18 「グレディアの日記」にはグレディアが母ドースから聞いた、ドースのおばさんウォンダの若い頃の様子が詳しく書かれてる。後でわかったことなんだが、ウォンダさんがイオス星で亡くなるとき、どうしてもということで、ドースさんをターミナスから呼び寄せたんだよ。おそらくハリ・セルダンのこと、心理歴史学のこと、これからの未来のこと、彼女の数奇な人生を女性という立場で同性の姪に伝えたかったと思う。というより、正確にはアルカディアの言ったことをそのまま俺はお前に伝えてるだけだけどね。その時その往復に付き添っていたのが、ボー・アルーリンだったんだ。
へ~、アルーリンさんは、ウオンダさんよりずっと長生きしたんですね!
そうだ。彼はガールよりも長生きした。アルーリンは、ずっと頻繁にトランターとターミナスを行き来して、両ファウンデーションの設立に奮闘してくれたんだ、ピレンヌの像を建てるようにハーディンに進言したし、あの「時間霊廟」も彼が考案した。そして第二期のターミナスの大立て者のハーディンを見出だし、教育し、女の子がいなかったドースの養子にハーディンの娘のグレディアを薦めたのもアルーリンさんだ。
そしてここからが最も大事だ。暗黙のうちに巧妙に、あれから500年の今にチャンと作動するように仕組んだんだ。だから今彼の思惑通りに全てが作動してきた。
何もかも驚きだわ!ふむふむ、それじゃ、アルカディアさんまで繋がる女系一族の仕掛人もアルーリンさんということになるわね。驚きを通り越してるわ。それじゃ、「蝶番」の役割はボー・アルーリンさんなのね?じゃあ、たしか、ガール・ドーニックさんも「蝶番」の役割をハリから託されたということは、二人で「蝶番」の役割を分担したってこと?
そう先をせっつくな、二人の役割の違いについては、そのうちおいおいと話してあげるからな。その質問に答える前に、まだウォンダさんの物語の続きが残っている。
そうだったわ。ミーター、先走っちゃって、ごめんなさい。そうよ、そのウォンダさん!
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 18 「ボー・アルーリンの秘密」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます