ミーターの大冒険 第四部 コンポレロン 第2話 「神秘の三角形」
あらすじ
ミーターは亡きアルカディアの遺志通りアタカナ探索にターミナスに旅立った。傍らには、不思議な自らをイルミナと名乗る「銀河帝国辞書編纂図書館」のバーチャル・コントロールが同乗していて、ミーターの話し相手になっていた。二人を乗せたファー・スター2世号は順調に加速を上げた。
しかし、目指す禁断の天体オーロラに辿り着くルートが見つからない。ミーターは、その情報をコンポレロンで手にはいるとふんだ。
進路をコンポレロンにとった時、ジスカルド・ハニスからハイパー・ウェーブ通信が入った。
二人の若いターミナス人が「別動隊」の候補者として名前があがった。
アルカディアのラヴェンダー農園のはじまりの母系先祖の「グレディア」のことに話題が及び、ミーターは何かの記憶を呼び覚ます。アルカディアがかつてミーターに語った「グレディア」に纏わる伝承は次のようであった。
「グレディアは、そもそもサルヴァー・ハーディンの次女の名前だった。その名前を、ハーディーの次女に薦めたのは、コンポレロン出身のボー・アルーリンであり、彼はコンポレロンの伝説にあるアルカディアが、説明してくれた物語がある。ガール・ドーニックがハリ・セルダンに提出したという『故郷星探索記録』に、彼がまだ彼の故郷の星、シンナックスにいた頃の記録が捕捉されてあった。そのなかにガールが「証古学」に目覚めたきっかけをつくったある発見が書かれてある。ある寺院の裏に石棺の中に二体の遺骨を発見した。その蓋には古代銀河聖語で『夢多き300歳の若きグレディア・ソラリアとダニール・ジスカルド・ベイリーここに眠る』と刻されてあったという。その不可思議な言葉の意味が今わかったと、ミーターは思った。」
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ミーター イルミナ、どうにかしたのか?突然の機能不全でも起こしたって言うんじゃないだろうね?
イルミナ ミーター、そうじゃないけど、人間的にいうなら、感情の伝染っていうんじゃない。わたしも膨大な記録からデータが浮かんで来たのよ。あれは、確か、500年前のセルダン夫妻の逃避行の件だわ。友人のヒューミンに促されて、トランターの各地を巡り故郷起源の痕跡を探るはめになったと、ガール・ドーニックの文書にあるわ。ピリボトンのある老婆が語ったという「禁断の星」の人間とロボットの友情の物語りがあるわ。人間は、バ・リー。ロボットはダ・ニーって言われているわ。
ミーター ロボットだって。ふ~? それが、どうして、俺の話と結びつくんだい?
イルミナ 不思議な関係がもう一組だっていうことよ。
おんなじ人間同士でしょうけど、方やスペーサー一族の女、もう一方は、セッツラー一族の男。今度は人間とロボットよ!話がこんがらかるわ。
それに、私はそれに何か共通項を発見したような気分になったの。
ミーター イルミナ、でかしたな、ハイパーコンピューターのお前が直感とは畏れ入った。
つまり、こういうことか、お前が言う前に俺に言わせてくれ。
人間の男の方の名前は、バ・リー。恋人同士の星は現在のコンポレロン。遠い過去は、「ベンバリー・ワールド」。そのベンバリーのバリーが実は、バ・リーということじゃなかったのか、っていう。
イルミナ そうよ。そういうことよ。それにハニスさんの名前も「ジスカルド」だわね。
ミーター それに、また、アルカディアが発見した話を思い出した。あのガール・ドーニックは、実は、二回故郷の星をある目的で訪れたという記録があると。
イルミナ まあ、それじゃ、もしかしたら、セルダンの故郷のヘリコン、ガールの故郷のシンナックス。それとコンポレロンはなんかの繋がりがあるのね、きっと。だから三つの座標は銀河面上に綺麗に三角形の位置を占めてるって訳ね!
ミーター 道理で、コンパーさん、ハニスさんのお祖父さん、オリンサスさんのお友達の同じ故郷もコンポレロンで、俺らを招いているような筋書きみたいなんだ。
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』コンポレロン 3 「 神秘の三角形 」
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