あらすじ
アルカディアが81歳で亡くなった。
ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「心理歴史学」の権威のハリ・セルダンを唸らせた、地球探査の報告書を携え戻ったガール・ドーニックの真実発見とはなんだったのか?「微細心理歴史学」という真理なのか?ベイタ・ダレルが、ガールの見解を正確に踏襲していた、ということなのか?ミュールの必然性とは?ますます展開が際立って来たようだ。
そしてその究極的謎の究明には、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の理解までも到達した。
ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
87
ミーター ハニスさん、当選三回目、おめでとうございます!でもだいぶ浮かない顔ですね。
ハニス ミーター君、実は喜んではいられない状況なんだよ。我が「自由銀河党」は惨敗した。残るは俺を含めて三人になってしまった。相手の「ターミナス第一」は九割取った。
俺らが望んだ、銀河復興は頓挫したも同然だ。くやしい限りだ。第二ファンデーションやドースさんには顔向けができない。
あの鉄面ハーラ・ブラノは恐るべき女傑だ。油断できない。もう少しで第二ファンデーションとの連携が成功しようとした矢先だったというのにな。
ハニス 実はハニスさん、あなたがイフニアに遊説中、彼女が突然、ここを訪れて、気色悪く、僕を観察したんです。僕のこと、チクタクとか呼んでいました。僕は「僕にもちゃんと名前がありますよ。R・ミーター・ダリルって言うんです」と返してあげました。
道理で。彼女はそれ以来、新な戦略で彼女の党を有利にしたんだ。アルカディアさんに似せたチクタクを二万体もターミナス全土の路上に行進させ、あたかも彼女がアルカディアの威光の代理人だと言うように。卑怯な手を使いやがる。
その実、アルカディアとは真反対な権威主義で独裁者であるにもな。
銀河復興の担い手の第一ファンデーションがこの様(ざま)では、我らの念願はハッキリ頓挫したというものだ。
彼女の政策は銀河全域への援助中止ときている。嘆かわしい限りだ。
ミーター君、彼女をひっくり返す妙案はないのだろうか?
ミーター ハニスさん、そんなに弱気でどうしたんですか。
う~、妙案ですか?
え~と、ですね。
例えば、トランター帝国が衰退したあとは、銀河の中心はネオ・トランターに移り、そのまた後は、カルガンに移りました。そんな具合で、「首都移転」なんてどうでしょう!
ハニス う~、妙案かもしれない。モーブでは銀河の端過ぎる。もっと銀河中央に位置するイフニア星がいいか。俺の勝手知ってる世界だからな。
ミーター君のアイデア、頂こうとするか。
これで挽回できるかもな。
イフニアの三連太陽 想像図
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