雑誌『東京人』10月号の特集「アウトロー列伝」がおもしろい。アウトローという言葉そのものが、死語になりつつあるような時代に、なかなか骨のある企画で楽しめた。アウトローとは法の外を歩くが、掟に生きる反骨の人とでもいおうか。義侠の人・平岡正明が座頭市への愛を語った一文がすばらしい。勝新こそ、アウトローを演じて右に出るものがない最強のアウトロー俳優だろう。
アウトローといえば男性をイメージするが、この特集では阿部定を唯一女性として列伝に加えている。お定さんは刑期を終えた後、名前を変えて職を転々とするが、その後どうなったかまったく不明という。あれだけの有名人なのだからいくら名前を変えたとはいえ、亡くなれば風の便りに噂が聞こえてこよう。だからもしかしたら100歳を越えてまだ存命かもしれない、といったおもしろすぎる推理さえ呼び起こす。世間の外に消えたのでアウトローというわけだが、阿部定事件あと、ちんちん電車で女性車掌が「切符切らせてください」というと車内が爆笑に包まれたという有名なエピソード、この話は中学時代に野末陳平の本で知って以来、僕の大好きなアネクドーツの一つだ。男はアルゼンチン、女はナイチンゲールなんてーのもあった。
チンがチンを呼んだのか、アルゼンチンの歌手リリアナ・エレーロをおととい知った。「風の告白」というアルバムを貸してくれる人がいて、iPodに入れて通勤電車で聴いていたら、6曲目の「アルガモンテのサンバ」で目頭が熱くなった。大地を撫でるようなざらっとした声だが、豊かな伸びのある高音、自在に声色を操りながら悲しさと力強さを湛えた歌声は心にしみる。アタウアルパ・ユパンキの「ギターよ、教えておくれ」なども歌っていて、フォルクローレの名曲を集めたアルバムらしい。ギター一本の伴奏で歌い上げる楽曲がなんといってもすばらしく、アルゼンチンの女性大御所歌手、メルセデス・ソーサをして後継者と言わしめたという。「アルガモンテのサンバ」を聴くべし。
ユパンキは、25年くらい前、スペインのバルセロナで幸運にもコンサートをみることができた。教会前に拵えたステージで、教会の扉をギギッと開け、ギター一本抱えたユパンキが登場したとき、間違いなくオーラが差していた。かつての征服者の国でインディオの哀歌を歌うユパンキにいたく感動したものだ。リリアナ・エレーロの歌はしばらく忘れていたユパンキやあのときのバルセロナの風などを思い起こさせるのだった。
アウトローといえば男性をイメージするが、この特集では阿部定を唯一女性として列伝に加えている。お定さんは刑期を終えた後、名前を変えて職を転々とするが、その後どうなったかまったく不明という。あれだけの有名人なのだからいくら名前を変えたとはいえ、亡くなれば風の便りに噂が聞こえてこよう。だからもしかしたら100歳を越えてまだ存命かもしれない、といったおもしろすぎる推理さえ呼び起こす。世間の外に消えたのでアウトローというわけだが、阿部定事件あと、ちんちん電車で女性車掌が「切符切らせてください」というと車内が爆笑に包まれたという有名なエピソード、この話は中学時代に野末陳平の本で知って以来、僕の大好きなアネクドーツの一つだ。男はアルゼンチン、女はナイチンゲールなんてーのもあった。
チンがチンを呼んだのか、アルゼンチンの歌手リリアナ・エレーロをおととい知った。「風の告白」というアルバムを貸してくれる人がいて、iPodに入れて通勤電車で聴いていたら、6曲目の「アルガモンテのサンバ」で目頭が熱くなった。大地を撫でるようなざらっとした声だが、豊かな伸びのある高音、自在に声色を操りながら悲しさと力強さを湛えた歌声は心にしみる。アタウアルパ・ユパンキの「ギターよ、教えておくれ」なども歌っていて、フォルクローレの名曲を集めたアルバムらしい。ギター一本の伴奏で歌い上げる楽曲がなんといってもすばらしく、アルゼンチンの女性大御所歌手、メルセデス・ソーサをして後継者と言わしめたという。「アルガモンテのサンバ」を聴くべし。
ユパンキは、25年くらい前、スペインのバルセロナで幸運にもコンサートをみることができた。教会前に拵えたステージで、教会の扉をギギッと開け、ギター一本抱えたユパンキが登場したとき、間違いなくオーラが差していた。かつての征服者の国でインディオの哀歌を歌うユパンキにいたく感動したものだ。リリアナ・エレーロの歌はしばらく忘れていたユパンキやあのときのバルセロナの風などを思い起こさせるのだった。
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