あさまだきツァラトストラは山上に着いた
星天の流れは遥か雲海の向こう側の峰々に槍のように突き刺さって
その刺さり口から一條の血の光を滴らせて目の奥に飛び込み
彼に痛みを与えた
彼は腹の底から込み上がる感情を言葉に替えて叫んだ
「やはり自分はめげていたようだ
順天の一日は暗闇から燦光への意志の力だ
一村さえの窮地を救えないでは
旭日の勢いの億分の一も世に生きる證を果たしていない
改めることが人間の営みの本質であるならば
太日よ
今ここで誓おうぞ
お主と競おうことが
生まれ変わったワシの姿じゃ
見ておれ」
やわらツァラトストラは懐からパンフルートを取り出し
奏で始めた
新しい旋律は山から
朗らかに
それでいて目覚めたばかりの鳥たちをも
驚喜させて
軽やかに下って行った
https://youtu.be/NQp-QZabdtQ
yatcha john s. 「ツァラトストラかく語りき」
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