ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

猛暑の夏、中国整体、辛口の大吟醸とアンゲロプロス、iPadをタップする指に酔う。

2010年09月16日 | アフター・アワーズ
 ようやく夏が終わりつつある今日この頃。9月だというのに35度近い猛暑日が続いたが、日は短くなり、公園の緑は黄色くなってきている。こんなに暑くても天体の動きは変わらず、時期が来れば自然の営みは秋を召喚するのだと思った。

 8月の始めにジョギングでの足の疲労と会社の冷房で、左足が痛くなったのでうまいと評判の狭山の中国整体に行った。とにかく「痛い!」。だが、翌日すっかり治った。これはすごい。

 夏休みは、8月の終わりにいつもながら安曇野で過ごした。蔵久という造り酒屋の古民家を改装した食事処にいくと、冷房はありませんがよろしいですかと親切にもたずねてくれ、うちわを渡された。まあ、昔はみんなこんなものだったのだが、今年は格別暑くて避暑にはならなかった。中日に猛暑のなか小布施を訪ねた。北斎館一帯が修景事業として街並みと景観の統一が図られ、「小布施の奇跡」とまで言われた町おこし、確かに他にはない場所ではあるが、その中心が酒造会社の一族が所有する土地であったことや、その一族から町長が出ていたことなど、様々な条件があって可能なことだったのだろう。「セーラが街にやってくる」で紹介されたアメリカ人女性の奮闘も、町づくりに大いに貢献したらしい(地元では賛否両論らしいが、ビジネスの成功譚としてはおもしろい)。升一市村酒造の重厚でモダンな店舗設計(これは一見の価値あり)、商品開発はセーラの手によるものとか。純米大吟醸の「鴻山」、純米酒「スクエア・ワン」を購入。純米酒の方はぬる燗がむいているようだから、そろそろよさそうだ。大吟醸はすぐに飲んでしまった。

 安曇野から帰ると8月の終わりBS2でアンゲロプロス特集をやっていた。「永遠と一日」「エレニの旅」をふたたび観ることができた。「エレニ」、いつも叫びとともに呼ばれる名前よ。映画がモーションピクチャーであることの官能性の極致。感動するのはエレニの悲劇だからではない。映像そのものが脳のある部分を刺激して心臓をわしづかみにする。そんな映画だ。

 最近読んだ本で一気読みだったのは、垣根涼介著「ワイルド・ソウル」(幻冬社文庫)。ブラジル移民のルサンチマンを受け継ぐ子供たちによる日本政府への復讐劇。小説なら何でもできる。

 9月に入って、ヤマダ電器をのぞくと、iPad在庫ありとの惹句に吸い寄せられた。こちらの心を見透かした売り子のお姉さんが、優しく説明してくれ、画面をタップする指に妙にエロを感じて、「ほしい」と言ってしまった。もちろん、ほしいのはiPadだ。そんなわけで、最近はすっかりどこに行くにもこの道具を携帯しているのだった。
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