晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「いっちばん」読了。

2008年09月10日 18時23分02秒 | 趣味
ご存知、畠中恵さんの「しゃばけシリーズ」最新刊。
このシリーズ、大好き。

江戸は通町の大店の若旦那、一太郎は滅法 身体が弱い。
朝起きると、無事であったと喜ばれ、立ち上がると、病でなかったとほっとされる、筋金入りの病人気質である。
しかし、一太郎の祖母おぎんは大妖であり、それ故、彼の目には人間には見えないあまたの妖(あやかし)が見える。
身体は弱いが知恵に溢れる若旦那が、少々頼りない妖の力を借りて難事件難問を解決していく。

収録されているのは、表題作「いっちばん」と「いっぷく」「天狗の使い魔」「餡子は甘いか」「ひなのちよがみ」の5編。

親しい人が次々と自分の周りから旅立って、寂しい思いをしている一太郎を喜ばせようと奮闘する妖。
どうやら掏りを働いているらしい、あるお店の次男坊の尻尾を捕まえてくれと、馴染みの岡っ引きに頼まれ頭を悩ます一太郎。
奔走するそれぞれが、あらら、思わぬところで・・・。
表題作の「いっちばん」。
一太郎の気鬱をなんとか晴らしてあげたいと頑張る妖達は、少々間が抜けてるけど、あいかわらず健気で可愛い。(鳴家が特に可愛いのよ。)
でも、なんかこれ、ドタバタしてて、読んでいてせわしないし、そんなに都合よく一ヶ所に・・・ねえ。

今回は、どれも「しみじみ感」が今ひとつ足りなかった気がします。
読後、じわりじわりと胸に沁みてくるっていう作風が好きなんだけど、この本はその部分がちょっと。

それでも、妖の魅力は十分堪能できます。
まだ「しゃばけシリーズ」読んだことない人。
読んでみてください。