晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「火の粉」読了。

2009年09月16日 12時58分23秒 | 趣味
踏み切りの音を聞きながら、見慣れた路地裏で風に吹かれているちっぽけな僕・・・
は、岩沢さん。

マンション建設の工事音を聞きながら、ワンニャンの尿臭に抱かれながら本を読むのは私・・・

ふん。詩人になれないわけだ。


「火の粉」雫井修介著。「犯人に告ぐ」がとても面白かったので期待して読む。

この本は怖かったよ~~。

冤罪で死刑を免れた男が、無罪判決を言い渡した元裁判官の隣に移り住んでくる。
とても紳士。とても親切。
すっかり彼を頼りにする家族達。

中で1人違和感を感じる嫁。

陥れられていく嫁。壊れていく家族。

この、真綿で首を絞められているような展開がなんとも怖い。
1人、真実に近づく嫁を一顧だにしない夫にイライラさせられる。
しかも嫁を見下した態度。
私、上から物を言う人、一番嫌いかも。

危険を感じながら避けているかのような父親にも呆れたし。
まあ最後の砦は守ったけど。

その脇でほくそ笑んでいるだろう犯人。


この冒頭の冤罪部分。
逮捕された犯人の背中には、バットで殴打された後がいくつも残り、
自作自演ではつけられない傷だと言う事とで、無罪が言い渡されるわけだけど。

これって・・・

紐にバットを括り付けて振り子のように自分で傷つけた・・・

となぜか思いついた。
と思ったら、残り三分の一ほどのところで気がついた。

これ、ドラマでやってたね。
どうりでトリックが分かったわけだ。脳の劣化は進んでいる

それにしても、柔らかな物腰で過剰なほどの親切。
そして自分にとって邪魔な者を排除していくための周到な計画。
それが受け入れられなかった時の変貌振り。
武内、怖すぎ。

こんな男、女が周りにいたら、何が何でも関わり合いにならないようにしなきゃ。