映画のあらずじ、ネタばれがありますので
まだ観ていない方は読まないでください。
私の楽器の稽古をやめた後の音楽との接し方は
極普通の昭和30年代生まれのものだったと思う。
昭和の歌謡曲からはじまり、年齢を重ねるごとに
フォークソング、ニューミュージックと呼ばれた一連のJポップ
カーペンターズや、ジョンデンバー、クィーン、ミッシェルポルナレフ
古典的なロック、ハードロック、プログレッシブロック
やがて、マイケルジャクソンやマドンナなどの80年代のアメリカンポップス
一方で山口百恵さんやキャンディーズなどのアイドルソングを聞きながら、
カッコをつけて洋楽だけを聞いているふりをしているというものだった。
(私は昭和35年生まれなのでビートルズ世代ではない。ビートルズというよりは
ジョンレノンのアルバムをロックのアーティストの一人として聞いた世代だ。
しかし中学の昼休みに決まってかかったのはビートルズかジョンデンバーだったけど)
それは音楽を奏でる側ではなく、聞き手になって楽しむという。
誰もがしている趣味の楽しみであった。
結婚をして子育てをして忙しく働いてゆく中でも
音楽を聞く楽しみは大いに私の生活を潤わせ助けてくれた。
そのうちカラオケなるものが発明されて、
飲み屋や、専用のカラオケ屋ができるようになると
唄う事は私の一番のストレス解消になっていった。
『歓びを歌にのせて』
2004年スェーデン映画 日本での公開は2005年
あらすじは
「音楽で人の心を開きたい」という夢を抱く人気指揮者ダニエル・ダレウスは、公演直後に心筋梗塞を起こし舞台で倒れ
一命は取り留めたが、それを機会に第一線から退いてしまう。
病を押して彼が隠遁の地に選んだのは7歳のときに後にした故郷の村。
酷い虐めにあった苦い思い出の地だ。
転居して早々、ダニエルはスポーツ店主アーンから教会の聖歌隊への助言を求められる。
聖歌隊に関わる村人たちはそれぞれ不満や悩みを抱えていた。
初めは指導をためらっていたダニエルだったが、
音楽の力を信じ、「声を感じあう」という独自の指導を始める。
次第に音楽の歓びに浸っていく村人たちであったが、
教会のスティッグ牧師は変化を嫌って干渉し始める。
村でのコンサートが成功し、アーンが申し込んだコンクールから招待状が届く…。
wikiからの引用を要約
この合唱をテーマにした音楽映画は
人が歌うという事の原点みたいなものを感じさせてくれた。
私はある人に
声は「その人個人の波動を一番ストレートに表現したもの」
と言われた。
言われてみれば、確かにそうだなと思った。
カラオケを歌っていて楽しい一番の理由は
自分の声を聞く事ができるからだと私は思っている。
それは普段の会話とは格段に大きく
発声する事で体が震え、
スピーカーから伴奏といっしょに流れる声を体に自身が浴びる事で
より一層自己の波動を確認できるからだと感じている。
うまい下手は確かにあるが、
自分の存在を十分確認できると共に、何かを自分なりに表現するという
心のベースにある歓びを
カラオケをして感じるられる事が
心をナチュラルな状態に導いてくれると思っている。
接待カラオケや、合コンやその他イベントとしてのカラオケの他に
最近一人カラオケが流行ってきているは、
単純にストレス解消と自己ヒーリングの効果が十分にあるからだと
20年以上前から恥ずかしげもなく一人カラオケをしていた私は
遅まきなブームを知り納得している。
映画『歓びを歌にのせて』は
「歌う」という
人間が原初の時代から自然と行ってきた本能的な行為のもつ
素晴らしい治癒力と、
合唱をするというハーモニーの原点が
命の根源と繋がっている事を見事に表現した作品であった。
私はこの映画を観て
歌う事のより深い力と意味を信じる事ができるようになった。
みなさん
辛くなったらお風呂でもいいからまず好きな歌を歌ってみてください。
ほんの少しですが、心が軽くなると思いますよ。
音楽は、音を楽しめればそれで十分なのですから。
歓びを歌にのせて [DVD]エイベックス・ピクチャーズ