のりひめのひとりごと Monologue of Noriko

2012年からオーストラリアと日本を行き来しています。日常のいろいろを書いてます。

のりひめの過去ばなし6.一着だけ用意した、40万円の革のコートが成約

2011-06-18 17:17:03 | のりひめの過去ばなし
ビジネス書の出版を目指して、
まずはいままでの人生の振り返りをしてみてます。
気が向いたらおつきあいくださいませ♪
しばらく接客話がつづきました
コメントなど大歓迎です^^


●一着だけ用意した、40万円の革のコートが成約

革のプレタポルテの仕入れ元に用事で行った際にあるコートがあり、
「これ、あの人に似合いそう、だけどほかのひとは買わないかも」と思い、
頼んで一着だけ借りてきました。

当時ペイズリーが流行っていて、それをヌバックという上質な起毛素材に
プリントし、襟にワインレッドのミンクの毛があしらってある凝ったものでした。

内山さんは50代くらいで代々木上原に小料理屋を開店したばかりの
大人の雰囲気のお得意様でした。

お店の外を通りかかったのが見えたので
「内山さんこんにちは!お似合いになりそうなコートあったので
持ってきてみましたけど着てみます?」と気軽に声をかけました。
「あら 見てみたいわ~」と、サングラスをはずしてお店に入ってこられました。

「こちらなんですけどね 色とかお好きじゃないかなと思って 
でも借りてきてるので、返せますから気にしないでくださいね」
といいながら着せてさしあげると

「いいじゃない これ」と鏡の前で右向き左向き。

「すごく素材感がすてきですよね 色も内山さんの雰囲気だな~と思って」
「そうね 気に入ったわ これいくら?」
そういえば値段を言うのを忘れていました。

「38万円です」
「いただくわ」

「ありがとうございます!いいんですか~?
色違いとか用意してなくてごめんなさい」
「いいえ、たぶん色違いがあってもこれを選ぶと思うわ」

もう夕方、閉店まであと2時間ほどのところで、38万円の売上げはもう大助かり。
頼むべきものはお得意様。ありがたいことです。

この方はご自身のお店のオープンのときに私も呼んでくれて、
初めてのことで緊張しながらもお祝いにうかがいました。


●革プレタ予約展示会で一客売上記録

秋冬を中心に革のプレタポルテを扱っていたのですが、
仕入れ元が受注会をするなら見本を貸しますといってくれたので、
お得意様向けの展示会をすることになりました。

期間はたったの3日間、店内で、飾り気のないラック2本につるしての
簡単な展示会です。
時期は9月の初旬、まだまだ暑くて革を着るなんて考えたくもないような時期です。

お得意様に電話して、十名弱くらいの方に来ていただきました。
最終日、もう閉店間近というときに来店されたのは、
23歳の若いほっそりしたすてきなお得意様です。

いつも明るくきれいな色の靴やプレタポルテを注文してくださいます。
自分のサイズに細かく直しがきくところが気に入ってくださっていました。

「ごめんなさい!もっと早くきたかったんですけど。間に合ってよかったわ。」
といいながら、あっという間にピンクやグリーンやカラフルなものや、
スエードやヌバックのシックなものまで、革のスーツやコートを8着、
注文してくださいました。

この方だけで売上げが215万円。支払いはアメックスのプラチナカードです。
1客1日215万円というのは当時会社の中でも最高の記録でした。
ありがたいことですね。

よんでいただき、ありがとうございます。

次回は●販売ノウハウコンテストで特賞、ヨーロッパ旅行獲得です

のりひめの過去ばなし5.傘も楽しく販売して国内仕入れ高ナンバーワン

2011-06-18 02:27:42 | のりひめの過去ばなし
ビジネス書の出版を目指して、
まずはいままでの人生の振り返りをしてみてます。
気が向いたらおつきあいくださいませ♪

●傘も楽しく販売して国内仕入れ高ナンバーワン

お店では傘を扱っていました。
シャルル・ジョルダンの日本向けの傘は日本で作っていましたが、
とてもおしゃれなデザインでよい素材ですてきです。
一本1万円と少々高額ですが、傘の取引ではうちの店が年間400本も仕入れるので、
シャルル・ジョルダンのなかでは全国ナンバーワン取引額でした。
デザインにもきちんと理由があるので、説明すれば納得、意思決定が早い商品です。
なによりも、靴と違ってサイズがないのがすばらしい商品でした。

スタッフみんなで、普段からどんな傘があるかを把握し、
すぐにおすすめを出せるようにしていました。
傘のあけ方もすてきにあける方法があります。
お客様と一緒に相合傘するように、ちょっとうっとりとあけてみるのです。
背の高い男性社員がやるとさらにうっとりです。

傘を飾るのは、雨が降りだしている日、雨が降りそうな日、雨が降った翌日、です。
もちろん雨の日も飾りますが、すでに傘をもっているので、
お客様もめったに買いません。
普段は一本だけ飾っていますが、ここぞというときは4本も5本も飾ります。

お店は渋谷パルコ1階にありましたので、上にはパルコ劇場があります。
いろいろなステージがありますので、お客様もたくさんきます。
一番売れるのは、ステージが終わって帰り際、雨が降りはじめたときです。
同じ建物なので出し物が終わる時間も大体わかります。

長傘が一万円、もしくは折りたたみ傘で一本6500円で二種類ありますが、
そんなときはほんの一時間ほどで10本から20本売れます。
しっかりと大鏡の前でお似合いの傘を選んでいただきます。
たまには「わたしに似合いそうな傘を選んで!」という方もいて、
そんな方には着ているもので判断し、「今日はこちらがぴったりですね」とすすめます。

時間がゆっくりある方には傘をきっかけに洋服やバッグをみていただけるので、
雨の降り出しそうなときは楽しみな時間でもありました。
もちろん、売上が短時間で上がるのも楽しみでした。


●ディスプレイ作戦で予測どおりスーツが売れた

シーズン前の展示会で見ていて「これは売れる!」と思っていた
冬物のウールのスーツがありました。
黒に赤の襟、赤の大きめボタンがついていて、ウエストの細いめりはりのある
デザインです。ほかに黄緑と黄色のコンビ、紫とピンクのコンビがありました。

さっそくディスプレイしていると、まだ開店したばかりの午前中だったのですが、
ぴったり似合いそうなお客様が通りかかり、じっと見つめています。
何もいわずにエスカレーターで上っていきました。

「あのお客さまが帰りに通りかかったときに、色違いのスーツが出ていたら、
『あれ売れてしまったのかな』って思うんじゃないかな。
ないとなると欲しくなるのが心情だよね」とひとり想像し、
赤と黒のコンビを 中の棚に入れて変わりにピンクと紫に差し替えました。

午後になったらそのお客さまが通りかかりました。(「あ 来た」)
ピンクと紫のスーツを見ています。

私は「よかったら試着なさいますか?」といいました。
「実は午前中も見たんです」とお客様。
「午前に通りかかりましたよね。実はわたしもお客様をみてました。
似合いそうだな~って思ってました」とわたしもにっこり。

「あのときは赤と黒のがここにあって。」
「もしお客様がまたいらっしゃったときにないといけないと思って、
とっておきました♪こちらです」
「え~ ほんとに?着てみたいわ!」

上下で8万円ほどのスーツでしたが、ぴったりのお客様がみつけてくれて、
ほんとうによかったなと思いました。


読んでいただき、ありがとうございます
次回は、●一着だけ用意した、40万円の革のコートが成約 です