18日から通常国会が召集された。言うまでもなく、国会召集は憲法7条による天皇の国事行為である。また、国会開会式で陛下がお言葉を述べられるのは、公的行為とされている。
政府与党は二次補正の早期成立を目指しているが、野党側は鳩山首相や小沢幹事長が渦中にある「政治とカネ」問題の追及に躍起になっている。
とりわけ小沢氏の陸山会の4億円不記載問題は、先週東京地検特捜部による強制捜査や元秘書の石川議員ら3名の逮捕によって、急展開した。この件について、メディアでは様々な報道がなされている。それに対して政府与党からは、「検察のリーク」として問題視する動きもある。確かに、我々はメディアを飛び交う様々な情報を、鵜呑みにすべきではない。捜査と裁判は推定無罪の原則で、法と証拠に基づかねばならぬということを、再認識する必要がある。
とはいえ、政府与党が政府機構の一部である検察庁を大っぴらに批判するというのは納得し難い。検察の独立性を保つ様努めるのが、本来のあり方ではないか。
いずれにせよ、小沢氏の疑惑は本件にせよ、西松事件にせよ、必ずしも明らかではないことが多い。法廷で争うことが多くなるだろう。ただし、小沢氏の説明責任が果たされていないのは誰の目にも明らかだ。今回は少なくとも秘書が故意に不記載を行ったのは事実の様であり、これだけでも鳩山首相がかつて嘯いていた「秘書の罪は議員の罪」との言葉が当てはまる。民主党の政治責任は重い。
今国会で残念なことは、「政治とカネ」の話題が中心になりそうなことだ。現在の我が国における喫緊の課題は、何といっても経済だ。一昨年の秋以降、百年に一度の大不況下であるにも関わらず、多額の国債残高と超低金利によって、財政・金融とも新たに思いきった政策を行うのは困難という苦しい状況にあることを、我々は認識すべきだ。いずれにせよ、短期的には財金が協調して需給ギャップを埋めねばならない。あわせて、中長期的な成長戦略と財政健全化の道筋を編み出す必要がある。鳩山内閣は予算編成で迷走気味であったし、年末に発表した成長戦略も抽象的すぎる。マニフェストを修正したとはいえ、それでも史上最多の予算案であり、財政健全化も難しそうに思える。
外交安保も重要だ。閣内不一致や朝令暮改を続けた普天間基地移設問題は、結局5月に決定するとされた。現行の日米安保は50年を迎えたが、今後の日米関係に不安を覚える。
また、特例ご引見問題もうやむやにしてはならない。本件は憲法や皇室という我が国の根本に関わる問題であるにもかかわらず、政府与党からは、未だに納得できる説明がなされていない。
疑惑の追及も大事だが、それによってこれらの重大問題がうやむやにされてはならない。各党には、建設的な審議を期待する。
政府与党は二次補正の早期成立を目指しているが、野党側は鳩山首相や小沢幹事長が渦中にある「政治とカネ」問題の追及に躍起になっている。
とりわけ小沢氏の陸山会の4億円不記載問題は、先週東京地検特捜部による強制捜査や元秘書の石川議員ら3名の逮捕によって、急展開した。この件について、メディアでは様々な報道がなされている。それに対して政府与党からは、「検察のリーク」として問題視する動きもある。確かに、我々はメディアを飛び交う様々な情報を、鵜呑みにすべきではない。捜査と裁判は推定無罪の原則で、法と証拠に基づかねばならぬということを、再認識する必要がある。
とはいえ、政府与党が政府機構の一部である検察庁を大っぴらに批判するというのは納得し難い。検察の独立性を保つ様努めるのが、本来のあり方ではないか。
いずれにせよ、小沢氏の疑惑は本件にせよ、西松事件にせよ、必ずしも明らかではないことが多い。法廷で争うことが多くなるだろう。ただし、小沢氏の説明責任が果たされていないのは誰の目にも明らかだ。今回は少なくとも秘書が故意に不記載を行ったのは事実の様であり、これだけでも鳩山首相がかつて嘯いていた「秘書の罪は議員の罪」との言葉が当てはまる。民主党の政治責任は重い。
今国会で残念なことは、「政治とカネ」の話題が中心になりそうなことだ。現在の我が国における喫緊の課題は、何といっても経済だ。一昨年の秋以降、百年に一度の大不況下であるにも関わらず、多額の国債残高と超低金利によって、財政・金融とも新たに思いきった政策を行うのは困難という苦しい状況にあることを、我々は認識すべきだ。いずれにせよ、短期的には財金が協調して需給ギャップを埋めねばならない。あわせて、中長期的な成長戦略と財政健全化の道筋を編み出す必要がある。鳩山内閣は予算編成で迷走気味であったし、年末に発表した成長戦略も抽象的すぎる。マニフェストを修正したとはいえ、それでも史上最多の予算案であり、財政健全化も難しそうに思える。
外交安保も重要だ。閣内不一致や朝令暮改を続けた普天間基地移設問題は、結局5月に決定するとされた。現行の日米安保は50年を迎えたが、今後の日米関係に不安を覚える。
また、特例ご引見問題もうやむやにしてはならない。本件は憲法や皇室という我が国の根本に関わる問題であるにもかかわらず、政府与党からは、未だに納得できる説明がなされていない。
疑惑の追及も大事だが、それによってこれらの重大問題がうやむやにされてはならない。各党には、建設的な審議を期待する。