こころ煌くとき[CARPE DIEM」

日々心の煌く時,写真を通して公開していきます。

燕温泉

2006年10月30日 08時47分35秒 | 山旅
 真っ暗闇の恐怖は四国の山で何度か経験していたが、遭難の危険を感じながらの下山は精神をすり減らしてゆく。小さな沢が下山道に見え、少し下っては目印の無いことに気づき引き返す。この繰り返しを2時間余りも続けると気持ちも萎え投げやりな気持ちとなってくる。

 ここで役に立ったのは2つのライト、予備用にヘッドライトを持ってきていたので片手に持って周囲を照らしながら進む。雨のため渓流のようになった下山道を足下に注意しながら下ると突然2m程の道とぶつかった。そして注意書きの立て看板を見て助かったと思った。

 そこには正規の登山道が崩壊しているため別ルートの案内が書かれてあった。ここでも情報収集不足を痛感する。小さなミスが重なって重大事故が発生することを思い知らされる。

 重い足取りで橋を渡ると突然町が現れた。燕温泉、しかし予約をしていないし、時間も午後8時を過ぎている。果たして泊めてもらえるか。1件の旅館のドアを開けるとそこには80歳前後の女性が座っていた。宿泊したいとの申し出に快く応じてもらって夕食には自家製のそばをご馳走になった。感激そして秘湯に1時間余りも浸かって疲れを癒した。

遭難の危機

2006年10月23日 21時32分14秒 | 山旅
 黒沢池ヒュッテを昼過ぎに通過して安易に燕温泉まで下山できると判断した私の自信過剰がこの後8時間に及ぶ苦闘を呼ぶことになった。前日雨飾山を踏破し翌日もタクシーで計画が早まったこともあって奢りが心に芽生えていたと思う。

 笹ケ峰からの登りをノンストップで火打山を踏破し黒沢池ヒュッテを通過、地形図を読み6時間程で下山できると判断、妙高頂上へと向かった。しかし妙高への直登は沢登りの様相を呈していてかなりの時間を要してしまう。

 休憩を取らずひたすら燕新道を下山する。予定時間を1時間余りオーバーして大倉沢に到着、午後5時30分、かなり薄暗くなっている。四国の感覚で時間を計っていた自分の甘さを痛感。

 更に前日からの雨で徒渉地点が無くなっている。徒渉地点を見つけるべく上流下流と探し、意を決して水流の少ないところを見つけ徒渉。がここから登山道を探すことに時間をついやしてしまう。白い石が日暮れとともに登山道への矢印を同調化させてしまっている。

 ビバークを考えるべく場所を選定している内、幸運にも登山道を発見。しかしこれも結果オーライで遭難の危険を孕んでいる。この後、数時間闇夜と格闘となる。

山に向き合って

2006年10月17日 20時15分06秒 | 山旅
 一人山に向かい合って深く自分を見つめ直す機会を与えてもらった山に感謝をしたい。用意周到に計画をしたと思っていても所詮自然の力にはかなわない。雨の中黙々と大地を踏みしめながら登山開始6時間あまり目的の山荘に昼に到着。

 ここから私の傲慢が始まる。一気に妙高山を登頂して温泉に!! 午後0時30分山荘の扉を押して掃除をして間がないフロントに声をかける。「今日宿泊を予約しているものですが、予定より早く着きましたので山頂を極めて下山をします。」

 奥から出てきた女性は疲れ気味で「わかりました。お名前は」の言葉とこちらの返事に相づちを打っていたがバッチの購入を済ませると奥に消えてしまった。

 ここから登山開始14時間に及ぶ苦闘が始まる。

火打山山頂

2006年10月16日 06時48分24秒 | 山旅
 雨の中黙々と登り続けて平坦なところに到着。そこは火打山山頂だった。誰もいない。周りの景色も写真のとおり何も見えなかった。地形図から辺りを想像して登頂の余韻に浸っていたが、時折吹く突風に体感温度はかなり下がっている。
 
 雷鳥とでも会わないかと辺りを探してみたが見あたらないことから下山を開始する。

天狗の庭

2006年10月15日 08時55分55秒 | 山旅
 木道を登りつめると、だだっ広い湿原が現れる。標高2100mに居るとは信じがたい。天狗の庭と名付けられていることからもその広さがわかる。暫く湿原に延びる木道をひたすら歩く。距離感覚が鈍ってくる頃、木階段が現れる。

 火打山への最後の登りをがんばる。

標高2000mの庭園

2006年10月13日 06時48分12秒 | 山旅
 高谷池を後にして暫く行くと少し登りとなったあたりに幻想的な岩と高原植物の織りなす庭園が現れた。自然の作り出す妙に何回となくシャッターを切る。周りが見えないだけに感動も大きい。晴れていれば多くの花に巡り会えたかもしれないが、霧の中に浮かぶ小宇宙も捨てたものではない。

 このブログの前に遭難事故について投稿したけれども、この妙高山塊でホワイトアウトしたらまず動けないだろうと思った。山は魅惑を秘めているだけに豹変すれば人間の力では到底及ばないものがあることも事実である。

遭難事故に思う

2006年10月12日 06時18分23秒 | 山旅
 白馬岳と穂高岳で悲惨な遭難事故が発生したことに山を愛する一人として残念でならない。単独行を山スタイルとしている自分にとっては判断の甘さは即遭難につながるものと思っている。自分の身は自分で守る感覚は研ぎ澄まされていたのか!!

 今年の夏、東北の名峰岩木山に登った。1600mの独立峰で秀麗な山は登山者を引きつけてやまない。しかしこの山での遭難事故は田澤拓也さんの「空と山のあいだ」で団塊の世代「中高年の登山ブーム」に警鐘を鳴らしている。厳冬期の高校生5名の遭難は捜索5日間に及ぶ壮絶な記録でいつまでも私の登山行での戒めとして心に残っている。

高谷池

2006年10月10日 06時31分07秒 | 山旅
 高谷池ヒュッテから50m程歩くとそこには霧に包まれた大きな湿原が!!2000mの標高で初めてみる光景に感動。晴れていればもっと壮大な風景が想像され、暫く時間を忘れて風景に見入ってしまった。そこに甲高い女性の話し声、その方向を見ると色とりどりのテントが数張り、若者グループの一団がテントの撤収をしていた。

 女性の声で我に返り、火打山に向け登りを開始した。

妙高高谷池ヒュッテ

2006年10月09日 10時04分40秒 | 山旅
 笹原の中、ほぼ平坦な登山道を進む内、高谷池ヒュッテまで後5分との表示板を見つけた。下山者5名と言葉を交わしただけで雨の中黙々と登ってきただけに少し気持ちが高ぶってきた。そして三角屋根のヒュッテに到着。

 まだ時間的に早いこともあって入り口には合羽が干したままになっている。このヒュッテは完全予約制とのことで妙高近くのヒュッテを予約しているので宿泊客の邪魔にならないよう高谷池に向かう。そして幻想的な風景と出会うことになる。

妙高への登り

2006年10月08日 10時33分36秒 | 山旅
 雨は小降りとなって視界が開けてきた。火打山への分岐で妙高山方面の登山道を写真におさめた。このあたりから火打、焼山方面の展望が開けるはずだがガスのため何も見えない。今までの急登から解放されて快調に進む。

 黒沢岳をトラバースぎみに登山道が延びているため変化に乏しく少しウンザリしてきた。雨に濡れて緑は濃いが変化がないことから足下に注意しながら黙々と進む。雨飾山より一回り大きい山塊と感じる。この後ガスに包まれた幻想的な風景と巡り会うこととなる。

雲わく東赤石

2006年10月07日 07時13分26秒 | 野歩き
 妙高山の山行記録の合間をぬって色づく東赤石山を投稿します。日本では他に見られない海岸からの山の立ち上がりは鳥海山に次ぐものと思っています。何回登っても新たな感動を四季を通じて与えてくれます。

 紅葉の季節となりました。お弁当を持って八巻山からの雄大な景観を楽しみませんか!!東北の山々を登って感じました。四国の山の素晴らしさを!!四国の山は魅力たっぷりです。これから私なりに感動した風景を投稿したいと思っています。こうご期待ください。

妙高十二曲り

2006年10月06日 06時52分23秒 | 山旅
 黒沢を過ぎると急登となった。前日の雨飾山と違って、石が多く所々雨のため沢状になっている。かなりの登山者が行き交ったのか石の角が取れて滑りやすくなっている。ジグザグに登って行く内、女性の声がする、それも一人ではなさそうだ。

 大きな声で話しながら下山してくる登山者と出会う。5名だ。熊との遭遇防止か、登頂を無事終えての気持ちの高まりからか、急登のため暫し安全なところで待つこと5分、高齢の女性4名そしてリーダーらしき高齢の男性1名と行き交う。

 その内の女性から上は何も見えませんよ、との言葉をいただいて益々ウンザリ!!

妙高黒沢

2006年10月05日 10時24分26秒 | 山旅
 午前4時30分、雨飾荘からタクシーで出発。前日南小谷駅から雨飾山登山口まで乗せていただいたタクシーの運転手に翌日の計画を打ち明けて林道の厳しさを聞いて即決で翌日のタクシー移動を依頼してしまった。けれども、この選択は間違ってはいなかった。

 最初のタクシー予約の時点で林道はタクシーでは無理だと聞いていたことから、徒歩で半日行程での移動を計画していた。運転手に林道の状況を聞く内に、運転手が登山愛好家であることも幸運して乗せていただくこととなった。

 妙高小谷林道そして杉野沢林道をタクシーで1時間余りを要してしまった。徒歩では半日の行程で伊予でたとえれば寒風山を越えることは出来なかった。計画の甘さを思い知らされた。さらに前日の登山者との遭遇を熊と間違えたことが、現実のものとなって眼前に現れた。ツキノワグマに合ってしまった。車の中にいなければ何らかの危害を加えられたかもしれない。

 標高1300mの笹ヶ峰登山口から熊に合わないことを願いながら、すばらしいブナ林の木道を独り占めして黒沢まで快調に登った。

村営雨飾荘

2006年10月04日 06時39分33秒 | 山旅
 木道まで下りてきて一安心、登る時にはさほど気にしていなかったが、水かさが増して木道の上まで水が来ている。所々に水芭蕉の大きな葉が水の勢いでなぎ倒されている。少し下山が遅れれば荒菅沢を徒渉出来なかったかもしれないと思った。そして、登山道で出会った登山者は大丈夫だろうかと思ったりもした。

 更に驚いたことに、小さな沢だけれども20CM前後の魚が沢山いることに気づいた。後で生ビールのつまみになる魚だけれども登山口まで下りてきて張り紙を見て納得。魚は保護されているのだ。
 
 昼を少しまわっているけれども舗装された道路を一時間程下って雨飾荘に到着。手続きを済ませ、翌日の午前4時30分の出発に備え、早速秘湯に浸かる。乳白色で余り温度は高くなく、一時間程浸かって夕食前の生ビールとなった。最高!!
  

雨飾山のカール

2006年10月03日 06時26分21秒 | 山旅
 雨が一時的にやみ、ガスが上がってゆく。荒菅沢からの登り返しを一目散に登り視界の開けたところで振り返って感動!!剣の様な雨飾山山頂、そして二つの岩峰を従えた山容は今まで見えなかったこともあって「すごい!!」と声が出てしまった。

 つまらない山だと早合点した自分が恥ずかしい。しかもカールがなんと美しいのだろう。全体としてバランスがいい。もう一度、今度は紅葉の季節に来てみたと思った。暫し見とれている内またしても雨、アッという間にガスに覆われてしまった。後は秘湯にゆっくり浸かることを考えながら足も軽く下山することとなった。これだから山登りはやめられない。

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