フェルメール展を観に上野へ行ったついでに、池之端仲町通りにある守田治兵衛商店の胃腸薬の逸品「宝丹」(10g・1,500円)を買う。守田治兵衛商店は、なんでも延宝8年(1680年)創業で、現在13代目という東京最古の薬舗。宝丹は文久2年(1862年)創薬というから150年近い歴史をもつ。小さなアルミ缶に入った散薬で、夏の暴飲暴食で疲れた胃には、なんともすっきりここちよい。西南の役、さらには日清・日露の戦争では兵隊さんの必携薬として活躍したという。これさえあれば、今日もお酒がおいしく飲めるというもの。
守田治兵衛商店がある仲町通りは、不忍通りの一本裏の道というのだろうか、日が落ちればネオン街の灯りがともるにぎやかな通りだが、そばの「蓮玉庵」、指物の「京屋」など老舗も多い。漱石の「我輩は猫である」にもこの仲町通りは待合の多い街として紹介され、もちろん宝丹も出てくる。実際、待合や芸者の置屋が多かったのだという。そんな往時を忍びながら歩くのも楽しく、さらに湯島方向へまわり松坂屋の斜め前にある「うさぎや」でどら焼きを買って帰ったのだった。
守田治兵衛商店がある仲町通りは、不忍通りの一本裏の道というのだろうか、日が落ちればネオン街の灯りがともるにぎやかな通りだが、そばの「蓮玉庵」、指物の「京屋」など老舗も多い。漱石の「我輩は猫である」にもこの仲町通りは待合の多い街として紹介され、もちろん宝丹も出てくる。実際、待合や芸者の置屋が多かったのだという。そんな往時を忍びながら歩くのも楽しく、さらに湯島方向へまわり松坂屋の斜め前にある「うさぎや」でどら焼きを買って帰ったのだった。