますが、腹は白っぽい(ツグミは斑模様がある)のが名前の由来です。
<シロハラ スズメ目ヒタキ科 全長約24cm>
3/13 アンデルセン公園
1912年に日本からアメリカのワシントンDCに寄贈された「ソメイヨシノ」と、別種の桜がアメリカで交雑してできた実生の桜に米名「akebono」という品種があります。
これを逆輸入して日本の神代植物園で接ぎ木して育てたうちのひとつが、「akebono」と異なった特徴をもっていました。
ソメイヨシノより木が少し小さく、開花が1~2日早く、ピンク色が少し濃い色をしています。花により濃淡があり、花色が自然なグラデーションになるのも特徴です。
<ジンダイアケボノ(神代曙) バラ科サクラ属>
3/27 あけぼの山農業公園
原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。
樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。
香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、夏のクチナシ、秋のキンモクセイを合わせて三大香木と称されます。
<ジンチョウゲ(沈丁花) ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属>
3/15 あけぼの山農業公園
ヒガンバナ科スイセン属の球根植物。純黄色の大型ラッパスイセンです。
早春の他の多くの品種がまだ芽を出さないうちに開花する極早生種です。
花形も一番スイセンらしいスタイルの黄色ラッパで、親しみを持ちやすい品種です。
<スイセン・アーリーセンセーション ヒガンバナ科スイセン属>
3/4 つくば実験植物園
ヒガンバナ科スイセン属の耐寒性球根(12月~4月)。草丈が低く、ミニ水仙とも呼ばれます。
茎先に散形花序を作り頭花に「黄色い萼3枚、花弁3枚」の6枚で、ラッパ状の全体が黄色い小さな水仙を咲かせる園芸品種になります。強い香りがあります。
本種の名前は「ヒソヒソ話」という意味で花を頭に見立てて、群生している様子を表しています。
<スイセン・ティタティタ ヒガンバナ科スイセン属>
3/13 アンデルセン公園
本種はタゼッタ(房咲き)水仙の一種で、房咲水仙とも呼ばれていることがあります。日本水仙と時期的に同じころに咲きだす真っ白いスイセンです。
日本水仙は黄色い副花冠がワンポイントですが、本種は副花冠が花弁の白と同じ白に染まっています。
このスイセンは、江戸時代に薬草として持ち込まれた外来種です。園芸種ではないので、点在して野山にも咲いている花です。
<スイセン・ペーパーホワイト ヒガンバナ科スイセン属>
3/13 アンデルセン公園
糸ススキの斑入り園芸品種で、葉の幅が5mm程度の細い糸葉を持ちます。全体的な大きさも80cmほどに収まります。
細くシャープな葉に白い斑が入り爽やかな印象で、秋に出る穂は赤く葉色とのコントラストが映えます。
<ススキ「モーニングライト」 イネ科ススキ属>
3/4 つくば実験植物園
本種はスティックタイプのブロッコリーで、地中海原産のブロッコリーを品種改良してできた日本生まれの品種です。
一般的なブロッコリーは先端にできる大きなつぼみを収穫する野菜ですが、それに対し本種はわき芽がよく出るようにした品種で、次々と出てくるわき芽のつぼみを収穫します。
蕾がつく茎もやわらかく、アスパラガスのような食感と風味を味わうことができます。冬から春にかけて4〜5か月と長く収穫が楽しめます。
<スティックセニョール アブラナ科アブラナ属>
3/4 つくば実験植物園
水仙に似た葉を持ち、3月~4月に鈴蘭のようなベル形の花を下向きに咲かせる球根植物です。
白い花弁の先端は小さく6つに裂けていて、その先端一つ一つに、緑色のドット模様が付いているのが特徴的です。
葉が水仙に似ていて、花が鈴蘭に似ていることから鈴蘭水仙とも呼ばれています。
<スノーフレーク(鈴蘭水仙) ヒガンバナ科スノーフレーク属(レウコユム属)>
3/15 柏の葉公園
成長すると1メートルから1.5メートルになります。北海道から沖縄まで、どこにでも自生する植物で、菜の花として河川敷などで春に見ることができます。
空き地にも生えているので珍しい植物ではありません。花はアブラナの花にそっくりです。群生しやすいため、あたり一面黄色くなることもあり見ごたえがあります。
「からし菜」として栽培される植物で、おひたしや漬物、炒め物に使うことがあります。スーパーで売られているからし菜は、本種のことです。
花はアブラナの花にそっくりです。花は黄色でとてもかわいらしいです。茎が細く、風でなびきやすいので、群生すると金色の絨毯がそよいでいるように見えます。
<セイヨウカラシナ アブラナ科アブラナ属>
3/22 大堀川
明治期にヨーロッパから入ってきた外来種で日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
これは季節と関係なく花をつけるため繁殖力が強く、野原で見られるタンポポの多くはこの花です。
別名「食用タンポポ」とも呼ばれ,ヨーロッパでは野菜として利用されています。地上部は少し苦みがあっておいしいので、サラダなどにして食べることができます。
<セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) キク科タンポポ属>
3/22 大堀川畔
ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布するカバノキ科ハシバミ属の落葉低木。早春には黄緑色の独特な花を咲かせます。
堅果は、日本でもヘーゼルナッツの名で売られており、栄養価が高く、タンパク質や脂質、ビタミンE、ミネラルなどを含んでいます。そのほとんどがトルコ産です。
ヨーロッパでは、日本の栗のように一般の人々に親しまれてきた食用堅果で、聖書にも登場します。
<セイヨウハシバミ(西洋榛) カバノキ科ハシバミ属>
3/4 つくば実験植物園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「3月の花のアルバム④」15品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「3月の花のアルバム ⑤