晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「八朔の雪」読了。

2009年12月17日 11時20分51秒 | 趣味
我が家にも人並みにボーナスが出ました。
私もささやかな、いや、結構なお小遣いがでて。
この不況のさなか、ありがたいありがたい。

早速、甲斐バンドのシングルベスト(「昨日鳴る鐘の音」大好き)と、
コブクロのニューアルバムを買いました。
エレカシのベストも欲しかったけどなかった

そんな浮かれ気分の中、一気読みしたのが、高田郁著「八朔の雪」みおつくし料理帖。

童女の頃、手相見に「雲外蒼天」、艱難辛苦が降り注ぐが、耐えて精進すれば、必ず青空を見ることが出来ると言われた澪。

その言葉通り、数多の不幸が彼女を襲うが、素直に健気に精進し、乗り切っていくお話。四編からなっています。

狐のご祝儀-ぴりから鰹田麩
八朔の雪-ひんやり心太
初星-とろとろ茶碗蒸し
夜半の梅-ほっこり酒粕汁 

見事な下がり眉の下の、鈴を張ったような双眸から、しょっちゅう大粒の涙をこぼす澪。
それは、人の優しさ、親切に触れたとき。
それだけ、澪の周りには、心優しい人たちが集まってくるということ。

そりゃ、これだけ、恩義を忘れず、健気に働けばね。
私も、こんな気立ての子に生まれたかったよ。
「雲外蒼天」はごめんだけど。

手相見に「旭日天昇」と言われた、生き別れてしまった幼馴染の今が途中で読めてしまうけれど、それはそれで、興味が惹かれます。

書かれているお料理は、今では珍しいものでも難しいものでもないけど、
今夜は茶碗蒸しにしようかな・・・と思うくらい、丁寧に、なにより温かく描かれています。

読後感は・・・
優しいお出汁に、苦味のある慈姑や、香味豊かな三つ葉、柚子の入った澄まし汁って感じかな。

澪の新しい料理や、天満屋の再建、つる屋の今後も気になるけど、
幼馴染、野江の行く末が一番気にかかります。
「旭日天昇」の器量よしも、難儀でんなあ。