先日、映画「セブン・イヤーズ・インチベット」のDVDを見ました。http://ja.wikipedia.org/wiki/セブン・イヤーズ・イン・チベット
この映画のあらすじは以下の通りです。第二次大戦での英独開戦のために、インドにおいて英国の捕虜となったブラッド・ピット演じるオーストリア人の登山家ハインリッヒ・ハラーが、チベットまで逃走し、その後、若き日のダライ・ラマ法王14世と親しくなり、平和で人々の気持ちが豊かなチベットにおいて暮らすかに見えました。彼はチベットでの生活やダライ・ラマ法王との触れ合いにおいて、人間性も大きく変えられました。しかしながら、後半では中国共産党がチベットの「統一」を表明し、チベットの事態は深刻になります。ハラー自身もチベットを出る決意を余儀なくされました。
この映画は実話を基にしただけあり、後半での中国人民解放軍の侵攻等について、当時のチベットの住民の気持ちになってリアルに捉えることができる映画です。12年前の映画ですが、本年は中華人民共和国建国60周年、チベット蜂起及びダライ・ラマ法王亡命50周年という節目の年であり、また昨年チベットにおいて騒乱が起こったことも鑑みれば、チベット問題の入門映画として今こそ見られるべきだと思われます。
ダライ・ラマ法王は、武力による独立を主張していません。むしろ自治の拡大を要求しているわけですが、中国の「チベット自治区」は中国の他の地方政府と同様、チベット人が務める主席ではなく、他地域出身の共産党の書記が実権を握っており、「自治」の言葉からは程遠いのが現状です。中国による統治において、チベット人の人権や信仰、伝統は踏みにじられてきました。中国のチベット自治政府のHPhttp://www.xizang.gov.cn/index.doを見ると、本来ダライ・ラマ法王の宮殿でありながら、現在実質的に単なる観光地とされているポタラ宮に五星紅旗の画像を被せ、「慶祝中華人民共和国成立60周年」という文字が出ますが、これはその象徴といえます。また、同じ箇所を見ていると「慶祝西蔵(チベット)民主改革50周年」という文字に変わりますが、中国にとってはダライ・ラマ法王の亡命が「民主改革」と見なされていることが良く分かります。
ダライ・ラマ法王の主張は、チベット蜂起50周年の声明によくまとめられています。http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/message/uprising50th.html
さて、そのダライ・ラマ法王は、現在訪日中です。先月30日に到着し、今月7日まで滞在する予定で、各地で講演を行います。http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2009japan/index.html
ダライ・ラマ法王は中国の胡錦濤国家主席が掲げる「和諧(調和)社会」について、「全面的に支持するが、真の調和とは武器や金では得られない」と皮肉りました。離日後は、中印が係争するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州を訪問するとのことで、中国側の動きが注目されます。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091031/chn0910311741001-n1.htm
オバマ米大統領はダライ・ラマ法王と会談しませんでしたし、鳩山首相もその予定はありません。先進国のリーダーは、チベット問題等の中国の深刻な人権問題の改善に、もっと尽力すべきです。それこそが「人間の安全保障」、あるいは鳩山首相の大好きな「友愛」ではないでしょうか。
この映画のあらすじは以下の通りです。第二次大戦での英独開戦のために、インドにおいて英国の捕虜となったブラッド・ピット演じるオーストリア人の登山家ハインリッヒ・ハラーが、チベットまで逃走し、その後、若き日のダライ・ラマ法王14世と親しくなり、平和で人々の気持ちが豊かなチベットにおいて暮らすかに見えました。彼はチベットでの生活やダライ・ラマ法王との触れ合いにおいて、人間性も大きく変えられました。しかしながら、後半では中国共産党がチベットの「統一」を表明し、チベットの事態は深刻になります。ハラー自身もチベットを出る決意を余儀なくされました。
この映画は実話を基にしただけあり、後半での中国人民解放軍の侵攻等について、当時のチベットの住民の気持ちになってリアルに捉えることができる映画です。12年前の映画ですが、本年は中華人民共和国建国60周年、チベット蜂起及びダライ・ラマ法王亡命50周年という節目の年であり、また昨年チベットにおいて騒乱が起こったことも鑑みれば、チベット問題の入門映画として今こそ見られるべきだと思われます。
ダライ・ラマ法王は、武力による独立を主張していません。むしろ自治の拡大を要求しているわけですが、中国の「チベット自治区」は中国の他の地方政府と同様、チベット人が務める主席ではなく、他地域出身の共産党の書記が実権を握っており、「自治」の言葉からは程遠いのが現状です。中国による統治において、チベット人の人権や信仰、伝統は踏みにじられてきました。中国のチベット自治政府のHPhttp://www.xizang.gov.cn/index.doを見ると、本来ダライ・ラマ法王の宮殿でありながら、現在実質的に単なる観光地とされているポタラ宮に五星紅旗の画像を被せ、「慶祝中華人民共和国成立60周年」という文字が出ますが、これはその象徴といえます。また、同じ箇所を見ていると「慶祝西蔵(チベット)民主改革50周年」という文字に変わりますが、中国にとってはダライ・ラマ法王の亡命が「民主改革」と見なされていることが良く分かります。
ダライ・ラマ法王の主張は、チベット蜂起50周年の声明によくまとめられています。http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/message/uprising50th.html
さて、そのダライ・ラマ法王は、現在訪日中です。先月30日に到着し、今月7日まで滞在する予定で、各地で講演を行います。http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2009japan/index.html
ダライ・ラマ法王は中国の胡錦濤国家主席が掲げる「和諧(調和)社会」について、「全面的に支持するが、真の調和とは武器や金では得られない」と皮肉りました。離日後は、中印が係争するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州を訪問するとのことで、中国側の動きが注目されます。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091031/chn0910311741001-n1.htm
オバマ米大統領はダライ・ラマ法王と会談しませんでしたし、鳩山首相もその予定はありません。先進国のリーダーは、チベット問題等の中国の深刻な人権問題の改善に、もっと尽力すべきです。それこそが「人間の安全保障」、あるいは鳩山首相の大好きな「友愛」ではないでしょうか。