晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「犯人に告ぐ」読了。すごく面白かった!

2007年10月16日 10時32分07秒 | 趣味
今、巷で話題の「クローズド・ノート」の作者、雫井脩介の作品。
大藪春彦賞を受賞しています。

児童誘拐事件で犯人逮捕に失敗し、児童を殺害され、記者会見で切れて暴言を吐き、責任を負わされ左遷されていた「巻島史彦」。

六年後、川崎で児童連続殺人事件が起こり、かっての上司に呼び戻される。
上司の目的は、劇場型の捜査、テレビを活用しての公開捜査に巻島を利用することだった。
以前の失敗で自分を責め、自らを痛め続けるように生きてきた巻島は承諾し、テレビのワイドショーで犯人に呼びかけ続ける。
中々、捜査が進まない中、巻島は世間から激しい批判を受ける。
そんな中、犯人がミスを犯した。


これほど緊張しながら本を読み進めたのは久しぶりでした。
背中がざわざわとする感じ。

かつての上司「曽根」は相変わらず憎らしく、またしても全ての責任を巻島に負わせ、安泰でいられる場所に身を置いています。
「曽根」の甥の「植草」は単に自分の優先順位のみで、女の歓心を買おうと情報をリークし、巻島を窮地に立たせる。
捜査陣からの協力も得られぬままの孤独な作戦。
ただただ、犯人からの接触を待ち、テレビでピエロのように扱われていく巻島が凄みを見せています。

ボロボロに自分を痛めつけていく巻島を包むような「津田」。
素直に巻島に従っていく本田。
わずかばかりの味方がなんとか巻島を支えようと動きます。

そして大きな賭けに出た巻島に思いもかけない出来事が。
いや、半ば予感し期待すらしていたかもしれない出来事が起こります。
そんな中での事件の解決。
この解決部分はあっさりと語られているだけだけれど、それだけで十分な気がします。

本当に面白かった。☆☆☆☆★。 少し暗いけど。

ところで、この本、映画化されもうすぐ公開されますよね。
巻島史彦は豊川悦司。 本の映像化のキャストはがっかりされられることが多いけど、これははまってる気がします。 (昨日の「ガリレオ」の福山雅治も思ってたより良かったかも。)
植草がね、名前からオイタが過ぎた某大学教授をイメージしちゃってて、小沢征悦だと、ちょっと顔がごつっ!誠実そうな感じだし。
津田長ももっとマルッとした感じ。笹野高史さん好きだけどね。

原作のイメージを壊したくないので、映画は見ないかもしれませんが。